猫がしっぽを追いかける理由や疑う病気

猫がしっぽを追いかける理由や疑う病気

猫は自分のしっぽを追いかけて、ぐるぐると回っていることがあります。ただ遊んでいるようですが、なぜ猫がしっぽを追いかけるのか、何か病気の可能性があるのかについてご紹介します。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

猫が自分のしっぽを追いかける理由

猫のしっぽ

猫がしっぽを追いかけるのは、遊んでじゃれている以外には、以下が考えられます。

  • 怪我の痛み、皮膚病やノミダニのかゆみがある
  • ストレスを感じている
  • 脳腫瘍などが原因の神経障害がある

しっぽは猫の感情を表したり、体のバランスを取ったり、寒い時には防寒に使用したりなど、大切な部分です。また、子猫がじゃれる時に、しっぽで遊んでくれる親猫もいます。

猫は、一人遊びの際に自分のしっぽを獲物に見立てて追いかけたり、かみついたりします。自分のしっぽは、追いかけてもなかなか捕まえにくく、おもちゃとして気を紛らわせているとも考えられます。

一定の時間で行動がおさまれば問題ありませんが、ずっとしっぽを追いかけていると何か異常があるかもしれません。

怪我の痛み、皮膚病やノミダニのかゆみがある

しっぽに喧嘩などで怪我をしていて痛みがあったり、細菌・真菌感染やノミやダニがいてかゆみがあったりすると、いつまでもしっぽを追いかけることがあります。

ノミやダニがいる場合、しっぽの毛を掻き分けて見ると、ノミの死骸や糞、ダニなどが黒い点となって発見出来ます。その際はお腹や手足など柔らかい場所にも、ノミやダニが見られることが多いので、体もチェックしてあげましょう。

ストレスを感じている

猫がストレスを感じている時は自傷行為をしてしまうことがあり、しっぽを追いかけるのはその前の兆候である場合もあります。しっぽを噛んだり、毛をむしったりしてストレスを発散しようとしていると考えられます。

さらに、自分のしっぽが別の生き物であるかのように、自分のしっぽに怒る、獲物のように追いかけるという行動につながります。

脳腫瘍などの神経障害がある

また、脳に腫瘍があるなどの神経系の異常がある場合、ずっとしっぽを追いかけるような行動が見られることもあります。しっぽを追いかけるほか、単に同じ方向にずっと円を描くように回ってしまうといった動きをするといった症状が見られることもあります。

脳腫瘍の兆候には気づきにくいため、猫の行動に少しでも異常が現れた時には、早めに動物病院に連れて行く必要があります。

猫がしっぽを追いかける病気

しっぽを追いかける猫

行動異常として考えられるものに、常同行動というものがあります。

常同行動とは、目的なくある特定の行動を異常な回数・長時間繰り返すことを指します。例えば、いつまでもグルーミングをしていて抜け毛があるとか、しっぽを追いかけてずっとかじっている、同じところを徘徊しているといった行動です。

猫がしっぽを追いかけることそのものが病気、ということはありません。しかし、しっぽをまるで自分の体ではないもののように追いかけ続け、さらに捕まえたしっぽをずっと噛むなど攻撃している場合には、行動異常が考えられます。

これらはストレスを感じていて、心と体とのバランスがうまく取れていないことの現れと言えます。

しっぽを追いかけるのが一時的なもので、遊んだあとに普段の状態に戻るようであれば心配はいりません。しかし、行動がいつまでも続いたり、気づくと何度も追いかけていたりする、ということであれば、猫のストレスを軽減させてあげる必要があります。

ひどくなると、しっぽに傷が出来て出血しても、しっぽを追いかけるのをやめないこともあります。飼い主さんは、猫がしっぽを追いかける姿が面白いといって、ただ見ているだけではいられない、ということです。

