夢占いと猫について　意味と解釈

猫の夢について

みなさんは猫の夢を見たことがありますか？

かの夏目漱石は『夢十夜』の冒頭で「こんな夢を見た。」と始めますが、実は私もこんな夢を見ました。

もう随分前の出来事ですが、近所の公園に無数の猫がいて、その中に愛猫がいるような気がして（飼い主の勘です）、必死に探し回るのです。「この子じゃない！」「柄は同じでもこの子でもない！」「じゃあ、あの子かな？」長い時間を掛けてようやく見つけ出すのですが、それが嬉しくて心底安堵する夢です。思いっきり抱きしめて、そのお腹の中に顔を埋めたのですが、その時の愛猫の毛のふわふわの感触が妙にリアルで「幸せだな」と思ったところで目が覚めました。

可愛い猫がたくさん出て来たので、起きてからも暫くニヤニヤする程、目覚めは良かったのですが、夢占いで調べてみると、サイトごとに解釈に違いがあるにしろ、猫の夢自体が余り良くなくて、もの凄く残念な気持ちになりました。
そして思ったのです。そもそも夢占いとは何だろうか、と。

夢占いとは

星占い、血液型占い、四柱推命、手相占い。昔から世界には、さまざまな占いが溢れていますが、皆さんは夢占い（夢診断）がどんなものかご存知ですか？
夢占いとは、夜見る夢の内容で運勢を占うものです。人類史上もっとも歴史のある占いだといわれています。

『イリアス』といわれるギリシア最古の文学作品の中に、夢は最高神のゼウスに由来し、夢の解釈をする夢判断師が実在したと記されています。旧約聖書の中にもいくつも夢占いの話があり、その中でも有名な夢占いの話として『ヨセフの夢』というものがあります。ヨセフと名乗る少年は見た夢を語り、現実を言い当てたといいます。

もう一つ有名なのは『ダニエル書』です。これは予言者・ダニエルが王の見た夢を解釈したものです。また20世紀初頭には、「夢には無意識のメッセージが隠されているのではないか」と提唱する、オーストラリアの精神科医・フロイトが現れました。またその弟子でスイスの精神科医で心理学者のユングは、「夢は過去の満たされなかった願望が形を変えて実現したもの」と考えました。要するに、夢を通して人々の心の病、欲望の抑圧、無意識の世界を探ろうとしたのです。

のちに、この二人は袂をわかつことになり、現在伝わっている夢占いはフロイトの考えが原型になっているといわれています。夢占いが当たるかどうかはここでは敢えて置いておきますが、一部では「夢はただの記憶の整理だ」ともいわれています。個人的には「記憶の整理だ」といわれた方がしっくりきます。そう思いたいくらいに、猫の夢の解釈は不吉なものが多いのです。

猫の夢を見ることの意味

猫は女性を象徴する生き物だそうです。それなので、猫の夢の解釈も女性的なものがとても多いです。例えば「恋敵が現れる」「同性の友人から裏切りに合う」「嫉妬」などが挙げられます。また女性が見た場合と、男性が見た場合でも意味が違ってくるといいます。

女性が猫の夢を見た時は「人間関係のトラブル」「誹謗中傷」「嫌がらせを受ける可能性」の暗示のようです。また、男性が猫の夢を見た時は「女性に対する警告」の意味合いが強いそうです。

しかし黒猫の夢は吉夢で、幸運を呼び込むともいわれていますが、汚い黒猫の夢の場合は、自分のコンプレックスでトラブルの暗示があるそうです。同じ黒猫でも汚れ具合で解釈が全く違う、というのも不思議です。また、猫とじゃれたり、遊んだりする夢は恋愛運好調の兆しのようです。予期せぬ妊娠の意味もあるようです。

因みに私のように飼い猫の夢を見た場合は、ただの執着心だそうです。このように猫の夢も、ピンからキリまでさまざまな解釈があるのが現状のようです。要するに、ミステリアスな存在の猫、そのままのイメージなのではないでしょうか。奥が深いのか、もの凄く浅いのかさっぱり分かりません。

まとめ

昔、知人女性が「昔から私は猫の夢を見ると、クラスメートや同僚に無視されるようになるの」と言っていたことを思い出しました。そういう経験が２回程あったそうです。その頃はまだ猫を飼ったことがなかった私は、猫の夢＝不吉なものというイメージをすんなり受け入れましたが、猫がどういう存在なのかを知った今は、それはただの思い込みだと思っています。たまたま猫の夢を見た時に、クラスメートに無視されただけです。社会人になって人間関係が上手くいっていない時に、再び過去の記憶の中から猫の夢を引っ張りだしたに過ぎないのでしょう。

因みに、私も夢を見る度に夢占いで調べますが、「当たってる」と思ったことはほとんどありません。個人的には猫の夢を見ることができたら嬉しいので、あまり解釈に捕われ過ぎないように楽しみたいですし、皆さんにもそのように楽しんでいただけたら幸いです。