猫が寝てることが多い理由とは
結果から言えば、野生時代の名残で猫は寝る時間を多くすることによりエネルギーを蓄えているのです。
こたつの中で寝てる猫、日なたぼっこをしながら寝てる猫、湯たんぽや暖房器具の前に陣取って寝てる猫、布団にくるまって寝てる猫。とにかく野良猫でも、 家猫でもいつもゴロゴロ暇そうに寝てる猫に、暇そうでうらやましいと思う人も多いはず。ですが、猫は意味もなくたくさん寝てる訳ではないのです。
狩りに備えての体力温存
猫がよく寝てる理由として、狩りに備えて体力を温存しているということが挙げられます。通常草食動物は睡眠時間が短く、肉食動物は睡眠時間が長いのが一般的です。これは何故かというと、肉食動物が体力を一番使うのは、狩りをするときと食べる時だからです。
しかし、狩りをするときと言っても次にいつ獲物を見つけることができるかは自然界において予測するのは不可能です。その為、狩りのとき以外は極力体力を使わないよう寝てることにより、無駄な体力の消耗を防いでいるのです。逆に草食動物は常に草を捜しまわって、食べていないと生きていけないので、睡眠時間が短く、草を求めて起き続けるのです。
ですから、猫は決して怠けるために寝てるのではなく、生存本能からよく寝てる動物になったと言うことです。もっとも、狩りをしない家猫にとっては、やることが無くて暇だから寝てる子も多いのかもしれませんが。
猫は寝ていても熟睡できていない
実は、猫は寝ていても熟睡できていません。動物の睡眠は、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の繰り返しで構成されています。人間の場合、睡眠の80%はノンレム睡眠(深い眠り)なのですが、猫の場合ノンレム睡眠が20%。つまり80%は浅い眠りということです。猫の平均睡眠時間は14時間なので、わずか3時間しか熟睡出来ていないとは、なんとも可愛そうな気もします。
また猫は寝てるとき、よく夢を見ているそうです。寝てる猫が手足をピクピク動かしたりしているのは、まさに夢の中で獲物を追いかけているのです。こういったスリリングの夢を猫はよく見るそうで、フランスのリヨン大学の研究によると、
「猫は獲物を追いかけたり何かから逃げたりする夢を寝てる間に見ることにより、危機管理のシミュレーションを行っている」
のだそうです。しかしあまり熟睡できていないのに、そんなに激しい夢を見ているのは、逆に疲れてしまいそうですね。
猫の寝る時間が増える年齢
猫は9歳になると、睡眠時間がさらに増えます。猫の9歳は人間でいうと52歳。そろそろシニアになってきます。体力も落ちてきて、ご飯もシニア用に切り換える時期になります。10歳になると睡眠時間はさらに伸びます。猫がシニアになったら、きちんと安心できる寝床を用意して、良質な睡眠を確保できるようにしましょう。じっくり猫を寝かせてあげてくださいね。
猫の長生きの秘訣は良質な睡眠が関係している
良質な睡眠が取れる猫は長生きをします。実際に、ゆっくりと寝ることができない野良猫はとても平均寿命が短く、5年程です。それに対して、ゆっくりと外敵のいない家猫の場合は15~20年と、野良猫の倍以上の平均寿命となっています。
猫の睡眠のゴールデンタイムは3時間。最低でもこれくらいはノンレム睡眠を取ることが望ましいです。何度も言いますが、猫が寝てるときには邪魔をしないようにしましょう。
日向で猫が寝てるのは健康のため
日向ぼっこをしながら寝てる猫、よく見る光景ですよね。きっと温かくて気持ちがいいのだろうと思いますが、実はそれだけではないのです。
猫が日向で寝るのは、紫外線を浴びることによりビタミンDを身体に蓄えているからと言われています。猫は紫外線を浴びることによって、皮膚から毛皮にビタミンDを含んだ皮脂が分泌され、それを毛づくろいすることで口で摂取し、ビタミンDを取り入れているのです。日向ぼっこをしながら寝てるのは、猫にとってとても重要なことなのですね。
猫が寝てるときに注意したいこと
猫が寝てる姿があまりにも可愛いすぎて、ツイツイちょっかいを出してしまう。気持ちはとてもよく解りますが、それはやめてください。猫にとって睡眠を邪魔されるのはとてもストレスを感じますし、邪魔をした人間を嫌いになることもあるのです。
また、寝てる猫を無理矢理起こされることにより、生活リズムを崩してしまう子もいます。かまってほしいのに、猫が寝ているためかまってもらえないからと、無理矢理起こすのは猫の為にもよくないので、そこは我慢をして寝ている猫を静かに見守ってあげましょう。
まとめ
いつも気持ちよさそうに、自由気ままに寝ころがっている猫をうらやましく思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな猫の寝てる姿をみるのはほんとうに可愛くて日々の癒しにもなりますよね。可愛い愛猫がいつまでも健康で長生きができるように、寝てる猫を見かけたときには、飼い主はそっと見守ってあげましょうね。