イギリスで生後間もない子猫や妊娠猫の「違法輸入」が急増!愛猫家が英国政府に輸入禁止を要請

ペット需要増加に伴うペットの違法輸入の横行

イギリスでは現在、断耳・断尾された犬や生後6カ月未満の犬、または妊娠した犬の輸入禁止法案を含む動物福祉法改正案が検討されています。

理由として、コロナの影響によるロックダウンでペットの需要が急増したことに伴い、犬や猫の違法輸入が急増したことが挙げられます。そのため、ペットの福祉を顧みない悪徳販売業者をさらに厳しく取り締まる必要に迫られていました。

ところが現在、愛猫家などの活動家はこの輸入禁止法案の適用範囲を犬だけではなく、生後6カ月未満の猫や妊娠した猫、抜爪された猫にまで拡大することを求める運動を行っています。

また、輸入された犬や子犬の虐待を取り締まる新法案の適用対象として、これまでに輸入された猫7万頭を追加することも求めています。

SNSを意識した購入も

ちなみに純血種の猫の需要は昨年と比べて36%も増加しており、福祉団体Cats Protectionはこうした需要増加について、単に飼い主がSNS映えする猫が欲しいからに過ぎないと言っています。

さらに、猫の平均価格も昨年の327ポンド(約50,000円)から上昇し、今年は474ポンド(約71,000円)となっています。

全党議会グループのシェリル・マレー共同議長によると、より高価な猫を求めて利益のために猫や購入者から不当に搾取する悪徳販売業者が増える危険性があるとのこと。

政府は猫の輸入制限について慎重

一方、動物福祉大臣のザック・ゴールドスミス氏によると、猫の違法取引や不適切な扱いが多発していることを示す証拠は限られているそうです。

Cats Protectionのステファン・ブラックストーン・ムーア氏は、犬の輸入が規制されることにより、今後は猫の市場により魅力が増すかもしれないと言います。

価格の高騰と犬の輸入規制により、猫に目を向ける悪徳販売業者が増えるかもしれません。

貨物コンテナに詰め込まれ輸入

Cats Protectionでは、ドイツからパスポートもなくワクチン接種すら受けずに英国に持ち込まれた生後8週間の子猫ナラを保護したこともありました。

またある時は、ハンガリーからトラックに乗せられて密輸された4匹の怯えた子猫が国境検問所で発見されたこともあります。

これらの子猫たちは水も食べ物もない貨物コンテナの中に閉じ込められており、もう少し発見が遅ければ悲惨な結末を迎えていた可能性もあるそうです。

現在当局は、猫への適用範囲拡大を含めた違法輸入取締りの追加提案に関する相談事項への回答を分析中だそうです。

たしかにこれだけペットを飼う人が増えたことを考えると、猫の違法輸入や販売についても厳しく取り締まる必要があるのかもしれません。