タイ猫とは?特徴・性格・シャムネコとの違いなどについて解説!

タイ猫とは?特徴・性格・シャムネコとの違いなどについて解説!

タイ猫の外見の特徴や性格、見た目の似ているシャム猫との違いについて解説しています。タイ原産の猫を飼いたいと思う方向けに、入手の方法やタイ・シャム以外の猫種も紹介します。

タイ猫とは

タイ猫

ガラス玉のように綺麗な青い瞳と大きな耳、丸みがあり親しみやすい外見が特徴的なタイ猫は世界中で愛されている猫の1種です。

シャム猫と間違われがちなタイ猫について、外見の特徴や、性格、シャム猫との違いについて詳しく見ていきましょう。

タイ猫の外見

タイ猫は、くさび形で少し丸みのある頭に、長い手足としっぽを持っています。目の色は綺麗な青色で、淡いベージュやクリームの毛色をした短毛種です。

顔や耳・手足・しっぽなどに濃いポイントカラーが入っているのが一般的で、入るカラーは4つの種類に分けられます。

  • シールポイント(黒っぽいこげ茶色)
  • ブルーポイント(青みがかった灰色)
  • ライラックポイント(薄めの灰色)
  • チョコレートポイント(チョコレート色)

生まれたばかりの子猫はまだポイントカラーは出ておらず真っ白で、成長と共に毛色が変化します。

タイ猫の体重

タイ猫の平均体重はメスが3〜4kg、オスが4〜5kgで中〜大型に分類されます。ほっそりとしているものの、シャム猫よりはやや丸みがありどっしりとした印象を受けますが、そこが大きな魅力のひとつです。

体長は25〜27cm程度で、標準的な猫の体長(23〜25cm程度)とそこまで大きな差はありません。

タイ猫は非常に健康的な猫種で、平均寿命は15〜20歳ほどと言われています。愛嬌のある丸みがかわいい猫種ではありますが、ご飯の与えすぎには十分注意しましょう。

タイ猫の性格

タイ猫はとても愛情深く人懐っこい性格をしています。穏やかさもあるため、室内飼いや多頭飼いに向いている猫です。

とてもおしゃべり好きで甘えん坊な一面もありますが、猫ならではのマイペースさも持ち合わせています。まるで犬のように人間に懐く反面、飼い主が好きになりすぎるのか留守番はやや苦手です。

タイ猫とシャム猫(サイアミーズ)の違い

サイアミーズ

気になるシャム猫(サイアミーズ)との違いについてですが、タイ猫とシャム猫は元は同じ猫種でした。

シャム猫は第一次世界大戦・第二次世界大戦の影響で数が激減して絶滅寸前になってしまいます。戦後、減ってしまったシャム猫を復活させようと繁殖家の間で交雑が行われた際、見た目の異なる2つの種が誕生しました。

1つは原産国のタイに元々存在していた「オールド(トラッド)スタイル」、もう1つはキャットショーでより印象に残るように改良された「モダンスタイル」です。

モダンスタイルがキャットショーで注目を浴び人気になる一方で、古くからのオールドスタイルも愛好家によって守られ、2009年にタイという名称で新たに品種登録されました。

「愛猫がシャム猫だと思っていたら実はタイ猫だった!」なんて事例もあるほど良く似ている2種ですが、
タイ(オールドスタイル)は丸みを帯びた顔と体型で、シャム(モダンスタイル)はすらっとした細身と体型に違いがあります。

また、タイは親しみやすく可愛らしい雰囲気が魅力的で、シャムはクールな凛とした顔立ちが美しいです。

タイ猫を飼う方法

タイ猫キトン

タイ猫を自宅に迎え入れるには、ブリーダー経由やペットショップで販売されている子猫を購入する、保護されているタイ猫の里親になるという方法があります。

求めているタイ猫が純血種か雑種か、子猫か成猫かで迎え入れる方法も変わってくるでしょう。また、子猫を購入するか里親になるかによって迎え入れるまでにかかる値段も大きく変わってしまいます。

今回はタイ猫を迎え入れる3つの方法について、注意点も含めて見ていきましょう。

ブリーダーから購入する

ブリーダーとは猫の繁殖や交配、飼育を行う人で、生まれた子猫は主にペットショップに販売されています。いわば猫の飼育のプロです。

ブリーダーから直接子猫を購入する場合、ある程度コミュニケーションの基礎がしつけられているだけでなく、母猫を見られるので成長後どんな風になりそうかの予想ができます。

また、猫に関する知識が豊富なプロに飼い方やしつけのコツを教えてもらえるのも大きな利点ですね。

ただし必ずしもタイ猫の交配をしているとは限らないことと、飼い方の方針が合うブリーダーばかりではないため、事前の問い合わせや飼育環境の見学などのリサーチを入念に行いましょう。

