地元で有名な「不良猫」
英国ケント州メドウェイ市の各地に出没する悪名高き赤毛のオス猫「ボブ」は、いたずらにより地元市民を困らせたうえ飼い主を悩ませてきました。
そして、このたび「反社会的行動禁止命令」ならぬ「猫の社会的行動禁止命令」を出されました。
ボブはスイミングプールの女性用更衣室に入り込んだり、お腹が減っているフリをして見知らぬ人から食べ物をもらったり、大学へ通学途中の学生を困らせたりといった数々の「いたずら」を通報されています。
この「猫の社会的行動禁止命令」を交付したのは、地元の非営利団体Animals Lost and Found in Kent(ALFIK)のナターシャ・マクフィー所長で、同団体は行方不明のペットを探して飼い主に送り届ける活動をしています。
迷い猫としての通報でボブの存在を知った保護団体
ナターシャさんがボブのことを知ったのは、多くの人がボブを迷い猫として通報していたためでした。
彼女がボブを飼い主の元へ送り届けたところ、すぐに彼が地元ジリンガムでは有名ないたずら猫であることが分かりました。
ボブはもともと迷い猫だったようで、現在の飼い主がボブを見つけた際、とてもフレンドリーだったため他に飼い主がいるものと考えたそうです。
ですが、動物病院へ連れて行ったところマイクロチップは装着されておらず、そのまま現在の飼い主が引き取ることになりました。
止まらない不良猫のいたずらの数々
その後もALFIKのフェイスブックには何度もボブの写真が掲載され、さらにケント警察までボブの写真をSNSに投稿し警察署に侵入してビスケットを盗んだことを報告しています。
また、2021年12月初めにはメドウェイ警察も、「どうやらメドウェイ警察署は猫を引き取ったようだ」とのキャプション付きでビスケット箱の前に座るボブの写真をSNSに投稿しました。
ナターシャさんによると、この地域にはボブ以外にもいたずら好きで有名な鳥や猫などがいます。
そこで彼女は、一般市民に対しどのペットが最もいたずら好きと考えているかを明らかにするため、3万5000人もメンバーがいるALFIKのフェイスブックで投票を募ることにしました。
投票では圧倒的にボブを推す声が多く、「警察署に侵入してまんまと署員のハートを盗んでくる勇敢なボブに一票!」といったファンの声も多かったそうです。
こうしてボブはあっという間にケント州で最も「やんちゃな猫」の栄冠を勝ち取りました。
その後、ナターシャさんは警察官に扮してボブの自宅を訪れ「猫の社会的行動禁止命令」の通知をボブに渡します。
この通知にはボブの「罪状」の数々や、「2週間外出を禁止して自宅のみで過ごし美味しいおやつを食べているように」との命令が記載されていました。
ボブに対する地元の人たちの愛情とユーモア溢れる優しさが伝わってきますね。