猫がボタンを噛むのは遊んでいるだけではない
猫ちゃんを抱っこしている時に服についているボタンを噛んでくることがあるかと思います。特に何でも興味がある子猫の時期や遊んでいるタイミングなどに見られることが多いようです。
一見、猫がボタンを噛んでくることは単なる遊んでジャレているだけではなく、他に何らかの理由や意味がある場合があります。猫がボタンを噛む理由はどんなことがあるのでしょうか。
猫がボタンを噛む理由5つ
甘えている
猫が大好きな飼い主さんに甘えているときにボタンを噛むことがあります。この時によく甘噛みの行動も見られ、飼い主さんの手を噛んでくることもあります。
甘えている時に噛んでくる心理には、飼い主さんに構ってもらえている嬉しさや幸せが込み上げてきたからです。また喉をゴロゴロと鳴らしたり、額でスリスリしてくるなどの仕草も一緒に見られます。
ストレス
恐怖心でパニックになったり、イライラから突然噛んでくることがあります。この時に見られる行動を「転嫁行動」と呼ばれており、ストレスがある時に人や物に対して攻撃します。
ターゲットがあるわけでもなく、たまたま目の前にあるものに対して噛んでくるため、飼い主さんが着ている服に付いているボタンに向けられたのかもしれません。
興味がある
子猫の頃はどんなものに対しても興味深々ですが噛んでいいもの、悪いものの判別がまだ付いていない時期でもあります。そのためボタンに興味を示した場合、ガジガジと噛むことがあるようです。
自分に注目してほしい
猫は私たち人間の3歳程度の知能といわれており、大好きな飼い主さんに注目してほしいためにあえて「噛む」という行動を起こしていると考えられます。
イタズラをすれば飼い主さんが怒りますが、自分のことを見てくれるので、わざとボタンを噛んでアピールしているかもしれません。
体調が悪い
猫がボタンなどを噛む理由の中には「疼痛性攻撃行動」による場合があり、病気や怪我などで痛みがあるときに噛んでくることがあります。ボタンなど何かに噛むことで病気の辛さや、体の痛いことを紛らわしていると考えられます。
ボタンを噛むのはストレスや病気のサインの可能性も
ご紹介したように猫がボタンを噛む理由は様々考えられます。その理由の中にはストレスが原因で噛むことがあります。
①生活環境の変化のよるストレス
猫は些細な環境の変化に対して敏感なため、引っ越しや家族が増えた、あるいは減ったりなど生活環境が変わったことなどがあげられます。
また猫は単独動物なため非常に縄張り意識が高いため、自分が主に過ごしている縄張り場所に、他の同居猫が入ってくることに対しても気に入らずストレスを感じることもあります。
②匂いや音などの刺激のよるストレス
猫は私たち人間よりも嗅覚が鋭いため、アロマや香水、芳香剤など人間がいい香りと感じても、猫にとっては匂いがキツく不快な気持ちになります。
また大きな音が嫌いなので、周囲が騒がしいと落ち着くことができません。
③猫との接し方によるストレス
猫の性格にもよりますが、大好きな飼い主さんにべったり甘えたい猫もいれば、そっと距離を置いておきたい性格の猫もいます。
甘えん坊な性格の猫では飼い主さんの留守が長くて寂しかったり、遊んでもらえなかったことがストレスと感じます。
逆に人間との関わりがあまり好まない性格の猫では、ベタベタと触られたり抱っこされる、急所であるお腹を触られるなどによることが大きなストレスを与え、攻撃的になりボタンなどを噛んでくることがあります。
また、猫がボタンを噛むのはストレスからくる病気だったり、何らかの病気のサインかもしれません。
ストレスが引き金で起こる病気としては3つの病気があげられます。
①心因性脱毛
ストレスによる過剰なグルーミングにより、毛が抜けてハゲしてしまうことです。
②舐性皮膚炎
毛が抜けるだけではなく、舐めすぎることで皮膚が赤くただれて炎症を起こすこともあります。
③突発性膀胱炎
頻尿や血尿など膀胱炎と同じ症状を起こしますが、ハッキリとした原因不明の膀胱炎です。
その他には高齢猫に多い甲状腺機能亢進症により行動の活発化でボタンを噛むこともあれば、腎不全で具合が悪く胃がムカムカして吐き気がある場合も考えられます。
猫は体調が悪くても症状を隠す習性があるため、少しでもいつもと様子が違ったり、元気や食欲がないなど何らの症状が見られた場合は動物病院に受診してください。
猫がボタンを噛む時の治し方
猫がボタンを噛む理由や意味は様々ですが、ボタンを噛む癖が付いてしまい誤飲事故を起こす恐れがあります。ボタンの大きさによっては消化管に詰まり腸閉塞を起こしてしまうため、「ボタンを噛んではいけないもの」と教えてあげる必要があります。
猫の手が届かないようにボタンが付いていない服にするなど気をつけることも必要ですが、猫が苦手とする大きい音を出したりしたり、おもちゃを使って気を紛らわす方法もあります。
またボタンを噛む原因がストレスであれば、刺激のある匂いや大きい音を立てないなど、要因を取り除く必要があります。安心して落ち着くことができるように、静かな空間や寝床を作ったり、キャットタワーを用意することです。
同居猫がいる場合は、お互いが干渉しないようにそれぞれのパーソナルスペースの確保や、トイレの数を増やすこと。相性が良くなければ部屋を分けるなどの対策も視野に入れる必要もあります。
猫の接し方が原因であれば、性格に合わせてあげることが大切です。甘えん坊で遊び好きであれば、好みのおもちゃを使って遊ばせてあげてください。
逆にあまり人間との関わりが苦手な性格の猫は、過剰なスキンシップを控えることです。シッポがバタバタと左右に大きく振っている場合はイライラしているサインなので、そっとしてあげましょう。もちろん猫が嫌がるシッポやお腹を触ることもやめましょう。
まとめ
猫がボタンを噛んでくることは、大好きな飼い主さんに甘えたかったり、自分に注目してほしいなど様々な理由があります。
ですがストレスや何らかの体の不調が原因でもボタンを噛むことがあるため、なぜ猫がボタンを噛むのか原因を見つけることが大切です。
特に普段噛み癖がない子が、ある日突然噛むようになった場合にはストレスサインの可能性があるため注意が必要です。原因であるものを解消しなければ猫との信頼関係が崩れてしまうため、猫の性格やその時の状況に合わせて接してあげることが大切です。
しかし病気の可能性もありますが、症状を隠す習性があるため気づいたときには状態が進行している場合もありますので、早めに動物病院に連れてきてください。