価格はペットショップよりも比較的安価で約10〜20万円です。キャットショーで優勝するレベルの血統の親だとさらに値打ちが上がる可能性もあります。

ペットショップから購入する

猫を迎え入れる際に最も一般的な方法がペットショップからの購入です。この方法の場合も、必ずタイ猫に出会えるとは限らないので注意しましょう。

時間がかかっても良いのであれば、店員さんに「タイ猫が入ったら教えてください」と伝えておくのも一手です。

ペットショップで購入する利点は、直接見たり触ったりしてから選べる、子猫の購入と共に飼育に必要な物がそろえられる、提携しているペット保険に加入できることです。

一方、色々な所から猫が集まるペットショップでは、子猫が感染症などの病気をもらっている可能性があります。

また、早くに親元から離され社会性が培われていない子もいるため、最初のうちは人に対して攻撃的かもしれないのを念頭に置いておきましょう。

基本的にペットショップでは血統書がついた純血種を扱っていて15〜25万円ほどの購入価格です。

保護猫の里親になる

お迎えするタイ猫が成猫でもOKな場合は、保護施設にいる猫や里親募集されている猫を譲り受ける方法も選択肢に入ります。どの方法も共通ですが、タイ猫は希少性が高い上に人気なので必ず入手できるとは限りません。

里親になる場合の一番のメリットは、人の都合で捨てられてしまったり殺処分になってしまう猫の尊い命をつなげられることです。

ボランティア団体や預かり主さんによってある程度人に慣れた状態にしてくれてはいますが、猫との相性や飼育環境を見るためにトライアル期間が設けられます。

トライアルを通じた審査に通って初めて猫を引き取れるのです。迎え入れまでには関門があるものの、価格は最も安く、必要に応じてワクチンの接種や健康診断の費用など数万円で済みます。

その他のタイ原産の猫の種類

トンキニーズ

ここまでタイとシャム(サイアミーズ)の2種類の猫について触れてきましたが、タイ原産の猫種は他にもいるのをご存じでしょうか?

現在タイにはこれらの猫種が存在しています。

  • トンキニーズ
  • カオマニー
  • ゴーンジャ
  • コラット
  • バーミーズ

5種それぞれが個性的で日本人にとっては珍しい種もいるため、各種の外見や特徴を紹介します。

トンキニーズ

トンキニーズは、これから紹介するバーミーズとシャムをミックスし特徴を受け継いだ雑種の猫で、非常に柔らかくシルクのような短毛を持っています。

毛色は個体によって違いますが、シャム猫のようにポイントが生じる猫もいれば単色の毛の猫もいます。瞳の色もシャム寄りの澄んだ青からバーミーズ寄りの金色まで様々です。

体型は細身で筋肉質のセミフォーリンと呼ばれるタイプで、体重は性別によっても変わりますが3〜6kgほどになります。

カオマニー

カオマニーはタイ語の「白い宝石」という意味の名が付いている短毛の猫です。まさに純白という言葉が似合う毛色で上品な毛並みを持っています。

また、見るものを惹きつけるような輝きを放つ瞳が特徴的です。瞳の色は青・黄・緑が多く、中には左右で色の異なるオッドアイの子もいます。

体重は4kgほどで、やや細身ながらも筋肉質で丸みのあるセミフォーリンという体型です。

ゴーンジャ(ゴンジャ)

漆黒の艶やかな毛とピンと真っ直ぐな尻尾、黄金色の瞳が特徴的な猫です。逆三角形の尖った顔をしています。しっかりした足はライオンのようだと言われ、しなやかな筋肉が付いた引き締まった体型です。

日本では滅多にお目にかかれない猫種で、古代のタイでは後述するコラットと共に幸運を運んでくると信じられ、現在でもタイで多くの人に愛されています。

コラット

コラットはハート型の顔にシルバーがかった青みのある毛色をした猫です。瞳は子猫時代は青、成猫になってからは緑へと変化します。コラットという名前は、タイ王国北東部にあるコラット地方が由来です。

タイでは繁栄という意味のシーサワットとも呼ばれ、幸運を呼ぶ猫として愛されています。人懐こくて社交的なコラットは、飼うと幸せになると日本でも人気が高まっています。

バーミーズ

バーミーズは、1930年代のアメリカでミャンマーから輸入された茶色のメスの猫「ウォン・マウ」とシャム猫を交配し生まれた雑種の猫です。

体重は3〜5kg程度と一般的な猫とあまり変わりませんが、同じ猫でも2種類の体型の個体が存在します。1つは丸みを帯びたがっちり体型のアメリカン・バーミーズ、もう1つが手足が長くスリムな体型をしているヨーロピアン・バーミーズです。

毛の色はセーブルやシャンパン、ブルーなど濃いめの色合いで、瞳の色はほとんどが黄色や金色と言われています。

まとめ

花とタイ猫

今回は、シャム猫によく似た「タイ猫」について解説しました。タイ猫は丸みのある親しみやすい外見や、人に懐きやすく愛情深い性格が人気の猫種です。

元はシャム(サイアミーズ)とタイは同じ1つの猫種でしたが、一時絶滅寸前となり、戦後、交雑によって救われる過程で2種類に分かれます。

今回紹介したタイ猫は2種のうち「オールド(トラッド)スタイル」に分類され、2009年にタイ猫として品種登録されました。

タイが原産の猫は他にも、トンキニーズやカオマニー、ゴーンジャ(ゴンジャ)、コラット、バーミーズなどがいます。

タイ猫は健康的な猫種で平均寿命は15〜20年と長めなので、元気でいてもらうためにも定期的な健康診断を怠らず、成猫の平均体重の3〜5kgを超えすぎないように注意しましょう。

もしタイ猫を飼いたいと思ったら、ブリーダー経由もしくはペットショップで子猫を購入するか、保護猫施設や里親募集で出ている猫を引き取る選択肢があります。

タイ猫は人気の猫種なこともあって、すぐに出会えるとは限りませんが、根気強く探してみてくださいね。素敵な出会いがあれば幸いです。