ベルギーの「猫祭り」とは?発祥の起源やお祭りの内容

ベルギーの「猫祭り」とは?発祥の起源やお祭りの内容

3年に1度行われるベルギーイーペルの猫祭りが先日(2018年5月12日、13日)に行われました。チョコレートで有名なベルギーには、猫祭りが開催される町があります。なぜベルギーで猫祭りなのか、その起源やお祭りの内容などをお伝えしていきます。この猫祭り、日本の方にもとても人気があり、旅行会社によるツアーが組まれているほどです。町をあげての猫祭り、一度行ってみたいですね!

猫祭りの内容は?

イーペルの猫祭りでは、どのような催し物が開催されるのでしょうか?猫祭りは2日間ですが、1日目の土曜日は、前夜祭です。メインは2日目。目玉であるパレードや猫投げ、そして最後に魔女の火あぶりショーがあって祭りは終了です。目玉イベントの詳細を見ていきましょう。

パレード

猫祭りのパレードは3時間ほどもかかる大掛かりなイベントです。猫に扮した大勢のダンサーが練り歩き、「イーペルジャイアント」と呼ばれる大きな人形も出てきます。

イーペルジャイアントは、イーペルの町の力の象徴です。全部で7体ありますが、どれも5メートル以上のとても大きなものです。どうやって保管しているのか個人的にとても気になります。

猫投げ

猫投げと言っても本物の猫を投げる訳ではありません。かつてはそういう時代もありましたが、猫祭りが始まってからは、かわいい猫のぬいぐるみを投げて、それを人々が競って取る、という形になっています。

かなり盛り上がるイベントですが、大の大人が本気になって猫のぬいぐるみを取ろうとするので、小さなお子さんは危険です。いや、大人でも危険ですね。

猫のぬいぐるみは売られているので、そちらを購入した方が安全は安全です。自信のある方は、猫投げに参加してみるのも良いでしょう。

魔女の火あぶりショー

火あぶり

猫祭りの最後は、イーペルの町で起きた凄惨な歴史を忘れないようにと催される、魔女の火あぶりショーです。

中世に行われた魔女裁判や火あぶりの刑をご存知の方は多いでしょう。当時は魔女がペストを流行させている、という風潮になり、魔女の疑いがある女性は裁判にかけられ、火あぶりで処刑されました。

猫祭りのショーでは、この様子が再現されています。会場に響き渡る、魔女に扮した女性の悲痛な叫び声・・・。噂では15分に渡ってこの悲痛な叫びが続くと言います。最後は、魔女の人形が焼かれて祭りは終了です。

ベルギーの猫祭りの発祥は?

魔女狩りで犠牲になった猫の為のお祭り

ウールをイギリスから輸入していたイーペルでは、それを職人に売っていました。職人はウールを織物に仕立て、倉庫に保管します。その倉庫にいるネズミ駆除のためイーペルの人々は猫をとても大切にしていました。

しかし14世紀ごろ、ヨーロッパではペストなどの伝染病が大流行しました。当時その原因が魔女によるものだと信じられていたので、イーペルの人々は異教徒ではない事を示すため、魔女の使いである猫を高い塔から投げ殺すようになりました。これが猫祭りのイベントである「猫投げ」の始まりです。

時代は流れ、イーペルの人々はその暗い歴史を忘れないよう、1938年から猫のぬいぐるみを猫祭りの際に投げ落とすようになりました。

第二次世界大戦が始まるとこのイベントは中止になりましたが、小さなパレードとともに1946年3月17日、猫のおもちゃ投げが復活します。

ジャン・ヴァンダーゴート市長はこの小さなパレードを拡大する夢を持っていましたが、彼の後任であるアルバート・デヘム市長によって現実のものとなりました。1955年、四旬節(キリスト教の復活祭前の準備期間)の第二日曜日に、最初の猫祭りが開催されています。

イーペルの町の人にとっての猫祭りとは

猫祭りの意味は人によって異なるようです。デヘム市長は、戦争の痕跡(イーペルは、第一次世界大戦でドイツ軍による大規模な毒ガス攻撃があった町。日本の長崎や広島のようなイメージ。)を完全に消したいと思っていたようです。

また、都市との多様なつながりを築きたいという思いもあったようです。他の人は、イーペルに人口を戻したいと考えていたのだとか。

猫祭りに参加する方法

飛行機

猫祭りに参加するにはツアーで行くか個人でプランを練って行くかですが、ツアーで行く方がオススメです。

イーペルは、個人で行くには少々行きづらい場所にあり、よほど慣れていないとプランを組むのに苦労するでしょう。もちろん、ご自身で色々と手配して行くのが好き、という方は、こ自身でプランを組んでみてください。

日本からのツアーはいくつか用意されていますので、探してみると色々見つかります。意外にも猫祭りには、日本人の参加者が多いそうです。そういう意味ではツアーで行くと心強いですし、猫好き仲間が増えるかもしれません。

また、パレードなどを観覧するのに、無料で道端で見るのと、有料チケットを購入して観覧席で見る手段がありますが、ツアーでは観覧席をリザーブしてくれているものも。無料の場合、お金こそかかりませんが場所取りが大変ですし、場所によっては非常に見ずらい場合もあります。その点、有料チケットがあれば場所取りは必要ありませんし、しっかりと催し物を見ることができるでしょう。

まとめ

猫を投げて殺したり戦争の激戦地となったり、激動の時代を過ごしてきたイーペル。今でこそ猫祭りで、3年に1度盛り上がる明るい町となりましたが、過去の暗い歴史を忘れないようにするというところも素晴らしいですね。

猫祭りだけど猫だけじゃない!イーペルという町の歴史にも触れられる貴重なお祭りです。次回の開催は2021年!今からプランを練ってみましょうか?

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