【米国】会話ツールのボタンを上手に使いこなす猫!「飼い主の言葉を理解する愛猫」が研究プロジェクトに参加!

SNSで話題の猫

先日、インスタグラムで「拡大代替コミュニケーション(AAC)」デバイスで会話できる猫、「ビリー」が紹介され話題となりました。

ビリーはフロリダ州で、飼い主のケンドラ・ベイカー氏と暮らす13歳の猫。

投稿された動画では、ビリーが「犬」という音声の出るボタンをダブルクリックし、飼い主のベイカー氏が「犬は外だよ?」とデバイスで返答すると、ビリーが「おへそ」のボタンをダブルクリックする姿が映されています。

ベイカー氏はこの動画に「偶然?または計画的?ご自分でご判断ください」というキャプションをつけてインスタグラムに投稿しました。

きっかけは愛犬

AACデバイスは、様々な言葉を音声で発するボタンがついたサウンドボードで構成されています。

ベイカー氏がAACデバイスを使ってビリーと会話してみようと思いついたのは、言語聴覚士のクリスティーナ・ハンガー氏が愛犬ステラにAACの使い方を教える姿を見たのがきっかけでした。

また、SNSでも「会話する犬バニー」が話題となったこともあります。

期待してない中での出来事

ですが、ステラやバニーと違ってビリーは猫であり、社交的で人の言葉を理解するのが得意な犬とはまったく異なります。それでもベイカー氏は気にしませんでした。

新型コロナのパンデミックが起きて間もない頃、ベイカー氏は折を見てAACデバイスを入手し、ビリーと会話できるか試してみたのです。

その時点では、ベイカー氏が知る限りAACデバイスで会話を試みたことのある猫はビリーだけでした。

彼も当初はそれほどビリーに期待していなかったそうです。

ベイカー氏はまず、食べるのが大好きなビリーにやる気を出させるため「食べもの」という言葉を教えましたが、ビリーはすぐに「食べもの」を覚え、楽しそうに「食べもの」ボタンを押していたそうです。

動物が会話できるかを検証する研究が進行中

現在、ビリーは50の単語ボタンが付いたAACデバイスを使用しており、人間と動物がAACデバイスを介してコミュニケーションを取れるかどうか検証する「How.TheyCanTalk」という研究プロジェクトに参加しています。

この研究に参加しているのはほとんどが犬ですが、わずかながら猫も参加しており、上手にAACデバイスを使いこなしているとのこと。

認知科学者であるレオ・トロッター氏は、How.TheyCanTalkプロジェクトの創始者であり、ビリーが使用しているAACデバイス「FluentPet」システムの開発者でもあります。

彼も当初、猫がこうしたデバイスを使いこなせるとは考えていなかったため、ボタンを上手に使う猫を見て驚き喜びました。

また、猫は犬とはボタンの使い方が異なる点が興味深かったそうです。

トロッター氏によると、猫は複数のボタンを何回も押すことはなく、一つのボタンを何回も押す傾向があります。

ベイカー氏も、ビリーは犬のように複数の単語を関連付けることはあまりないと感じているとのこと。

一方、犬の場合は文章ともとれる複数の単語ボタンを押すこともあります。

犬や猫は本当にAACデバイスで会話しているのか?

現時点で、AACデバイスを使って動物と会話できるのかという疑問について、科学者らはすぐに結論を出すことはできないようです。

AACデバイスを使っている動物たちが科学的な意味で本当に会話をしているのか、あるいはただ単に特定のものを連想させるボタンを押すようしつけられただけなのかといったことを、今後も議論していく必要があります。

ペットの知育おもちゃなどを開発するCleverPetの認知科学研究者ガブリエラ・スミス氏は、猫の認知能力に関する研究が非常に限られていることから、AACデバイスを使用する猫に大きな関心を寄せています。

スミス氏はHow.TheyCanTalkプロジェクトに猫を参加させることで猫の認知能力を効率的に研究することができ、またこれまでの猫に関する定説が覆される可能性もあると考えています。

一方、こうした研究で明らかになることとは別に、ビリーの飼い主であるベイカー氏はAACデバイスを使い始めてからビリーの機嫌がとてもよくなったことに気づいたそうです。

パンデミック中の在宅措置などで1日中家にいるのはとても辛いことであることを痛感した彼は、ペットの幸せな生活のために何かできることがあるのなら、何でもしてあげたいと言います。