「イギリス変異型新型コロナウィルス」飼い猫や飼い犬への初感染が明らかに!重度の心筋炎も発症

英国変異型新型コロナウイルスのペットへの感染を初めて確認

アルファ変異型(英国変異型)の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が、ペットの犬や猫にも感染することが研究で明らかになりました。

伝染力と感染力の強い英国変異型は、英国で瞬く間に既存の変異型ウイルスにとって代わり、現時点では世界の86カ国で確認されています。

今回の症例観察研究では、英国変異型新型コロナウイルスのペットへの感染が初めて報告されました。

猫2匹と犬1頭ではPCR検査陽性が確認され、さらに別の猫2匹と犬1頭では心疾患の兆候が認められてから2~6週間後に、新型コロナウイルスの抗体が検出されています。

またこれらのペットの飼い主は、ペットが病気になる数週間前に呼吸器症状を発症しており、新型コロナウイルス検査でも陽性を示していました。

新型コロナウイルスと心血管疾患が関連する可能性

興味深いのは、これらのペットはいずれも「重度の心筋炎(心臓の筋肉の炎症)」などの心臓病を急激に発症していた点です。

COVID-19の臨床症状として最も多く見られるのは急性の呼吸気症状ですが、人間の入院患者の20~30%で心筋炎を含む心血管症状が認められたとの報告も複数あります。

しかし、世界各地で報告されているペットの新型コロナウイルス感染の症状は、ほとんどがごく軽度の消化器症状や咳、鼻水、くしゃみといった呼吸器系症状でした。

ペットから人間への感染はまだ見られず

2020年11月に英国変異型の新型コロナウイルスが確認されて以降、英国変異型のペットへの感染報告はこれまでいずれの国でもありませんでしたが、今回の研究で初めて報告されることとなり、さらに心血管疾患と関連する可能性も出てきたのです。

ただし、新型コロナウイルスのペットへの感染例は比較的少数であり、これまでの観察によれば人間からペットには伝染するものの、ペットから人間に伝染することはないとみられます。

ペットでの感染例は少数とはいえ、心臓病のような重い病気と関連する可能性があるというのは気がかりですね。今後の研究にも注目したいところです。

▼参考サイト▼

https://www.sciencedaily.com/releases/2021/11/211105084113.htm