猫によるかわいい困りごと「ネコハラ」とは?
在宅での勤務が定着してきた近年、SNSで話題になり始めた「ネコハラ」。
「〇〇ハラ」という言葉を聞くとあまり良くない意味合いをイメージする方が多いかと思いますが、ネコハラについては例外のようで、巷の猫好きたちからは困りつつも喜ぶ声が上がっているようです。
今回はそんなネコハラについて、ネコハラとは何の略でどんな行動を指すのか、ネコハラが起こる理由、ネコハラでの困りごとを改善するための対策について解説します。
「猫ハラスメント」を省略した言葉
ネコハラとは、「猫ハラスメント」と言う言葉を省略したもの。猫が飼い主の作業の邪魔をしてしまう事を指します。
SNS上では、特に自宅でのテレワーク中に起こった出来事の画像が多く取り上げられているようで、
- 机の上に寝転んで占拠
- 飼い主が席を外した隙に椅子を占拠
- 作業中の飼い主に遊んでと要求
- キーボードを踏んで意味不明な言葉を打ち込む
- WEB会議中に乱入
などの行動が見られます。
これらの様々なネコハラ事情は、TwitterなどのSNSで画像が上がっているのを見かけた方も多いのではないでしょうか。またネコハラは仕事以外にも及び、家事や睡眠、出かける支度などを邪魔されてしまうこともあります。
毎朝早朝に鳴かれて起こされる、洗濯物を毛だらけにされてしまう、外出直前に鳴き出すなど、人間側の生活に支障が出ることも…。それでも、目に入れても痛くないほど可愛い愛猫だからこそ許せちゃうのがネコハラなのです。
猫が飼い主に行うネコハラをする理由
猫が飼い主にするネコハラは、子猫が親に愛されたいと思う気持ちや自分に注目してほしいと思う本能の名残と言われています。
特に、小さい頃から人間のそばで暮らしている猫は飼い主が親のような存在なので、親に甘える行動を飼い主に対して行なっているのです。この場合は、年を重ねてもネコハラが続きやすい傾向があります。
また、飼い主が自分の方を見てくれない不安感を解消するために、少しでも気を引こうとネコハラをしてしまうのです。
必死にコミュニケーションを取ろうとする姿勢には、人間の子供が親に抱きつくなどの行動と近いところがありますね。
ネコハラが流行った背景
今で言うネコハラに当たる猫の行動自体は昔からあったと思われますが、2020年3月まではほとんど話題になっていませんでした。
ところが、2020年4月に新型コロナウイルスの影響で外出が自粛ムードになりおうち時間が増えたことで、「ネコハラ」と言う言葉と行動が広く知られるようになりました。
家で過ごす時間が増えてネコハラをされたことで、愛猫が実は甘えん坊だったなど意外な一面を知ったという方もいます。
猫が飼い主にネコハラをする理由
猫からのネコハラは、愛猫が飼い主と何とかしてコミュニケーションを取ろうとする行動とお伝えしましたが、なぜネコハラをしてしまうのかは猫によって目的が異なります。
一見単純なイタズラかと思いますが、飼い主が見てくれないから気を引きたい、遊びに誘っている、空腹やトイレなど要求したいことがあるなどの理由が隠されているかもしれませんので、理由を深堀りしていきましょう。
飼い主の気を引きたい
もしかしたら猫は、作業中の飼い主に対して「目の前にいるのにどうしてこっちを見てくれないの?」という思いを抱いているかもしれません。
飼い主が仕事中であれば、パソコンや資料、スマホなどに嫉妬している可能性も。目の前を横切ったり机の上で寝転んだりと、あの手この手で注目を集めようとします。
飼い主を遊びに誘っている
猫がお気に入りのオモチャやいつも遊びに使っている物を持ってきた時は、飼い主に遊びたいアピールをしています。飼い主にかまってもらいたい気持ちと退屈な気持ちが混ざった行動と言えるでしょう。
普段アピールをされる分には見ていて可愛いと思いますが、業務中にニャーニャー鳴き続けたり作業を邪魔してくる猫をなだめるのは大変ですよね。
いつもと違う状況への好奇心
パソコンやマウス、資料など見慣れない物が置いてあったりすると猫の好奇心を刺激します。
初めて見たものに対して「触ってみたい」と思ったり、画面上で動くポインターを追いかけたくなったりと狩猟本能を駆り立てられるのです。また、これまでは出勤していて不在だった飼い主が家にいるのも、猫にとっては新鮮で嬉しい変化と言えます。
何かを要求してきている
一定の時間になると鳴きだす、しつこく邪魔し続けるなどの行動が見られるようであれば、「要求鳴き」という猫が飼い主に対して何かを要求してくる時のサインかもしれません。
猫がしてくる催促には以下の種類があります。
- お腹が空いている
- トイレを綺麗にして欲しい
- 遊んでほしい
猫が周りをウロウロとしている時は、何かにストレスを感じている可能性もあるので、声がけをしながら何がストレスになっているのかチェックするようにしてみてください。
猫に負担をかけないネコハラ対策4つ!