猫がストレスを感じる原因には様々なものがありますが、ひとりぼっちが寂しい、遊んでもらえない、生活環境が良くない、など猫によりそれぞれです。

もちろん、皮膚病や神経の疾患など、何らかの病気が原因である可能性もありますので、動物病院で検査してもらうことも大切です。

その他に考えられるものは、知覚過敏などです。神経に異常があるために、しっぽにかゆみや痛みを感じて、しっぽを追いかけてしまうということがあります。

怪我が原因の場合もありますが、何もなくても、しっぽが気になってグルーミングをしすぎてしまいます。しっぽがいつまでも気になるため、ずっとしっぽを追いかけて、舐め続けたり噛み付いたりしているうちに、しっぽの毛が抜けたり、本当に傷が出来てしまったりします。

猫がしっぽを追いかける時の対処法

茶トラのしっぽ
  • 病院に連れていく
  • ストレスを減らせるようにする

まず、怪我や皮膚病、その他の病気が考えられますので、動物病院で検査してもらいましょう。

常同行動なのか、脳腫瘍などの神経異常といった重大な問題があるのか、一過性のものかは、素人では判断することは難しいと言えます。

病気などの異常が見つかれば、治療をして、これ以上しっぽを追いかけることが増えないようにしていきましょう。もし何も身体的な異常がなければ、猫の精神的なものが原因でしっぽを追いかけていると考えられます。

また、猫が飼い主さんの気を引こうとしているという説もあります。

キャットタワーがなければ設置する、おもちゃで1日15分ほどでも遊んであげるなど、飼い主さんとの関係を良くしていきましょう。

そして、猫がしっぽを追いかけている最中には、声をかけたり触ったりしないようにしましょう。その理由として、気を引こうとしている場合には、飼い主が反応することでさらにエスカレートすることもあります。

それとは違い、ストレスを感じて一心不乱にしっぽを追いかけている時でも、不用意に声をかけると猫を驚かせてしまい、さらに精神的に不安定にさせることもあります。

猫がしっぽを追いかけている時にはなるべく刺激せず、普段の様子に戻った時にかまってあげるように気をつけてみましょう。

まとめ

猫のしっぽと足元

子猫が成長の途中でしっぽに興味を示して追いかけたり、猫同士でしっぽにじゃれついて遊んだりなどするのは、自然な行動です。しかし、猫が自分のしっぽに怒り、攻撃して、長時間ずっと追いかけたりするのは、異常な状態だと思いましょう。

実際に、猫がしっぽを追いかけているのは、飼い主さんにとって微笑ましく見える光景かも知れません。ただ、行動が行き過ぎると、しっぽに病気や怪我があったり、猫がストレスを感じていたりする可能性があることを知っておいてくださいね。

投稿者

40代 女性 ころ

実家の猫ちゃんを拾った時、子猫ちゃんは尻尾を追いかけてばかりいました。
獣医さんに診ていただくと尻尾にマダニがいました。気になっていたのでしょう。痒かったのかもしれませんね。マダニをとってもらい消毒して薬を塗ってもらいました。あと1匹は脳に異常があって尻尾を追いかけてばかりいたこともありました。脳波をとったりと検査もしました。てんかん発作を起こすのでその都度、処置することになりました。尻尾を追いかける原因は色々あるのですね。
投稿者

40代 女性 みやこ

うちの猫ちゃんも、子猫の時には尻尾をよく追いかけていました。
尻尾を怪我していたこともあり、気になっていたのもあると思います。傷がなおったあとも、尻尾を追いかけていました。ストレスも、たまっていたのもあったのか、よく遊ばせるようにするとストレスがましになったようで、尻尾を追いかけなくなりました。とても、安心しましたし、平和になりました!始めは、遊んでいるだけだと思っていましたが、理由があるものですね。いまは、全く尻尾を追いかけませんが、嬉しいときなどは、喜びの表現として尻尾を追いかけてクルッと一周しています。
投稿者

20代 女性 匿名

コロナの影響で自宅にいる時間が増えたのですが、ネコが昼夜問わず尾を追いかけ回す様になりました。今度、病院に連れて行きます。
投稿者

30代 女性 Comi

うちの猫(8歳)は自傷行為によって断尾しましたが、術後もまだ短い尻尾を追ってしまいます。少しでもストレスを軽減してあげようと、思い当たる原因を改善していってるのですが、なかなか治る兆しが見えません。
もし同じ事例で完治した方や状態が良くなった方がいましたら、どんなことでもいいので、体験談を参考にさせて頂けたら嬉しいです。

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