ハンモックの構想
私にとってハンモックは、一部の富裕層のバルコニー、キャンプ場でのシーン、あるいは中南米の先住民が使用しているイメージしかないのです。間違っていたらごめんなさい。
どの経験にも当てはまらない私にとってハンモックは未知のしろもの。友人の家に遊びに行くと、よくハンモック吊るしてあるよね、なんて方、うちは代々寝るときはいつもハンモックです、なんていう方には、猫のハンモックなどすぐに作れちゃうのかも知れませんが、残念ながらそのような方に会ったこともありません。
どんな風に吊るのか、固定するところが我が家(賃貸)に果たしてあるのか、まずはそこ。
そして最も恐るべき注意事項は、使ってもらえるのかどうかは謎だということ。なにせ相手は猫さまなのですから。ハンモック愛に憑りつかれて、大掛かりな改造、穴あけなどはつつしみたいものです。
ハンモックに求めるもの
- なるべくお金をかけず廃材で作る前提で
- そこにあっても貧乏臭くならないもの(廃材利用品にありがち)
- なおかつ猫の体重に耐えられるしっかりとした安全なもの
この3点を念頭に置きました。では、やっていきましょう。
ハンモックになりそうなものを見つける
部屋でぼーっと過ごしている時に、何かのものが必ず視界に入ります。そんな時それを「それ」としか認識しないのであればアイディアは降りてきません。認識をフリーにすると「それ」以外の使い方が見えてくることがあるんです。
あ、これしっかりしてるよな。そして別に最悪どうなろうが困らないよな。そう思ったのはこれでした。
脚立としてしか使わないくせに、折りたたんでも結構場所をとるんですよね。しかも重い。丈夫なだけが取り柄。メーカーさんごめんなさ~い。
失敗しても大丈夫!とにかくやっていきましょう!
材料
- 布
- ラップの芯ような紙製の筒
- はさみ、糸など
- 塗料(あれば)
- ふわふわマット(これもあれば可)
全部家にあるものでした。むしろ一円たりとも購入したくありませんでした。なにせどうなるのかわからないのですから。
このときの心構えとしては、「いらないものも捨てる前にもう一度命を吹き込みたい」だけど失敗した時に落ち込まないように「お高いセミナーに通わなくてもマインドフルネスの状態に自分を高め、癒すことができれば大満足」このように考えることができれば、もう何も怖くありません。あとはやるのみです。
完成した暁には、たとえそれがどんなものであろうとも、十分な達成感と充実感を味わうことができる…かも知れません。ここは保証外(笑)
作り方
1. 如何にも廃材感をなくすために脚立をペイントする。
ペイント前の写真がなくてごめんなさい。木材そのまんまの脚立で、年数経ってたから小汚い感じに変色してました。ペイントは100均のナチュラルミルクペイントベージュ。何かに使った時の残りです。
2. 小さな端切れをちくちく縫い合わせ一枚の布にする。
3. 筒が通るくらいのゆとりをもたせて両端を折り返して縫う。
私はフリースで部屋着を作った時の、形ばらばらの残り布を縫い合わせました。パッチワーク風にいろんな布をつなぎ合わせてもいいかも。フリースやフェルト地なら切りっぱなしでOK。端の始末はいりません。
また、暑くなってきたとき用に、裏側をワッフル生地にしてみました。
風通しのよいさらさらの肌触りで見た目だけはオールシーズン。
4. 片方だけ筒を通す。
5. 脚立の金具の部分に外側から布を通す。
このとき筒でしっかり留まることを確認する。
6. もう片方の金具の上に布を置いたら、残りの筒を通し完成。
あとは布部分を上から押さえて、たわみを作ると同時に、ある程度の強度を確認しましょう。布から外れないように、筒の長さが十分かも確認ポイントです。
完成しました!
色あいを統一したことで、存在感の割にはインテリアの邪魔にはなりません。簡易キャットタワー的にも使えるように、トップには100均のふわふわマットをつけました。
ここで休んでくれるといいな。猫が乗ってもずれないように裏側にボタンをつけました。これで汚れたときは取り外して洗濯できます。
作ってみた感想と、使ってみた感想
制作に関して
私はコロナ自粛で、膨大な時間と忍び寄る不安感をやり過ごす手段として、ちくちく手縫いで仕上げました。もちろんミシンでも可でしょう。
ここで気を付けたのは決して完成を急がないことでした。「あれこれ余計なことを考えないための取り組み」と割り切り、細かいところは気にしない。時間も関係ない。心を無にして、気がつけば完成していた、という「おまけ的」DIY。うまくいかないことがあっても、いらいらすることはありません。
とは言え、難しい作業が一切ないために、意外とあっという間にできて、当初の目的であった「心を軽く」できたような気がします。
脚立は新たな命を吹き込まれたのか?
作って3か月経ちますが、猫が使う様子はまるでありません(笑)大好きなおやつなどで誘導してみたものの、おやつを食べ終わると知らん顔して出ていきます。
またたびなど振り撒いても、布がまたたびで汚れるだけ。うちの猫には通用しませんでした。一度だけ自ら入ったことがありますが、すぐに出ていきました。
だけどここでがっかりすることはありません。(自分に言い聞かせている)猫にこういうことはよくあることで、気分が変わったらある日大好きな居場所になっていた、ということは起こり得ます。
その例がこちら。
今回の記事の趣旨からはずれますが、猫のインテリアやDIYでがっかりしないために一例としてお伝えします。このキャットソファは、保護猫を迎えるにあたって爪とぎとして購入したものですが、3か月間ほど見向きもされませんでした。
もういらないのかなぁと思っていたある日、何がそうさせたのか、今ではお気に入りの定位置です。好きすぎてとても大切にそっと乗る感じ。爪とぎなのに爪をたてることなどあり得ません(笑)人間の思惑通りにいかないところが、猫の魅力ともいえるでしょう。
このハンモックもいつかそのうち日の目を見ることが来るような、来ないような。予想のつかない明日を運んでくれる、それが猫。と思うことにしましょう。
使い方は無限大
使わなくても無駄にしない。
今は、以前自作したキャットタワーに上るためのステップとして側に置いています。
ですがうちのコ、その用途では使っていません(笑)そういうところ、ある意味期待を裏切らない猫です。キャットタワーの上に行く時は、ボルダリングよろしくガシガシと爪を立てて登っていきます。ちょっとケダモノ感がハンパなくて初めて見たときは怖かったですが、慣れるとかわいく思えてくるから不思議です。これが親ばかなのか。
キャットタワーから降りるときはステップとして使うことがあるようなので良しとしています。愛する猫ちゃんにハンドメイドをお考えのあなたにとって参考になれば嬉しいです。
やる気のない猫が突然猛獣になる動画はこちら
以前自作したキャットタワー in 猫ケージの記事はこちら