猫から人へネコハラが行われる理由が分かっても、やはり愛猫の度重なるネコハラにお困りの飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
しかし、人間の思い通りには動かない猫に対して、どんな風にしつければ良いか分からないですよね。頭ごなしに怒ってしまうのは猫にとってストレスにもなってしまいます。
そこで今回は、できるだけ猫に負担をかけないように上手にネコハラを回避するための対策を4つご紹介します。生活にメリハリがつけられるように、ぜひ実践してみてくださいね。
テレワーク場所近くに箱や猫用ベッドを置く
まず、猫が仕事中に邪魔をしてきてしまうケースの対策は、飼い主が仕事をしている所の近くに猫が入れる箱やベッドを置くという方法が有効です。
猫は狩りをする時に狭くて暗い所に潜んで、獲物に見つからないようジッと待ってから近くにきた獲物を捕らえます。猫にとって箱は本能で入りたくなる物で、安心感を得られる場所でもあるのです。
そして、飼い主のそばにくつろげる場所を作ることで、自分に注目してほしい猫の気持ちを満たしてあげられますよ。何となく監視されている雰囲気は出ますが、気を引き締めるにはちょうど良いかもしれません(笑)
猫と短時間遊んで満足させてあげる
猫が足元にじゃれついてきたりオモチャを持ってきた時には、5分でも良いので遊んであげましょう。
猫はあまり持久力がないので遊ぶのは短時間でOK。猫の年齢や種類にもよりますが、成猫の場合は1回5分程度で良く、隙間時間に遊べばしばらくは満足してくれますよ。
長時間のデスクワークの合間に体を動かすつもりで、愛猫と遊んでコミュニケーションを図ってみてくださいね。
仕事・家事等の前に給餌やトイレ掃除を済ませる
業務時間や家事の作業に入ってしまうとなかなか手が離せなくなり、猫が「お腹空いた」「トイレを綺麗にして」と催促してきても対応できませんよね。
業務で長時間集中したい時や、どうしても手が離せなくなりそうな時はあらかじめ食事を済ませたり、猫砂の掃除を行なっておくとネコハラ回避できるかもしれません。
催促系のネコハラの場合は、できる限り事前に猫の要求を満たしておくのが対策のコツです。
猫の遊び場を設ける
退屈を感じているがゆえにネコハラ行動に走ってしまう猫も多いです。ひとりでいても退屈しないよう、キャットタワーや猫が遊べるオモチャを設置してみてください。
また、日が当たる暖かい窓際に寝床を作るなど、くつろげる場所を設けるのも効果的です。良い機会だと思って、様子を見ながら、猫も人も過ごしやすい快適なおうちにしていけると良いですね。
まとめ
今回は、SNSで話題のネコハラ(猫ハラスメント)について解説しました。
猫から飼い主へのネコハラは、飼い主への催促や要求、飼い主の気を引く、遊びに誘っている、見慣れない物・いつもと違う状況への好奇心など様々な理由から行われます。
飼い主がテレワーク中にキーボードで意味不明な文字を打ってしまったり、寝る時になって鳴き始めたりと仕事や生活に支障が出てしまうようなネコハラも。
ネコハラをやめさせるためには、決して頭ごなしに怒らず、どうして行動を起こしているかをチェックして猫の要求を満たすことが重要です。
- テレワーク場所の近くに箱や猫ベッドを置く
- 仕事や家事の合間の5分程度で良いので一緒に遊ぶ
- 手が空いているうちに給餌や猫砂掃除を済ませる
- 猫がひとりでも快適に楽しく過ごせる場所を作る
これらの対策を取りながら、大切な愛猫と共に過ごせる時間を楽しみましょう。