猫が胃液を吐く時の原因と考えられる病気

猫が胃液を吐く時の原因と考えられる病気

猫が吐いた時に、何も固形物が無くて胃液だけだったら、驚きますよね。猫が胃液を吐いた時にはどんな病気を疑ったら良いのでしょうか?猫が胃液を吐いた時、その原因と、可能性のある病気についてご紹介します。

1775view

監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

猫が胃液を吐く原因

口を開ける猫

猫が胃液を吐くとは、吐いた時に透明な液体や泡状のものが出て来た場合です。嘔吐の時に、他の飲み込んでいた物が出てくることもありますが、その前後に胃液だけを吐く時もあります。
黄色の液体の場合は、胃酸に胆汁が混ざっている可能性があります。

胃酸の出過ぎ

  • 空腹

お腹が減りすぎていると、胃液だけを吐くことがあります。前回の食事をあげた時から時間が経ちすぎて、胃の中が空になっていて、胃液が逆流してしまったと考えられます。

  • ストレス

猫が何らかの理由でストレスを感じて、胃酸の分泌が増え、逆流することで吐くと考えられます。猫は環境の変化には敏感で、引越しや模様替え、家族が増えたなどが原因で、ストレスを感じていることがあります。

毛玉や異物を吐こうとした時

猫は吐くことが多い生き物です。グルーミングの時に吐き出した毛玉を吐くことは多くあります。また、飲み込んでしまった異物を吐こうとして、胃液だけを吐くこともあります。

腎臓や肝臓の機能が低下している・病気である

内臓の機能が低下していると、胃液を吐いてしまうこともあります。またそれ以外でも何らかの病気にかかっていれば、症状として吐くことがあります。

猫が胃液を吐く病気

聴診器を当てられている猫

中毒

食べ物・化学物質・毒物などを、食べる・飲む・触る・吸い込むなどして、猫の体が機能障害になってしまった状態です。人が食べても大丈夫でも、猫にとって毒物になるものもあります。
嘔吐や下痢、神経症状などが出ることもあります。

胃腸炎

胃や腸に炎症が起きて、嘔吐や下痢などの症状が出ます。胃炎がひどくなると、何度も吐くことで、食欲も落ちて、水を飲んでも吐いてしまうこともあります。

毛玉症でも胃腸炎になることがありますので、毛玉を吐いているだけだから大丈夫と安易に安心出来ない場合もあります。

糖尿病

猫が糖尿病になると、下痢や食欲の低下など様々な症状が出ますが、嘔吐することもあります。膵臓から分泌されるインスリンが不足したり、作用がうまく出来なくなったりすることで、糖分を細胞内に取り込めないために血糖値が高くなります。
その結果、多飲多尿、尿にケトンが出る、最悪の場合は昏睡状態から亡くなるケースもあります。

ストレスを減らすことが糖尿病予防にもつながります。肥満を予防することも糖尿病予防になるので、食生活や運動にも気をつけてあげる必要があります。

食道炎

猫が食道炎になると、喉が痛くなりますので、何かを食べても痛みで吐いてしまいます。何も食べていなくてものどが痛いので、涎を流したり、つばが飲み込めなくなったりします。

尖ったものや熱いものを食べることで食道に傷がついて起こることもあれば、胃炎で何度も嘔吐することで、逆流した胃液が食道の粘膜を痛めることで起こることもあります。

リンパ腫

リンパ球がガンになる病気です。胸に水がたまる縦隔型リンパ腫が、猫には多いと言われています。元気がなくなり、呼吸困難や咳、そして嘔吐や下痢が症状として出ます。
ガンの原因は猫白血病ウイルスの感染があり、高齢やストレスなどによってガンを促進させると考えられています。

腎不全

急性、慢性の腎不全があります。腎臓の機能が急性または徐々に低下して行く病気です。
慢性では、元気がなくなり、水をたくさん飲み、おしっこの量も増えます。急性の時にはおしっこが減るか、全く出なくなり、元気がなくなって体調も急激に悪くなります。どちらも吐く症状が出る可能性があります。急性の場合は何度も吐くことがあります。

