なぜシャム猫みたいな雑種はいるの?野良猫にも見られる理由と見分け方

なぜシャム猫みたいな雑種はいるの?野良猫にも見られる理由と見分け方

顔や耳、足先、しっぽだけが濃く、体は白やクリーム色をしている猫を見て、「シャム猫ではないか」と思ったことがある方もいるでしょう。 しかし、シャム猫のような毛柄をしているからといって、その猫が純血種のシャム猫とは限りません。雑種の猫にも、シャム猫によく似た毛色や青い目が現れることがあります。 この記事では、雑種がシャム猫のような見た目になる理由や、野良猫にも同様の毛柄が見られる理由、純血種のシャム猫との見分け方について解説します。

シャム猫みたいな雑種は珍しくない

塀の上にいるシャム猫

シャム猫のように、顔や耳、足先、しっぽの色が濃くなっている雑種は存在します。このような毛柄は一般的に「ポイントカラー」や「カラーポイント」と呼ばれています。

ポイントカラーはシャム猫を代表する特徴のひとつですが、シャム猫だけに現れる毛柄ではありません。ポイントカラーに関係する遺伝子を受け継いでいれば、血統書を持たない雑種にも同じような毛色が現れることがあります。

そのため、外で見かけた猫がシャム猫によく似ていても、見た目だけで純血種と判断することはできません。シャム猫の血を引くミックス猫の場合もあれば、何世代にもわたってポイントカラーの遺伝子を受け継いできた雑種の場合もあります。

反対に、飼い主のもとから脱走した純血種やシャム系の猫である可能性もあります。外見だけで猫の血統や生い立ちを特定するのは困難です。

雑種がシャム猫のような見た目になる理由

雑種がシャム猫のような見た目になるのは、ポイントカラーに関係する遺伝的な特徴を受け継いでいるためです。

ポイントカラーの猫には、体温によって色素の作られ方が変化するという特徴があります。そのため、体の中心部は明るい色になり、比較的温度が低い顔や耳、足先、しっぽなどは濃い色になりやすいのです。

ポイントカラーの遺伝子を受け継いでいる

猫の毛色は、両親から受け継いだ複数の遺伝子の組み合わせによって決まります。

ポイントカラーに関係する遺伝的特徴を両親から受け継ぐと、顔や耳、足先、しっぽなどに色が現れ、シャム猫のような見た目になることがあります。

この遺伝的特徴は純血種だけに限定されるものではありません。ポイントカラーの遺伝子を持つ雑種同士の繁殖が続けば、後の世代にも同じような毛柄の子猫が生まれる可能性があります。

体温が低い部分ほど毛色が濃くなる

ポイントカラーに関係する色素の生成は温度の影響を受けます。体温が比較的高い胴体では色素が作られにくく、体温が低くなりやすい顔の一部や耳、足先、しっぽでは色素が作られやすくなります。

その結果、胴体は白やクリーム色になり、体の先端部分だけが茶色や黒、灰色などになる特徴的な毛柄が現れます。

顔の中心が仮面のように濃くなることから「マスク」、耳や足先、しっぽなどの濃い部分をまとめて「ポイント」と呼ぶこともあります。

子猫の頃は白っぽく成長とともに色が濃くなる

ポイントカラーの猫は、生まれた直後には全身が白っぽく、成長するにつれて顔や耳、足先、しっぽの色が濃くなることがあります。

母猫の体内は温度が高いため、出生時には色素が十分に現れていないことが理由です。生まれた後に体の先端部分の温度が下がると、徐々にポイント部分の色が目立つようになります。

また、毛色の濃さは成長だけでなく、季節や生活環境、個体の体温などによって変化する場合があります。寒い時期には色が濃く見え、暖かい時期にはやや薄く見える猫もいます。

シャム猫みたいな野良猫がいるのはなぜ?

座ってこちらを向くシャム猫

野良猫や地域猫の中にシャム猫のような猫がいる理由としては、ポイントカラーに関係する遺伝子が雑種猫の間で受け継がれていることが考えられます。

現在見かける個体が、純血種のシャム猫と直接交配して生まれた猫とは限りません。何世代も前の祖先からポイントカラーの遺伝子を受け継いでいる可能性もあります。

ポイントカラーを持つ猫同士の繁殖が続いている

ポイントカラーに関係する遺伝的特徴は、見た目に現れていない猫が持っている場合もあります。

そのため、一見すると一般的な毛柄をしている猫同士から、シャム猫のようなポイントカラーの子猫が生まれることもあります。

地域の猫の中にポイントカラーの遺伝子を持つ個体が複数いれば、世代を重ねても同じような毛柄の猫が生まれる可能性があります。

過去に飼い猫やシャム系の猫と交配した可能性がある

過去に外へ出ていた飼い猫や、脱走・遺棄されたシャム系の猫が、地域にいた猫と交配した可能性も考えられます。

その子孫がさらにほかの猫と繁殖を繰り返すことで、純血種のシャム猫とは体格や顔立ちが異なっていても、ポイントカラーだけを受け継いだ雑種が生まれることがあります。

ただし、シャム猫のような猫を見つけたからといって、最近になって純血種のシャム猫と交配したとは限りません。毛柄だけから祖先や交配の時期を特定することはできないため、あくまで可能性のひとつとして考えましょう。

