猫神社の由来
日本には、古来よりたくさんの動物たちが身近にいるにも関わらず、なぜ人々は猫を神様として神社に祀ったのでしょうか?そこには、人間と猫との深い縁が存在していました。
その昔、日本の数ある産業の中でも、特に盛んだったのが養蚕業。世界的にも日本の養蚕は知られており、その蚕から生み出される絹糸は、大変な高値で取引されていました。養蚕業では、何よりの天敵がなんとネズミ。そのネズミから蚕たちを守るべく、重宝されたのが猫たちだったのです。
このように、生活に密着した地域産業や、米などの大事な食料を守るため、はたまた海に面した地域では、航海中、船に侵入してくるネズミを退治するために、猫は大事にされました。全国各地で人々の生活の根底を守るために重宝され、皆に大切にされてきたのが猫たちです。その結果、猫を神様として祀られたのが現在の猫神社の由来といえるでしょう。
東京の猫神社
「今戸神社」(東京・浅草)
今戸神社は、縁結びの神様が祀られていることで知られており、本殿の拝殿には、なんと大きなペアの招き猫が祀られています。その他にも、「縁」と「円」をかけて、まん丸の可愛らしい絵馬があったり(もちろん柄は招き猫!)、社務所にはたくさんの招き猫コレクションがあったりと、とにかく招き猫づくし。猫好きはもちろん、縁結びの神様と、招き猫たちが引き寄せてくれる良縁を求めて、今戸神社に参拝に来る方も多いそうです。
「阿豆佐味天神社」(東京・立川)
こちらの神社では、養蚕の神様を祀っていることから、狛犬ならぬ可愛らしい狛猫が鳥居前に鎮座しています。以前、愛猫が行方不明になった方が、こちらの神社を参拝した結果、17日間も帰ってこなかった愛猫が、なんと参拝翌日に帰ってきたというエピソードがあります。このことから、猫返し神社とも言われているとのこと。現在では、愛猫の無事や健康をお参りに来る方がたくさんいらっしゃるそうです。
「美喜井稲荷大明神」(東京・赤坂)
都会の中の小さな神社。稲荷とありますが、境内にはキツネではなく猫の石像が安置されており、さらに本殿前の頭貫(かしらぬき)には、ペアの猫の彫刻も。
境内には、「この神様にお願いする方は蛸を召上らぬこと。この神様を信仰される方は何事も心配ありません」との由緒書きがあります。その由来は今のところ不明で、web上では猫にタコを与えないほうがいいという言い伝えからではないかという意見が聞かれます。こちらの神社は非常にアクセスの良い場所にあるので、お散歩やお買い物ついでにふらりと立ち寄ることができます。
まとめ
猫を祀った猫神社について、いかがでしたでしょうか。この他にも、日本全国には、不思議な由来をもつ猫を祀った神社がたくさんあります。調べてみると非常に興味深いエピソードや、猫を飼っている方ならなるほど!と思ってしまうようなお話もたくさんありますので、まずはお近くの猫神社へ足を運ばれてみてはいかがでしょうか。見慣れた景色の中に、また新しい発見があるかもしれませんね。
40代 女性 いずみ
従兄弟の家が近いので、行ってみようということになり訪れました。すると、狛犬がいましてとても由緒正しい神社で感動しました。
猫を祀っているだけあって、お札や御守も猫ちゃんのものがあったりして、友人にも買って帰った覚えがあります。神社の名前が難しいですが逆に分かりやすかったりしますので、また友人と訪れたいなと話しています。
神社の周りもお散歩に適していて、一度訪れると病みつきになりますので、オススメです。