緑内障

緑内障が悪化すると、視力に障害が起き、失明する可能性もあります。眼球の内部の液体が排出される量が減り、眼圧が高くなることで起こります。
目に強い痛みがあるので、元気がなくなり、顔を触られるのを嫌がります。食欲もなくなり、吐くこともあります。

他にも猫が嘔吐する症状が出る病気は多くあります。病気の時には吐く以外にも見られる様々な体調不良の症状と合わせて、よく観察しておいてあげる必要があります。

猫が色のついた胃液を吐く時

黄色い液体を吐いた猫

黄色

黄色の液体は、胃液と胆汁が混ざったものと考えられます。胆汁は、肝臓で作られる液体で、消化酵素の働きを助けるなどの脂肪の吸収に重要な役割をします。
空腹な時に吐いて、食後におさまり元気になれば問題ありませんが、繰り返し吐く場合には、胆嚢や肝臓に問題がある可能性があります。

ピンク色

血液が胃液と混ざっている可能性があります。
口腔内に傷があって出血した場合、血が混ざる可能性があります。歯周病や歯肉炎、口の中に傷があるなどのことが考えられます。

胃や腸の粘膜が傷ついていることで出血した場合、胃腸炎、食道炎などが考えられます。

緑色

緑色の液体は、胃液に混ざった胆汁が黄色から変色したものです。腫瘍が出来ているか、内臓の機能障害が考えられます。病気として、胃腸炎、膵炎、胆管炎などが考えられます。

何か植物を食べてしまった時にも、嘔吐物が緑色になっていることもあります。猫草を食べたとか、少し観葉植物や野菜を食べてしまった場合は、吐くことでその後なんの問題もなくなっていることもあります。

猫が普段からどのくらい吐いているのか、吐いたものはどんなものかを必ずチェックして、普段と違うことがあればすぐに病院に連れて行きましょう。

猫が胃液を吐いて問題ない時

草を食べて吐く猫

空腹時

お腹が空いて、たまった胃液が逆流する場合に、食事をとることでおさまれば問題ありません。

この時には、透明な泡のようなものか、少し黄色っぽいものを吐きます。

餌をあげる時間を調節する、餌の量を調節するなどして、お腹が空いている時間が長すぎないように考えてあげましょう。猫の様子を見ながら徐々に調整していってください。

毛玉を吐く時

猫はグルーミングで飲み込んだ毛を吐き出します。これは自然な行動なので、毛玉を吐いた時に胃液が出されても問題ないと言えます。

吐いた後、しばらくして何も体に異常が無く、元気であれば、大きな問題はないでしょう。

また、猫草を食べて吐いたり、餌を食べすぎたり早食いしたりして、吐いてしまうことがあります。その前後で胃液だけを吐くことがあるかも知れませんが、この場合もあまり気にしなくても良いと言えます。

ただし、吐いた後に食欲がない、元気がないなどの異常があれば、早めに動物病院に連れていくことをおすすめします。

猫が胃液を吐く時のまとめ

吐いている猫

猫はもともと吐くことが多いので、吐いた時に必ず体調が悪い、というわけではありません。

猫が吐いても大丈夫な時と、すぐに病院に連れて行った方が良い場合を見極める必要があります。

目安としては、吐いたものに色が付いている、何度も繰り返し吐く、吐く以外にも体調が悪そう・元気がないなどの様子がある、このような症状が見られたら、獣医さんに診てもらうべきです。

自分で判断しにくくわからない場合には、早めに病院に連れていった方が安心でしょう。病気が早期発見できれば、猫の負担も軽く、悪化することを防げます。

猫が吐くのは普段よく見られる光景ですが、猫の体調を知ることが出来る行動だと言えます。病気を発見出来る便利なサインだと思って、気をつけてあげてくださいね。

人気のキーワード