自分のカーストが上だと思っている猫の行動3つ

自分のカーストが上だと思っている猫の行動3つ

猫には「他者に従う」という概念はありませんが、猫社会にも独特の身分設定があるようです。今回は猫が飼い主さんのことを自分と同等か、自分よりもか弱い存在だと思っている可能性のある行動、猫社会の関係性、飼い主と猫との関係性などについて解説いたします。

1.高い位置からじっと見つめる

高所からのぞく猫

野生の「ボス猫」とは?

野生の猫の場合は、自分よりも強そうと思う相手と鉢合わせた際には「お伺い」を立てることがあります。

未去勢のオス猫で自分よりも身体が大きい猫、ケンカが強い猫に対しては

  • 目をそらす
  • 姿勢を低くする
  • じっと動かない
  • 目を合わせない

このような仕草をして、相手に対して「自分は弱気です」とアピールします。

これは野良猫のように野生で暮らす猫のマナーなので、飼い猫の場合はそれほど顕著に見られないことが多いです。それは、「ボス猫」となるのはほとんど未去勢のオスであり、飼い猫は不妊手術を受けることが多いということも大きな理由となっています。

優位な猫は上から見下ろす

野生動物にとって「ケンカに強い」ということは何よりも尊敬に値するものです。未去勢のオス猫でケンカが強い猫、身体が大きい猫などのほかの猫よりも優位に立っている猫には、弱い立場の猫を高い位置から見下ろすという行動が見られることがあります。猫は森林の木の上で生活していた歴史があるため、高い場所にいることを好む習性があります。猫にとって他の猫よりも高い位置にいられるということは、それだけ優位な立場であるということになります。

猫の挨拶

友好的な関係の猫の場合やケンカをするつもりはない場合、猫はお互いに鉢合わせた際に猫流の挨拶をします。

  • 鼻と鼻
  • 首~脇腹にかけて
  • おしり

この順番でお互いに匂いを嗅ぎ合います。これが猫流の挨拶です。

飼い主さんに対しての挨拶

猫は飼い主さんに対しても猫同士と同じように挨拶をしようとします。しかし、飼い主さんは身体も大きく、猫とは違う身体のつくりをしています。このため、飼い主さんの指先や手の甲などの末端部分に鼻を近付けて匂いを嗅ぐ挨拶をしたり、スリスリと顔をこすり付ける挨拶をしようとします。

また、飼い主さんの鼻や口元に自分の鼻をくっつけてくるのも猫流の挨拶です。猫ちゃんがこのような挨拶をしてきてくれる場合は、飼い主さんに対して友好的で、同等かそれ以上に慕っている気持ちであると考えられます。

2.鳴いてアピールしない

机に顔を乗せる猫

猫同士ではあまり鳴かない

母猫と子猫を除き、猫同士では鳴いてコミュニケーションを取ることはあまりありません。時々親しい間柄の猫同士では「ニャッ」と短く鳴いて挨拶することはありますが、多頭飼いをして観察している中でお互いに鳴き声でコミュニケーションを取ることはほぼありません。このことから、飼い主さんに対して鳴いてアピールしない場合は「対等な仲間」とみなしている可能性があります。

猫は不必要に鳴かない

子猫の時は母猫に鳴き声でアピールをします。子猫は成長して自立するまで、母親にお世話をしてもらわなければ生きていけないためです。母親から置いていかれたりはぐれてしまった野良の子猫が、大きな声で鳴いているところを発見して保護した方も多いかと思います。

やがて成猫になると自立心が芽生え、不必要に鳴かなくなっていきます。鳴き声を上げると敵対している猫や他の外敵、そして獲物に自分の存在が知られてしまうためです。

飼い猫はずっと「子猫の気持ち」である場合も

しかし、家で飼われている猫、特に不妊手術を受けた子はその自立心が野生の猫よりも低く、飼い主に対していつまでも「母猫」のように接することが多いです。

そのため、飼い主さんに鳴いてアピールすることが多い猫ちゃんは、飼い主さんのことを「母猫」という立場で認識している可能性が高いです。「ボス猫」とは少し違いますが、いずれにせよ飼い主さんのことを「自分にとってなくてはならない存在」としていることが考えられます。

3.「おみやげ」を持ってくる

おもちゃを銜える猫

飼い主さんへのプレゼント?

