御誕生寺とは
御誕生寺(ごたんじょうじ)とは、福井県越前市庄田町にある曹洞宗の寺院、通称「猫寺(ぬこでら)」。2002年に小堂建立、 2008年に本堂坐禅堂の上棟式が執り行われた比較的新しい禅寺です。禅師の出生を祝福する寺院として、現住職「板橋興宗(いたばしこうしゅう)禅師」が建立されました。
板橋興宗禅師は大本山總持寺元貫首、元曹洞宗管長、前總持寺祖院住職という経歴を持ち、数々の著書を出版されています。そのなかには「猫は悩まない」「猫のように生きる」など、猫を題材とした著書もあり、大の愛猫家としても知られます。
福井の御誕生寺が猫寺と言われる理由
境内で多くの猫がのびのびと暮らす姿が多くのメディアに取り上げられ「猫寺」として有名になった御誕生寺ですが、そのきっかけはお寺の建立後に住職が偶然保護した4匹の猫達だったそうです。
後に境内で暮らす猫はみるみるうちに増えていき、多い時では100匹近い猫達をお世話していたのだとか。境内で暮らす猫達はみんな名前を付けてもらい、ご飯はもちろん怪我や病気の治療、不妊手術、さらに里親募集まで責任を持って行われています。
犬や猫に関するイベント
また、御誕生寺では猫のご飯タイムや譲渡会だけではなく、飼い方講座やセラピードッグとのふれあい、猫モチーフグッズのマーケット出展、ワークショップなど様々なイベントが開催されており、日本各地から多くの人々が足を運ぶ寺院となっています。
基本的に猫のご飯の時間は8:00、15:30の2回となっていますが、時間が変動する場合もありますので詳細については御誕生寺公式ブログ、Facebookにて随時更新されているお知らせをチェックしてくださいね。
御誕生寺ならではのお守りや御朱印
御誕生寺では御朱印帳も猫モチーフのデザインになっており、いただける御朱印もとても素敵だと評判です。御朱印帳は郵送していただくことも可能なため、そうしても足を運ぶのが難しいという場合は、寺院へ直接お問い合わせしてみましょう。
また、300円以上の寄付をすることで引くことができる「招き猫おみくじ」や、1000円以上の寄付でいただける「にくきゅう型お守り」「日めくりカレンダー」などのオリジナル猫グッズも要チェック。御誕生寺は、今までに約300匹の猫達と新しい家族の縁を結んできたことから、縁結びの寺として知られます。皆さんも是非一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。
御誕生寺の猫に会いに行く時の注意点
駐車場でも猫に注意
御誕生寺の駐車場には「猫注意」の看板が設置されています。というのも、猫達は寺院の境内はもちろん駐車場も自由に出入りしています。そのため走行中はもちろんのこと、エンジンをかける前や発車時などは車付近に猫がいないかどうか、しっかりチェックするようにしてください。
猫との触れ合い方に注意
御誕生寺の見学や猫とのふれあいは基本的に自由です。ただ、しつこく追いかけたりするのはもちろん、持ち込んだ猫じゃらしなどで遊んだりするのも禁止となっています。
また、御誕生寺には怪我や病気の治療中の猫ちゃんもいるということをしっかりと念頭に置いておきましょう。猫の首輪に赤や青のヒモが付けられている場合は、猫風邪などの治療中であるという印です。猫同士の接触だけでなく人の手によって菌が付着することもあるため、治療中の猫と触れ合った後は必ず消毒スプレーで消毒するようにしましょう。
餌やり禁止
御誕生寺の猫達におやつや餌などを勝手に与えることは絶対に止めてください。御誕生寺の猫達は自由にのびのびと暮らしているとはいえ、野良猫ではありません。食事管理も行われているため、猫用の食べ物であっても勝手に与えないよう十分に注意してください。
猫の引取は不可
御誕生寺では、新たな猫の引き取りなどは一切行われていません。
猫達の食費、医療費などは住職さんや修行僧、更には檀家さん、参拝者、全国の愛猫家からの寄付などで賄われています。とはいっても数十匹の猫達の医療費は決して安いものではありません。
現在でも境内へこっそり猫を捨てていく人が後を絶たないと悩まれているとのこと。これは御誕生寺に限ったことではありませんが、境内へ猫を放置するようなことは絶対に止めてください。
参拝マナー
あくまでも御誕生寺は寺院であり、保護施設でも保護猫カフェでもないということをしっかり理解しなければなりません。御誕生寺の猫に会いに行くということは決して悪いことではありませんが、基本として参拝マナーをしっかりと守ることだけは心がけましょう。
寄付について
御誕生寺では「猫達のための寄付」を受け付けられています。前述した招き猫おみくじやオリジナルグッズと引き換えることができる募金もありますが、以下のような寄付も募っています。
- 使わなくなった猫用キャリーケース
- ペットシーツ
- 猫砂
- 手消毒用ウェットティシュ
- 猫用顔拭きシート
- 猫用離乳食
これらの猫グッズは種類や状態によっては郵送で寄付することも可能となっています。自宅に状態の良い使っていない猫グッズがある場合などは、必要かどうか事前に問い合わせしてみるのも良いかもしれません。一人ひとりの協力が大きな力となります。御誕生寺の猫達が今後も幸せに暮らせるよう、もしできることがあれば積極的に協力したいですね。
御誕生寺へのアクセス
マイカーでのアクセス
御誕生寺へのアクセスについてはマイカー利用がおすすめです。北陸自動車道「武生(たけふ)インター」を降りて「越前海岸、越前市街」方面へ左折。突き当り「8号線、敦賀」方面へ左折後、1kmほど道なりへ。 右手にファミリーマートが見える交差点「庄田(しょうでん)」を左折、1.5kmほど道なりに直進し、右手に6体の大きさお地蔵様が見えたら右折。武生インターから御誕生寺まで約5分程度で到着します。
公共交通機関でのアクセス
御誕生寺の最寄り駅は「JR北陸線 武生駅」となります。駅から御誕生寺まは少々距離があり、徒歩だと1時間程度かかるためバスやタクシーなどを利用しましょう。
バスの場合、福井鉄道バス(池田線)に乗車、「大手」で下車後、西南へ300m程度歩けば到着。
ただし、バスの場合は平日であれば7往復運転していますが、土日祝では3.5往復運転となっています。運転時間にもバラつきがあるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。ちなみにJR北陸線武生駅から御誕生寺までのタクシー代は1800円程度のようです。
拝観時間
御誕生寺の拝観時間は「年中無休」「いつでもどうぞ」と、特に開門や閉門の時間については定められていません。
ただし、常識の範囲内で拝観させていただくようにしましょう。早めの時間帯に訪れたいという場合は、8:00からの猫のご飯に合わせるのも良いかもしれませんね。他、イベントのタイムテーブルについては変動があるため、御誕生寺公式Facebookなどをチェックしてくださいね!
看板犬も登場!
「猫寺」と呼ばれる御誕生寺ですが、現在では猫だけではなく、ゴールデンレトリバーのアンディーくんも仲間入りしています。
アンディーくんは、元々盲導犬の候補犬として訓練を受けていたそうです。しかし、細身の体型であることなどを理由に盲導犬とは別の犬生を歩むことになったキャリアチェンジ犬。
そんなアンディーくんはとても心優しく、猫や人にも愛情深く接し、決して吠えたり噛んだりすることはありません。
現在では、御誕生寺の看板犬として多くの人々を癒やし、活躍しています。御誕生寺へ訪れる際は、是非アンディーくんも探してみてくださいね。