猫のゲップとは
「猫はゲップなんてしないよ。見たことないもん」と思われる方もいるのではないでしょうか。いえいえ!人間ほど上手くはありませんが、猫も立派にゲップをするんです。
猫がゲップをする時は、頭や体がやや上下したり脇腹が一瞬凹み「ケポッ」と小さく空気を吐き出します。しゃっくりをする時の動作と似ているかもしれません。気持ちよさそうに目を細める猫もいます。
猫のゲップは人間のように大きな音も出ませんし、動作も小さいです。しかも一瞬で終わってしまうので、猫と暮らしている人でも特に気にしていなければ見逃していることが多いと思われます。目撃できたらちょっとレアかもしれませんね。
ゲップは人だけがするものではありませんが、猫がゲップをしているところを見ると、なんだか人間っぽくて可愛らしく思えるのは筆者だけでしょうか。
安全な猫のゲップ
猫の安心なゲップと心配なゲップの見分け方の基準としては、人と同じように考えると分かりやすいかもしれません。まずはただの生理現象で、心配のない猫のゲップから見ていきましょう。
食後や水を飲んだ後のゲップ
猫が食事をした後にする1~2回程度のゲップは自然な反応なので心配ありません。飼い主さんがゲップに気付かないくらいでちょうどよいと言えるかもしれませんね。特にフードを丸飲みする猫やガツガツと早食いをする猫の場合、空気を多く飲んでしまうためにゲップをする確率が高くなります。
また、ミルクで育っている時期の仔猫もよくゲップをします。仔猫のうちは自分でうまくゲップができない場合もあるので、母猫が仔猫の背中周辺を舐めてゲップを促してあげることもあります。もし授乳期の仔猫を自分で育てる機会があったら、仔猫がミルクを飲んだ後に背中を優しく叩いたりさすったりしてゲップをさせてあげるとよいでしょう。人間の赤ちゃんへの対応と似ていますよね。
グルーミング後のゲップ
ちょっと意外かもしれませんが、グルーミングをした後にも猫はゲップをします。猫はグルーミングをしながら毛と一緒に空気も飲み込んでしまっていることから、それを吐き出すためにゲップをしているのです。
げっぷをする猫の様子
猫がげっぷをするとしゃっくりをしているような仕草をします。
病気の症状で出る猫のゲップ
ゲップに加えて他の症状も見られるようなら病気の可能性もあります。放っておくと重篤な症状になってしまう病気もありますので、猫の様子がおかしければ早めに診察を受けるようにしましょう。
慢性胃炎
何週間にも渡り頻繁に猫がゲップをしている、食欲がなく嘔吐をする、お腹の辺りを触ると痛がる、元気がなくなってきたといった症状が重なった時には、慢性胃炎が疑われます。
慢性胃炎の原因は、以下のようなことが考えられます。
- 服用している薬の影響
- ストレス
- 急性胃炎の慢性化
- アレルギー疾患(消化管)
原因によって治療法が異なりますので、一度獣医さんに相談されることをおすすめします。その他にも逆流性食道炎などでもゲップの頻度が増えることがあります。
胃拡張・胃捻転
猫の呼吸が苦しげでよだれを流す、お腹が膨らんでいるなどといった症状と共にゲップが出る場合、胃拡張の可能性があります。食後に起こることが多く、胃の中にガスが充満したり大量の食べ物が溜まることによって発症します。
胃拡張になる猫は少数ではありますが、胃捻転に進行し命にかかわる病気ですので用心するに越したことはありません。
日常的にできる予防法としては、食事を一気にたくさん食べさせないことです。また食直後に激しい運動をさせることは避け、猫がゆっくりできる環境を作ってあげましょう。
食道狭窄(しょくどうきょうさく)
食道は、食べ物や飲み物が、口から胃へと送られる通り道ですが、ここが狭くなっていたり、食べ物や異物が詰まったりすると、げっぷが出たり、食べたものを吐いたりします。食道狭窄(しょくどうきょうさく)と呼ばれる病気がありこれは手術が必要になることが多いです。
鼓腸症
鼻炎などが原因で鼻が詰まり、慣れない口呼吸をしていると、胃腸に空気が大量にたまってしまって、鼓腸症という病気になることがあります。息苦しそうに頻繁にげっぷをし、お腹がパンパンにふくらんでいることが多いです。放っておくと死に至ることもあります。
食後に猫がゲップをする場合はフードを見直す
食後のゲップがあまりにも頻繁だと心配になりますよね。これは飼い主さんの対応で解消できる場合があります。
食後のゲップがあまりにも頻繁な場合は、フードのあげ方を見直してみることをおススメします。上記の通り、フードの丸飲みや早食いをする猫はゲップが出やすいです。また、いっぺんに大量のドライフードを食べてしまうと、食後に胃の中で膨らんでゲップが誘発されます。
こうしたケースでは、フードを小分けにしてちょこちょことあげるようにしたり、スープなどでふやかしてあげると解消されることがあります。飼い主さんにとっては少し手間かもしれませんが、猫が空気をたくさん飲み込むことも防ぐことができ、消化もしやすくなるので一石二鳥です。
また、穀物類が多く入っているフードをあげた場合にも、猫が消化不良を起こしゲップが増えることがあります。猫は穀物を食べられないわけではありませんが、消化することは苦手です。このような場合には、フードの袋に書かれている原材料をよく読んで、穀物が入っていないもの(グレインフリー)や少ないものを選ぶようにしてみましょう。
まとめ
健康上問題のない猫のゲップと、病気の可能性のある猫のゲップについて紹介してみました。
本来猫はそれほど頻繁にゲップをする動物ではありません。飼い主さんの記憶に残るか残らないか程度のゲップをし、他の症状が見当たらない場合にはあまり心配することはないでしょう。しかし時には命にかかわる病気によってゲップが起こることもあります。何かおかしなことがあればすぐに対応できるよう、愛猫を注意深く見守ってあげましょう。
40代 女性 かえで
背中辺りをトントンと軽く叩いてあげたら出ました。親猫は舐めたりしてあげるらしいのですごいなと思いました。
大人の猫ちゃんは、自然にげっぷをするのですが、実家で飼っていた猫ちゃんのうちの一匹が、ある日に嘔吐したので獣医さんに連れていくと、アレルギー性の胃腸炎で胃の中が荒れていると言われました。もとからアレルギー体質だった猫ちゃんだったので、気をつけていたつもりだったのですが、かわいそうなおもいをさせてしました!すぐに、血液検査で何にアレルギーを起こしているのか調べていただきました。
すると、意外にもまたたびでした。
他の猫ちゃんと一緒にあげるとだいたいがげっぷをして嘔吐することを思い出しました。
アレルギーとわかったので、気を付けようとおもいました。自然なげっぷと見分けをつけるには、些細なことでも獣医さんに相談すると早期発見につながるかもしれませんね。