【米国】懸念されたペット飼育放棄増えず|新型コロナのロックダウン明けてもペットは家族

パンデミック以降に急増したペット飼育人口

米国では、新型コロナのパンデミック中に多くの人々が犬や猫を飼い始めました。

アメリカペット製品協会(APPA)の調査によると、パンデミックが起きて以降ニューヨーク市の人口に匹敵する900万頭の犬が新たに家庭に迎えられ、米国における飼い犬の総数は約1億800万頭となりました。

まさにアメリカ人の3人に1人が犬を1頭飼っていることになります。

一方、ここ数年で猫を飼う人も急増し、米国の飼い猫の総数は約7900万頭です。

ただし実際のところ、これらのペットの数は大まかな推定値にすぎません。

ペットの飼育は概して家庭の出費やアメリカ経済にも大きく影響するため、獣医師団体やペットフードメーカーなど複数の団体がこうしたデータを得ようとしているのです。

懸念される犬や猫の放棄急増

犬や猫を初めて飼う飼い主は、ペットをケアするのに必要な準備が十分に整っていない場合もあるでしょう。

パンデミック中に新たにペットを飼い始めた飼い主は、このような飼い主が多いのではないかと懸念する動物福祉団体もいます。

また、パンデミック中もリモートで仕事を続けていた人は、パンデミック後に職場に戻ることになりペットを手放なければならないかもしれません。

さらに、アメリカではパンデミック中に失業した人も多く、こうした飼い主は新たに迎えたペットを飼い続けるのは難しいと言えます。

ペットの維持率は意外に高いことが明らかに

米国カニシアス大学とアメリカ動物虐待防止協会の共同研究チームによる調査研究では、ペットの維持率、すなわちパンデミック中にペットを飼い始めた飼い主のうち、パンデミック後もペットを飼い続けている飼い主がどの程度いるかに注目しています。

2021年5月に行ったこの調査によると、パンデミック中に新たに引き取られた犬や猫のほとんどは現在も同じ飼い主の元にいるそうです。

この裏付けとして、動物シェルターの国内データベースでは放棄される犬や猫の数に大きな増加は見られません。

全体として、パンデミック中に新たな家庭に迎えられた犬の90%および猫の85%は現在も同じ家庭で飼われています。

予想に反して犬や猫の維持率が高いのは喜ぶべきことかもしれませんが、オミクロン株の感染が拡大する中で今後どのように状況が変化するかも気になるところですね。