ロシアでペットフードの売上げが右肩上がり
ロシアでは、2021年1月~8月までのペットフード売上高が前年の同時期と比べて8.3%増加し、1030億ルーブル(約1500億円)となりました。
ペットフードメーカーのマースペットケア副社長アナスタシア・ティモシーナ氏が報告した市場調査結果によると、物理的にはロシアのペットフード市場は44万5000トンを売り上げ、2020年の同時期と比べて5.5%の増加となっています。
2020年は、コロナの感染拡大防止の影響でロックダウンが施行され売り上げが伸びませんでしたが、2021年はペットフードの需要が急増しました。
こうした売上げの増加は、昨今のペットを人間化するトレンドが一因でもあるとのことです。
猫の飼い主の80%および犬の飼い主の52%が、すぐに食べられるペットフードをペットに与えていると推定され、その数は増加傾向にあります。
加えてロシアのペット数も増加。現在ロシアにいる飼い猫と飼い犬は、合わせて6350万頭にも上ります。
この数は3年前と比べて1210万頭の増加だそうです。
巨額を投じて生産規模の拡大を図るペットフードメーカー
さらに「猫・犬」の需要増加に伴い、生産規模の拡大を図る国内ペットフードメーカーもあるようです。
ペットフード販売会社のネスレピュリナペットケアは、先ごろ120億ルーブル(約175億円)を投じて、カルーガ地区にある工場の生産規模拡大を発表しました。
これにより犬と猫のウェットフードの生産量を増やし、完成した製品を保管する倉庫を拡張するとのこと。
このプロジェクトは2023年半ばまでに完了する予定です。
ネスレ社は、2020年から2023年までに合計で220億ルーブル(約322億円)をカルーガ地区に投資することになります。
同社のノヴォシビルスク支社で実施されている別のプロジェクトも合わせると、ネスレ社のロシアでの投資額は320億ルーブル(約468億円)にも上るそうです。
一方、ペットフードの輸入に関しては原材料の安全性などに関する懸念から、いくつかのEU加盟国やアメリカ、カナダなどからの輸入がロシア連邦動植物検疫局により制限されています。