福猫とは
「福猫」について皆さんはご存知でしょうか?
「新しく猫を迎えたら彼氏ができた!」「仕事がトントン拍子に進んだ!」などの話を、猫を飼いだした人たちから聞いたことはありませんか?猫が家にきたことによって幸せが舞い込んでくる・・・そんな幸福をもたらしてくれる猫たちのことを「福猫」と呼ぶことがあります。
福猫その1「黒猫」
「黒猫は縁起が悪い」などと言われがちですが、この黒猫こそ幸運を招く福猫といわれているのです!
近代以前の日本では暗闇でも目が見えるとのことから、猫は魔除けや幸運、商売繁盛などの象徴として大切にされており、中でも黒猫は魔除け・厄除けになり、福を運んできてくれる福猫として重宝されてきました。
招き猫といえば白猫や三毛猫をイメージすると思いますが、実は黒く塗られた招き猫もあるのです。白い招き猫は商売繁盛、黒い招き猫は魔除け・厄除けのお守りとして今でも大切にされています。
それではなぜ、黒猫に悪いイメージがつきまとうようになってしまったのでしょうか?
これは欧米諸国での風習や迷信が日本に入ってきたことで、黒猫=不吉な動物としてのイメージがつきまとうようになってしまいました。今でも海外の一部ではこういった迷信が強く信じられており、残念な話ですがイタリアでは年間何万匹もの黒猫が殺害されています。こういったこともあり、各動物保護団体が署名活動をするなどして、無実の黒猫たちを保護するべく活動をしています。日本では福猫と言われて重宝されている黒猫ですが、国によってはこのように悲しい出来事もあるようです。
福猫その2「三毛猫」
三毛猫とは白・茶・黒の三色の毛色が見られる猫です。白=来福招福、茶=無病息災、黒=魔除け・厄除けと、それぞれの意味があると信じられており、そのため三毛猫は福を招く縁起の良い福猫といわれています。
また三毛猫は日本原産の猫で、身体が強くて健康な子が多く、また、自立自由型のいわゆる猫らしい性格の子が多いともいわれています。日本では決して珍しくない三毛猫ですが、海外では比較的珍しい部類に入る毛色です。現在では海外でも非常に人気が高く、海外一般名の「キャリコ」「トーティ・アンド・ホワイト」などという呼び名のほかに「ジャパニーズボブテイル」「ミケ」などとも呼ばれて愛されています。
また、三毛猫のほとんどは実はメスで、オスが生まれる確率は3万匹に1匹ともいわれています。オスの三毛猫は船の守り神ともいわれており、第一次南極観測隊でも有名なタロとジロの他、民間人から寄贈された三毛猫のオス「タケシ」が乗船していたという記録があります。
余談ですが筆者も初めて実家で飼った猫が三毛猫のメスでしたが、亡くなる直前までほとんど病気知らずで性格自由型、年齢も18歳と猫としては長寿で長く元気に過ごしてくれました。
海外の福猫
福猫のいわれは日本だけではなく、海外にも存在します。
例えばイタリアでは、猫のくしゃみを聞いたら幸運が舞い込むと言われています。スコットランドでは玄関先に見知らぬ黒猫がいたら運が良くなる兆しなどの言い伝えがあります。またタイでは、昔から猫を幸運を呼ぶ動物として大切にしており、特に農村地帯では猫を主役にした儀式も存在しているほどです。
このように、海外でも「猫は幸福を運んできてくれる」と認識されているようです。さらに調べてみると、もっと面白い福猫の言い伝えがあるかもしれませんね。
まとめ
猫には実にたくさんの毛色があり、中でも幸運をもたらすといわれることの多い黒猫と三毛猫は福猫の代表といってもいいかもしれませんね。しかし、どんな猫でも飼い主さんにとって大切な子であり、毎日家族に笑顔をもたらしてくれる福猫的存在です。
また、道端で出会うあの子やこの子も、時折小さな笑顔を与えてくれることがあります。こうして考えてみると、猫好きにとってはどの子もみんな福猫といえるのかもしれません!