猫の命を守るために立ち上がった一人の女性
米国ノースカロライナ州ユニオン郡に住むバレリー・マクベイさんは、現在生活のほぼすべてを猫の保護活動に費やしています。
以前は自分が猫好きであるとは思っていなかったという彼女は、数年前、動物シェルターでボランティアの仕事をしました。
その際、施設の動物数過密であったり、引き取り手がいない、そして怪我や病気にかかっていたなどの理由から多くの猫が殺処分となっていることを知りました。
現在、マクベイさんは精力的に猫の保護活動と里親探しを行っています。「中途半端な気持ちではできません」と話し、毎日猫の世話に約16時間も費やすそうです。
これまでに約5,000匹の猫をケア
マクベイさんが立ち上げた非営利団体「Cat Coalition of the New South」は、毎月数百匹もの猫を収容して避妊・去勢手術やワクチン接種、その他の医療ケアなどを猫に施しています。
ワクチン接種は一月に少なくとも100回、時には200回ほど行うこともあるとのこと。
こうした活動の多くはたいてい彼女一人で行うか、あるいはマクベイさんの姉妹やボランティアスタッフと一緒に行います。
約7年前に猫の保護活動を始めて以来、マクベイさんはこれまでに推定5,000匹以上もの猫を助けてきました。
多くの保護施設や地元住民の救いとなる精力的な活動
マクベイさんの活動の噂は次第に広まり、いつしか郡の動物シェルターからも協力を求める連絡が来るようになりました。
現在では、ノースカロライナ州内だけで15の郡の施設に協力しているそうです。
Cat Coalition of the New Southではシェルターの保護猫のほかに、一般家庭で飼えなくなった猫や野良猫も引き取っています。
こうした猫たちは、避妊・去勢手術やワクチン接種、その他の医療ケアを受けた後、最終的にアメリカ北東部にある「殺処分を行わないシェルター」に送られます。
マクベイさんによると、この7年間でバージニア州、メリーランド州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ペンシルベニア州など約10の州に猫を送ったそうです。
地元の人々も支援
また、彼女は猫の保護活動をしている地元の人々も支援します。
バーバラ・ロビンソンさんもその一人で、彼女は近所の野良猫が増えすぎて対処に困っていましたが、マクベイさんの協力を得て、何カ月もかけて近所の野良猫に避妊・去勢手術を施しました。
現在、ロビンソンさんはこの恩返しとして、マクベイさんの施設でボランティアとして働き、猫の狂犬病ワクチンの証明書や術後の指示書などの医療記録を整理しています。
猫の保護活動に自身の財産も迷わず投入
マクベイさんは時間と情熱以外に、20万ドル(約230万円)以上の資金を猫の保護活動に費やしています。
彼女が費やした資金には最近他界した両親が遺した遺産も含まれていますが、マクベイさんの母親もまた、野良猫を放って歩き去ることのできない人だったそうです。
最近、マクベイさんは約30年間使用されていなかった古い精肉工場を買い取って、猫のシェルター兼本部として改装しました。
マクベイさんは、「このシェルターに収容される猫を自分の猫のように大切に扱っていることを誇りに思っている」と言います。
Cat Coalition of the New Southは最近ようやく非営利団体として承認されたため、マクベイさんはこれにより寄付金が増え、同団体の経済状態がいくらか楽になればと願っています。
また今後、シェルター施設の一室を避妊・去勢手術用の部屋に改装できればとも考えています。
多くの人が認める地域猫への貢献
マクベイさんの献身的な活動には他の動物保護施設のスタッフもとても感謝しています。
動物保護施設「Humane Society of Charlotte」のエミリー・クックさんによると、マクベイさんの熱心な活動により、2021年だけで同施設のオス猫187頭、メス猫270頭に避妊・去勢手術を施すことができたそうです。
「猫の健康と福祉に貢献する彼女の活動のおかげで、地域猫の増加も抑えられています」と、クックさんは話されます。
猫たちを守るために生活の大部分を費やし、保護活動にひたむきに取り組むマクベイさん、本当にすごい人ですね。