【カナダ】大洪水で行方不明になった猫”ニンジャ”|20km離れた町で発見

家族に迎えて間もない愛猫が大洪水で行方不明に

2021年11月、カナダ西部が豪雨による大規模な洪水に見舞われました。

そのような中、被害が最も大きかったとされるブリティッシュコロンビア州スーマス・プレイリーに住む飼い猫「ニンジャ」は、飼い主と避難する際に行方不明となり、なんと2週間後20km近く離れた町で発見されます。

ニンジャの飼い主であるリア・バーゲンさんとヘンリー・バーゲンさん夫妻は、かつては湖だったスーマス・プレイリーの湖底にあたる地域に住んでおり、この地域は今回の洪水で最も大きな被害を受けました。

11月半ばに洪水が起きた際、ニンジャは夫妻の元に来てまだ5~6週間しか経っていませんでした。

トレードマークはお腹の「ふんどし」模様

それまで、家に潜むネズミを追い払う猫を探していたバーゲン夫妻は、10月の感謝祭の週末にアボッツフォードに住む友人のリンダさんから連絡を受け、夏頃から1匹の野良猫が近所をうろついていることを知らされます。

リンダさんは、とても人懐こいこの猫の面倒を見ていましたが、もともと猫アレルギーを持つ彼女には飼うことができません。

そこでSNSに写真を載せて飼い主を探してみましたが、飼い主が名乗り出ることはなかったそうです。

早速バーゲン夫妻がこの猫を引き取ると、彼はすぐにリアさんの膝の上でくつろぐようになり、先住犬のブーマーとも仲良くなります。

ヘンリーさんは真っ黒なこの猫を「ニンジャ」と名付け、お腹の部分にある一筋の白い模様を「ふんどし」と呼びました。

混乱の中で忽然と姿を消した「ニンジャ」

2021年11月14日、アボッツフォードに大雨が降り始めた時、整備士のヘンリーさんは多忙のため仕事先にいました。

そして翌朝に消防隊員が自宅を訪れ、洪水のため近隣住民が避難し始めていることを知らせた時もヘンリーさんは不在でした。

妻のリアさんは避難のため10分で荷物をまとめ自宅を出なければなりませんでしたが、犬とドッグフードと猫を急いで車に入れ、混乱の中で誰も逃げ出さないよう細心の注意を払ってしっかりと車のドアを閉めたそうです。

リアさんはアボッツフォードの友人宅に避難するつもりでしたが、指示された安全ルートではアボッツフォードとは逆方向のチリワックへ向かうことになります。

このため、彼女はチリワックに住む別の友人宅に身を寄せることにしました。

そして1時間半ほどドライブしてから車を止めましたが、ドアを開けると愛猫のニンジャがどこにも見当たりません。リアさんは慌てふためきますが、どうすることもできませんでした。

自宅付近はすでに浸水、愛猫はどこに…

チリワックからアボッツフォードへ向かう道は当分の間運転できる状態ではなく、リアさんの自宅周辺は洪水で浸水しています。

リアさんは、ニンジャはおそらく自宅の浸水していない安全なエリアにとどまっているか、そうでなければ死んでいるかもと考えました。

ところが12月2日、リアさんはリンダさんから連絡を受け、「ニンジャがハンティンドンのリンダさん宅に現れた」と聞いて驚きます。

「本当にニンジャなの?」とリンダさんを問いただすと、ニンジャのトレードマークであるお腹のふんどし模様があるため間違いないとのこと。

ニンジャは以前よりやや痩せたものの、身体にはかすり傷ひとつなかったそうです。

生還ストーリーが誰かのためになれば嬉しい

ニンジャが混乱した状況の中どうやって20kmも離れたハンティンドンに無事にたどり着いたのか、2人は首を傾げるばかり。

リアさんはまだニンジャに再会できておらず、現在はリンダさん宅の近所の農場に預けられています。

バーゲン夫妻の私有地と自宅の1階部分は洪水により壊滅状態。夫妻はその対応に追われており、ニンジャを迎え入れるのはもう少し先になりそうです。

ですがリアさんは、「このような大変な状況の中で、ニンジャの生還ストーリーが誰かを元気づけてくれれば嬉しい」と語ります。

このご夫婦が早く愛猫のニンジャと会えるといいですね。