純血種やシャム系の飼い猫が外に出ている場合もある

外にいる猫が、必ずしも生まれたときから野良猫だったとは限りません。飼い主のもとから脱走した猫や、何らかの事情で屋外にいるシャム系の猫である可能性もあります。

人に慣れている、毛並みが整っている、首輪の跡があるといった場合は、迷い猫の可能性も考える必要があります。

シャム猫のような猫を見つけても、すぐに野良猫や雑種だと決めつけず、周辺で迷い猫の情報が出ていないか確認することが大切です。

シャム猫とシャム猫みたいな雑種の見分け方

寝転ぶシャム猫

まず、結論からお伝えすると純血種のシャム猫と、シャム猫のような雑種を外見だけで正確に見分けることは困難です。

毛色や目の色、体格などは判断材料のひとつになりますが、似た特徴を持つ雑種やほかの猫種もいます。ひとつの特徴だけで純血種だと判断しないようにしましょう。

毛色だけでは判断できない

顔や耳、足先、しっぽが濃いポイントカラーは、純血種のシャム猫だけに見られるものではありません。

雑種のほか、シャム猫以外の純血種にもポイントカラーが現れる場合があります。そのため、「ポイントカラーだからシャム猫」「青い目だからシャム猫」と判断することはできません。

ポイントカラーは猫種そのものを示す名称ではなく、毛色や模様の現れ方を示すものとして考える必要があります。

血統書や繁殖記録がなければ純血種とは断定できない

純血種であることを確認するうえで重要になるのは、見た目だけではなく、その猫の血統や繁殖記録です。

正式な血統書や、両親・祖先について確認できる記録がない場合、外見がシャム猫に似ていても純血種だと断定することはできません。

とくに野良猫や保護猫は両親や出生の経緯が分からないことが多いため、「シャム猫」ではなく「シャム猫のようなポイントカラーの雑種」などと表現するのが適切です。

体格や顔立ちも判断材料にはなるが確定できない

純血種のシャム猫には、細身の体型や長い四肢、大きな耳、くさび形の頭部、青い目などの特徴があります。

ただし、これらの特徴の一部は雑種にも現れます。反対に、シャム猫の血を引いていても、ほかの猫の特徴を強く受け継ぎ、丸みのある顔やがっしりとした体型になることもあります。

体格や顔立ちは判断材料にはなりますが、それだけで純血種か雑種かを確定することはできません。

見た目だけでは性格も判断できない

シャム猫のような毛柄をしていても、性格まで純血種のシャム猫と同じになるとは限りません。

毛色は遺伝によって決まる特徴のひとつですが、猫の性格には遺伝だけでなく、育った環境や人との関わり、社会化の状況、これまでの経験なども関係します。

「シャム猫のような柄だから活発」「よく鳴くはず」などと決めつけず、その猫自身の様子や行動を見ることが大切です。

シャム猫みたいな野良猫を見つけたときの対応

石の階段を登るシャム猫

シャム猫のような猫を外で見つけたときは、見た目から野良猫だと決めつけず、まず飼い猫や迷い猫ではないか確認しましょう。

また、猫が警戒している場合は無理に近づいたり、突然抱き上げたりしないようにしてください。

飼い猫や迷い猫ではないか確認する

首輪を着けていなくても、完全室内飼いの猫が脱走した際に首輪をなくしている可能性があります。

近隣の住民に心当たりがないか尋ねるほか、地域の迷い猫情報やSNS、動物愛護センター、保健所、警察などに届け出がないか確認しましょう。

保護できた場合は、動物病院などでマイクロチップが装着されていないか確認してもらう方法もあります。

安易に触らず猫の状態を確認する

屋外で暮らす猫は、人との接触に慣れていない場合があります。追いかけたり無理に触ろうとしたりすると、猫が逃げるだけでなく、引っかかれたり噛まれたりするおそれがあります。

まずは少し離れた場所から、ケガをしていないか、極端に痩せていないか、自力で歩けているかなどを確認してください。

子猫の場合は、近くに母猫やきょうだい猫がいる可能性もあります。緊急性がない場合は、すぐにその場から連れ去らず、一定の距離を保って周囲の状況を確認しましょう。

保護する場合は動物病院や保護団体に相談する

猫がケガをしている、衰弱している、交通量の多い場所にいるなど、緊急性が高い場合は、動物病院や地域の保護団体、行政機関などへ相談しましょう。

自宅で保護する場合も、すでに猫を飼っている家庭では、すぐに先住猫と接触させないことが大切です。まずは別の部屋やケージで隔離し、動物病院で健康状態を確認してもらいましょう。

保護した猫を飼う場合は、飼い主がいないことを確認したうえで、必要な検査や予防処置、避妊・去勢手術などについて獣医師に相談してください。

まとめ

シャム猫のように顔や耳、足先、しっぽの色が濃い雑種は存在します。このような見た目になるのは、ポイントカラーに関係する遺伝的特徴を受け継いでいるためです。

ポイントカラーは純血種のシャム猫だけに現れるものではありません。そのため、シャム猫のような毛柄や青い目を持っていても、外見だけで純血種か雑種かを判断することはできません。

また、毛柄が似ているからといって、性格や健康上の特徴まで純血種のシャム猫と同じになるとは限りません。その猫自身の血統や性格、健康状態は、それぞれ分けて考える必要があります。

外でシャム猫のような猫を見つけた場合は、野良猫だと決めつけず、迷い猫ではないか確認しましょう。保護が必要なときは無理に対応せず、動物病院や保護団体、行政機関などに相談してください。