国民の99%が支持│迷い猫根絶のため、イギリスで「猫のマイクロチップ装着義務化」を検討

2022年からの猫のマイクロチップ装着義務化を検討

イギリスでは、来年から猫のマイクロチップ装着が義務化される可能性が浮上しています。

この装着義務化の検討は政府の調査により、国民の99%が猫のマイクロチップ装着の義務化を支持している、ということが明らかになったのを受け始まりました。

ただし、マイクロチップ装着を義務化する前に政府は、「獣医師、猫の飼い主および関連団体に対しマイクロチップの装着義務化が妥当であるか否か」について意見を求める期間を2カ月間設けています。

イギリスの猫の福祉団体Cats Protectionによると、現在マイクロチップを装着していない猫の数は猫総数の26%にあたる推定260万頭です。

また同団体の報告では、2018年に譲渡センターに連れてこられた迷い猫の8割にマイクロチップを装着されてないとのこと。そのため、飼い主が見つかるまでに時間がかかったり、場合によっては飼い主を見つけられないこともあるそうです。

犬へのマイクロチップ装着はすでに義務化

ちなみに、イギリスでは犬のマイクロチップ装着については2016年より義務化されており、現在約900万頭の犬にマイクロチップが装着されています。

マイクロチップは米粒ほどの大きさでそれぞれに固有のシリアルナンバーが付いており、これを猫の皮膚の下に埋め込んでおくと、万が一迷子になった際にスキャナーでシリアルナンバーを読み取って猫の身元を確認することができるのです。

マイクロチップ装着義務化に伴う問題とは

Cats Protectionの責任者であるジェームズ・イーツ氏は、「マイクロチップの情報のおかげで飼い猫が戻ってきたという飼い主の嬉しい報告が多く届いている」と言います。

また、動物保護団体Battersea Dogs and Cats Homeの副最高責任者であるピーター・ローリー氏も猫のマイクロチップ装着義務化を支持するひとりです。

ローリー氏によると、明らかに飼い猫とみられる迷い猫を毎日のように目にするものの、マイクロチップが装着されていなかったり、マイクロチップに登録された情報が古いものであったりしたために飼い主が見つからないケースも多くあるとのこと。

一方、英国獣医師会の上席副会長であるダニエラ・ドス・サントス氏は、「猫のマイクロチップ装着義務化の制定についてはその目的が明らかでなければならず、施行にあたっては十分な予算投入が必要である」と言います。

飼い猫のマイクロチップ装着はすべての飼い主に推奨されますが、実際の義務化の施行は複雑な仕事となるため十分なリソースが必要です。

義務化を施行する前に、政府は国内の複数のデータベースがもたらす問題に対処し、野良猫をどのように管理するかも検討しなければならないと、サントス氏は考えます。

日本でも2022年からペットのマイクロチップ装着が義務化される予定ですが、やはりイギリスでもマイクロチップ装着義務化の流れは避けられないようですね。