猫の腹見せは信頼されている証拠とは限らない?
猫がゴロンと腹見せしている姿は、惚れてしまう程とても可愛く、一般的には飼い主さんのことを信頼している証ともいわれています。
しかし猫は単独で生活する習性であることから警戒心が強い生き物です。猫にとってのお腹は急所であり、一番ダメージを受けやすくお腹を見せることは負傷する危険性がつきまといます。
胸部で肋骨で守られていますが、腹部は骨がないため敵に狙われやすい場所でもあるのです。そのため猫が飼い主さんに対して腹見せをしていても、必ずしも信頼されている証とはいいきれず、触らせてくれるとは限らないです。
では、実際にどんな意味や理由から腹見せをするのでしょうか?
猫が腹見せするをする理由6つ
飼い主さんのことを信頼している
猫にとってお腹は急所であるため、お腹を見せる行動は相手のことを信頼している証でもあります。ですが猫は犬のように服従心から腹見せをすることはないので、降参の意味ではないようです。飼い主さんや同居猫に対して信頼感があれば、急所であるお腹を見せてくれます。
安心している
猫は警戒心が強い動物です。動物病院など慣れない場所や不安感や恐怖心を抱いているところではお腹を見せることはなくジッとしていますが、家の中など自分が安心する場所やテリトリー内では身の危険性がないため、安心感からお腹を見せます。
また猫は窓際で日向ぼっこしている時など、リラックスしているときも腹見せしていることがあります。
甘えている
猫がゴロゴロと喉を鳴らしながら腹見せしていたり、体をクネクネさせて飼い主さんを見つめているのは、甘えているときに見られます。猫にとって飼い主さんは母猫のような存在ですので、子猫の頃のような気持ちにもどって腹見せをして甘えているのです。
かまってほしい
飼い主さんの気を引こうと、わざと目の前でゴロンと腹見せをしているときは「自分を見てほしい!」「かまってほしい!」というサインかもしれません。
猫はマイペースな性格で1人でゆっくり過ごしたいときもありますが、やはり寂しく、大好きな飼い主さんにかまってほしいときもあるのです。
また撫でてほしかったり、遊んでほしいという欲求から腹見せをすることもあります。普段なら嫌がるお腹を撫でさせてくれるので、かまってあげましょう。
暑い
よく暑い夏で猫がフローリングで仰向けで寝ているかと思いますが、これは暑いを感じており、体にたまった熱を放出させるようにお腹を見せるように仰向けにしているのです。
猫は暑さに強いといわれており、自分で過ごしやすいところを探しますが、気温が高い夏は室内も蒸してて暑いため、エアコンなどで室温を調節してあげる必要があります。
リラックスしてほしい
相手に対して警戒心を緩めてリラックスしてほしいなどの時に猫は腹見せをすることがあります。よく成猫が子猫に対して腹見せをすることがあるそうで、これは「怖くないよ、大丈夫だよ」「一緒に遊ぼうよ」などの意味があります。
しかし警戒心が強いため初対面の相手に対しては、身の危険性から腹見せをすることはありませんが、様子を伺ってから恐怖心や敵意がないと感じた場合に床にゴロンと腹見せることがあるそうです。
お腹を触るのはNG?正しい腹見せへの対応
猫が腹見せをしているとつい触りたくなるかと思いますが、急に怒って噛んできたり、足キックしてくることがあります。お腹には胃や肝臓などの臓器がたくさんつまっており、ダメージを受けやすい弱い部分であるため、例え飼い主さんでも触られることを嫌います。
気持ちいいと感じる額や顎下を撫でる
猫はとても警戒心が強い動物なので、例え信頼している飼い主さんに対してもお腹を触ることを嫌う子も猫もいます。無理矢理触ろうとすると怒って攻撃してきたり、その場から逃げて距離を置こうとするようになってしまうので、お腹ではなく猫が気持ちいいと感じる額や顎下を撫でることです。
また性格も踏まえて触ることに対して恐怖心がないか、嫌がっていないかと猫の様子を見ながらおこなうようにしてください。
撫でる前に優しく声をかける
いくら安心感やリラックスで猫が腹見せをしていても、いきなり触ろうとすると驚いてしまいます。私たちも家族に対しても、突然肩を触られるとビックリしてしまうのと同じことです。
お家で見られる猫の腹見せのほとんどがリラックス状態なので、何もなく突然触られると猫の大事なリラックス時間を邪魔してしまうことになります。
触る前に猫の名前を呼びかけてみるなど、優しく声をかけるようにすることです。
腹見せを急にしなくなった!それって病気かも?
お腹は猫にとって急所であるため普段はあまり見ることがないですが、急に腹見せをしなくなった場合は何らかの原因があると考えられます。
お家の中でも安心することができなければ腹見せることがないため、来客が来たり、部屋の模様替えをした、新しい家族や動物が増えたなど生活環境の変化によってストレスを与えている可能性があります。
ですが特に生活環境に変わりがなくストレスとしての原因が考えにくい場合は、猫が病気で具合が悪いサインかもしれません。
呼吸が速く、咳などの症状があれば心筋症や、喘息、気管支炎などが考えられますし、鼻水やクシャミなどの鼻炎症状では猫風邪といわれているウイルス性の感染症の疑いがあります。
また年齢によっては、高齢猫に多い腎臓病の可能性があり多飲多尿や食欲不振、嘔吐のほか、貧血で体のふらつきなども見られます。
腹見せをせず、体を丸めていれば体温が低下していることが多く、場合によっては早急に治療をする必要があるため、必ず動物病院に受診してください。
まとめ
猫がお腹を天井に向いて腹見せていることは、飼い主さんのことを信頼していたり、安心しているなどの意味があります。
ですが猫にとってのお腹は急所であり、一番攻撃に対して大きなダメージを受けやすい弱い場所なため、例え信頼している飼い主さんでもお腹を触ることに対して嫌がります。威嚇してきたり、引っ掻くや噛むなどの攻撃してくることがあります。
特に元野良猫は警戒心がとても強くお腹を触られることが苦手な傾向があります。だからといって攻撃してきた猫に対して怒ったり、叱ったりすることは返って信頼関係を悪くしてしまいます。怒らずにそっとしてあげたり無理に触らないなど、猫の性格に応じて接することが大切です。