猫が自分のおもちゃや捕ってきた虫などを、飼い主さんの前に持ってくることがあります。飼い主さんが寝ている枕元にそっとおみやげを置いておいてくれることも。虫や鳥などの生き物を持ってくることもあり、ギョッとしてしまったことのある飼い主さんも多いのではないでしょうか。

非力な飼い主を心配している?

猫がなぜ「プレゼント」を持ってくるのかには諸説ありますが、有力なのは「狩りができない飼い主を心配している」という説です。もしかすると、自分のように狩りをしない飼い主さんのことを「か弱い存在」と認識して心配してくれている可能性があります。また、風邪を引いたり元気のない飼い主さんを「弱っている」と認識している可能性も。

飼い主さんのリアクション待ちの可能性も

そのほか、猫が「プレゼント」を持ってくるのは「飼い主さんが良いリアクションをしたから」という説もあります。以前飼い主さんに「おみやげ」を持っていった時にビックリされたり褒めてくれたという経験がある子は、飼い主さんにかまってほしいあまりに嬉々として「プレゼント」を持ってくる可能性もあります。

野良猫と飼い猫の生活の違い

猫の親子

猫も他者と協力する

猫社会には犬ほどの上下関係はありません。これは猫が単独行動をする動物であるためです。しかし、野生の生存本能によって「協力した方が生きやすい」と思えば他者と関係を築くこともあります。野良猫の場合、他の猫が産んだ子猫を違う母猫が面倒を見ることもあります。また「猫の集会」と呼ばれる地域の猫が一堂に会して集まる行動が見られるのも、単独行動であってもお互いに良い関係を築いて生きているためと思われます。

「ボス猫」とはどんな存在?

ネクタイをした猫

一方、地域で幅を利かせる「ボス猫」も存在しますが、犬の群れの「リーダー」とは違ってボス猫はその時の状況によって変わります。ケンカが強く繁殖力のあるオス猫が「ボス猫」になりやすいのですが、ボス猫は群れのリーダーとは違って絶対的な存在ではないようです。リーダーというよりは「強くて繁殖力があってカッコイイ!」という尊敬やおそれのような気持ちが近いのではないでしょうか。

飼い猫と野生の猫の違い

野良猫たち

人間に飼われている猫の場合、野生からは少し遠ざかった生活をします。特に去勢手術を受けた後のオス猫は繁殖の欲求やプレッシャーがなくなるため、ずっと子猫のように甘えん坊のままでいる子も多いです。避妊後のメス猫はオス猫よりも気高いままの子が多いですが、それでも野生の猫たちに比べれば繁殖や子育てのプレッシャーがなく穏やかな気持ちで生きられます。

飼い主と猫は「母と子」の関係になりやすい

人に手を差し伸べる猫

そういった飼い猫と野生の猫との違いから、飼い主と猫との関係は「ボス猫とその他」というよりも「母猫と子猫」という関係になりやすいです。この「母猫」の存在は性別関係なく「お世話をしてくれる自分にとってなくてはならない存在」という意味合いになります。そのため、飼い主が男性の場合でも「母猫」として接することもあります。

まとめ

ティガand鈴

猫社会には犬社会ほどの上下関係はありませんが、「ボス猫とその他」「母猫と子猫」という関係性が存在しています。飼い主に対して「ボス猫」または「母猫」のように接していない場合、もしかしたら飼い主さんのことを、自分と同等か弱い者であると認識している可能性もあります。

「高い位置から相手を見つめる」という行動は「自分の方が優勢である」とアピールするための行動です。また、飼い主さんに対して「鳴いてアピールをすることがない」場合は、自分と同等の仲間だと思っている可能性があります。また「おみやげを持ってくる」という行動も、自分よりもか弱い存在であると認識している可能性もあります。

飼い猫は飼い主さんのことを「母猫」と認識していることが多いです。飼い主さんに鳴いてアピールしたり子猫のように甘える素振りを見せる場合には、飼い主さんのことを「なくてはならない存在」と思っている可能性が高いです。

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