【米国】パンデミックのペット需要でフードの品薄続く|療養食も入手困難・つのる飼い主の不安

アメリカ各地で発生するペットフードの品薄状況

新型コロナによるパンデミック中に多くの人々がペットを飼い始めたことにより、アメリカ各地で缶入りペットフードの不足や工場での生産遅滞が起き始めています。

テネシー州メンフィスのミッドタウンにある中央動物病院のジェニファー・カーンズ獣医師によると、多くの人々がこのペットフードの品薄状況を不安に思っているとのこと。

現在、多くのペット用品店やスーパーでは、ペットフード商品の品揃えがまばらで処方ペットフードも入手が難しくなっています。

ペットの犬や猫がアレルギー肌であったり胃腸に問題があったりして特別な食事が必要な場合でも、そのためのフードを入手するのは困難です。

また、尿路疾患用のフードも猫にとって非常に重要ですが、こうした商品も入手できるフレーバーが限られており、もはや全種類入手するのは難しいでしょう。

需要の高い大手ペットフードメーカーでも安定供給に苦心

大手ペットフードメーカーのロイヤルカナンでも、新型コロナによる世界的危機の影響で需要を満たす量の製品供給ができない状況であり、現時点では通常のペットフードの供給よりも、健康と福祉のためのフードを優先的に供給できるようにするそうです。

そのため、今後数カ月にわたり一般的なペットフードが入手困難になる可能性があるとのこと。

前述のカーンズ医師によると、同社は2022年春先までに製品ラインを縮小して供給を継続するという話ですが、中には完全に販売を中止してしまう製品もあるようです。

やむを得ずフードを切り替える場合は注意が必要

「フードの不足を補うために手作りペットフードを与え始めた飼い主もいます」と、カーンズ医師は言います。

とはいえ動物栄養士と共同でフードを作る場合は問題ありませんが、初心者がひとりでフードを手作りすると適切な栄養バランスを維持できない場合があるためあまり望ましくありません。

また、カーンズ医師はフードを徐々に別のフードに切り替えることを勧めています。

「最初の5~7日間はこれまでのフードと新たなフードを5対5の割合で与え、その後1週間かけて徐々に新たなフードに移行するとよいでしょう。急にフードを切り替えるとお腹を壊したりするペットもいるため注意が必要です」と、医師はアドバイスします。

いずれにしても、アメリカ国内の飼い主を悩ませるペットフード不足は当分続きそうです。