保護猫との距離の縮め方5ステップ

保護猫との距離の縮め方5ステップ

保護猫と関わるうえで大切なことは、焦らないことです。ゆっくりと時間をかけて人馴れを目指します。ここでは保護猫と仲良くなるための5つのステップをご紹介いたします。

保護猫が人に懐くまでのステップ

紙袋の中に入ってこちらを見つめる猫

過酷な環境で必死に生きてきた猫、母猫から"人間は恐ろしい存在だから関わってはダメ"と教育されてきた子猫。このように、逞しい野生の猫のような生活をせざるを得なかった保護猫たちは、そう簡単には心を許してくれません。

しかし全く懐かないわけではなく、根気強く関わり続けることで徐々に人間に対する誤解が解けていきます。ここでは、保護猫との距離感を縮めるためのステップをご紹介いたします。

ステップ1.最初はお世話をするだけ

ゴミを拾う飼い主の手を見つめる猫

人を恐れている猫は、相手が誰であれ人は人です。危険な存在ではないということをアピールしていく必要があります。最も効果的な方法は、最初から猫と関わろうとしないことです。声もかけず、顔も見ず、必要なお世話を繰り返します。

猫が威嚇しても反応してはいけません。猫が身を潜めている空間には一切手を触れず、安全基地を侵さないようにします。この繰り返しが、やがて"この人は危険ではないのかも"という意識の変化をもたらすようになります。

ステップ2.においを覚えてもらう

差し出された人の手の匂いを嗅ぐ猫

"ただのお世話役"に徹することで、怯えた様子から興味を持ってくれるまでに成長してくれます。そして、こちらを観察したり接近したりしてくるようになります。

しかし、焦りは禁物です。こちらからは行動を取らずに待つ姿勢を取り続けます。手や服のにおいを嗅いでくれたら、そのまま嗅いでもらいましょう。気が済むと離れていきますが、引き止めてはいけません。これをしばらく続けていると、"いつもお世話をしてくれる人"として覚えてくれます。接近してくる頻度も増えるでしょう。そうしたら、いよいよ小さな一歩を踏み出してみます。

猫と十分に距離を取った状態で、人差し指を差し出します。猫は尖ったものを鼻で確認したがる習性があるので、確かめに来るでしょう。鼻と指が触れ合ったら挨拶が交わされたことになります。

ステップ3.歯ブラシを使って撫でる

歯ブラシを持って伏せている猫

最初はぎこちない挨拶も、繰り返すうちに自然と鼻を近づけてくれるようになっていきます。ここまで来たら、直接撫でられる日も近づいてきています。

撫でる導入として、歯ブラシを活用してみてください。はじめは歯ブラシの柄を棒などで伸ばして距離が取れるようにします。これも細長いものなので挨拶を交わすことからスタートです。

挨拶を交わしてくれたら、頬や耳の後ろなどを優しく撫でます。歯ブラシの質感が猫の舌を連想させるため、違和感なく撫でさせてくれることが多いのです。これを繰り返し、撫でられるということに慣れてもらいます。そして、少しずつ手をブラシ側に近づけていきます。

ステップ4.おやつを食べさせる

差し出されたスプーンからおやつを食べる猫

歯ブラシで撫でることと並行して、おやつを食べさせることにもチャレンジしてみましょう。最初は歯ブラシのように柄を伸ばしたスプーンを使います。より香りの強いペースト状のおやつがおすすめです。

これも毎日継続し、距離を縮めていきます。撫でることもそうですが、最終的に人の手で直接触れることが目標です。これができるようになると、ただのお世話役から身近な人へと変わります。

ステップ5.猫のペースに合わせて遊ぶ

猫じゃらしを咥えた子猫

手で直接触れ合えるようになれば、人の手が怖くないものとして受け入れられた証です。程よい距離感を保ちながら、スリスリしてくれたら撫でること、優しく声をかけることを継続していきます。

そして、一緒に遊ぶことにも挑戦していきましょう。猫じゃらしやネズミのおもちゃなど、狩りに似た遊びを通してコミュニケーションを図ります。導入は人間のペースになりますが、慣れてきたら猫のペースに合わせて遊んであげましょう。猫が飽きたら中断します。毎日の繰り返しが、心の距離を縮めてくれるでしょう。

まとめ

折り重なって眠る2匹の子猫

保護猫の人馴れを促す方法を、5つの段階に分けて紹介させていただきました。実際には一筋縄にはいかないこともあると思います。

それでも焦らずに、猫を信じてあげましょう。言葉は分からなくても、気持ちは伝わります。猫が勇気を振り絞って身を委ねてくれるまで、根気強く待ってあげてください。

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