甚大な被害をもたらしたカナダ西部の集中豪雨災害 猫保護団体「Tiny Kittens」が動物たちを救う

動物たちを救うため立ち上がった猫保護団体

2021年11月にカナダ西部に甚大な被害をもたらした集中豪雨災害により、フレイザーバレー地域には多くの動物が取り残され救助が必要な状況に陥りました。

こうした状況の中、カナダ・ブリティッシュコロンビア州ラングリーを拠点とする猫保護団体「Tiny Kittens」は、過去数週間現地に赴いて浸水した土地や家屋で身動きの取れなくなったペットや野良猫の救出活動を行っています。

また現在は、救出した動物たちのために元の飼い主を探したり新たな引き取り手を探したりしているそうです。

災害時における動物の生存率は極めて低い

Tiny Kittensの創立者であるシェリー・ロッシュさんによると、同団体は主に野良猫の保護活動などを行っているため、洪水が起きた際に動物たちに危険が及ぶことを理解していました。

大災害の中でこうした動物たちが避難できる可能性は極めて低いのです。

このため、スタッフは心配しながら状況を見守っていましたが、普段の活動により怯えた猫を捕獲することにも慣れていたことから、協力を申し出たとのこと。

「誰もが自分の役割を担っており、これが私たちにできる役割なのです」とロッシュさんは言います。

洪水から救出される多くの動物たち

2021年11月21日、ブリティッシュコロンビア州アボッツフォードでは、浸水した家庭菜園で何日も食べ物やきれいな水がない状態で生きていた猫3匹を保護することができました。

救出された3匹のうち、2匹は間もなく飼い主と再会する予定です。

残る1匹の「ジャジー」という名のメス猫は怪我を負っており、残念ながら生き延びることができませんでした。

ロッシュさんは、「飼い主が来た時の悲しみと喪失感に満ちた顔を忘れられない」と言います。

救助した猫たちが徐々に回復へ

一方、ハッチックでは野良猫と飼い猫を含む9匹を救出でき、9匹とも現在はすっかり回復しているとのこと。

Tiny Kittensは、現在アボッツフォードで保護した別の2匹の面倒も見ています。

1匹は緑色の目をしたシルキーグレーのぶち猫で、スタッフは「キャンベル」というニックネームを付けました。少しシャイですが、明るい性格で現在新たな引き取り手を探しています。

もう1匹は優しい性格のトラ猫で、スタッフは仮の名前として「ラセット」と名付けました。ラセットは飼い猫と見られ、現在飼い主を探しているそうです。

洪水が引いた後も油断できない状況が続く

洪水は引きましたが、ロッシュさんはまだ助けを必要としている動物がいると考えています。

家から離れさまよっているペットがまだいると予想され、こうした動物たちを保護して飼い主の元へ連れ戻さなければならないかもしれません。

さらにもう一つ懸念されるのは、浸水した水の中で動物たちがどんな「有害物質」に曝露しているか分からない点です。

ロッシュさんは、何日も浸水した水に漬かっていたのちに保護された動物たちについて、「今後、健康に何らかの影響が現れないか気を付けて見守っている」と言います。

飼い主へのアドバイス

また猫の飼い主に対しては、ペットのために普段から緊急事態に備えておくようアドバイスしています。

普段からペット用のクレートなどを出しておき、中でペットが安心できるようおやつを置いて、怖がらずに中へ入れるようにしておくことを勧めています。

ペットが薬を常用している場合は、緊急避難用の持ち出し袋に入れて用意しておくことも必要だそうです。

たしかに、どんなペットであれもしもの時に備えて準備しておくことが大切ですね。