猫としては珍しいベテラン献血ドナーがヒーローペット賞に入賞
イギリスのハートフォードシャーに住むマンディ・パネルさんとそのパートナーであるトーマス・ミルズさんは、飼い猫のウィーズリーと飼い犬のスポックを定期的に献血させています。
看護系教員として大学に勤務するマンディさんは、本年2021年に動物の献血ドナーの存在をもっと多くの人に知ってもらいたいと考えます。
そこで、より多くの人に「献血ドナー」の存在を知ってもらうため、ペット保険会社Petplanが主催する「PetPlan Pet Awards」のヒーローペット部門に猫のウィーズリーをエントリーさせました。すると見事入賞を果たします。
マンディさんによると、動物の献血ドナー、特に猫の献血ドナーがいることを知っている人はあまりいないそうです。
「イギリスは動物愛護の国であり、飼い主同士お互いに助け合っています。他の誰かのペットを救うことができるのはとても素晴らしいことです」と、彼女は言います。
猫の怪我がきっかけで始まった献血活動
2015年にマンディさんとトーマスさんが住居を構えたとき、まだウィーズリーは飼われておらず、スポックともう1匹の犬が飼われていました。
スポックは子犬の頃からトーマスさんに飼われており、もう1匹のバンジョーは残念ながら2017年に亡くなってしまいました。
ウィーズリーは、マンディさんの31歳の誕生日を迎えた2016年11月に贈られた子猫でした。
そんなウィーズリーは2018年のある夏の日、左後ろ足に怪我を負って帰宅します。おそらく外で喧嘩をしたと見られ、足には切り傷や肉のえぐれた部分がありました。
遅い時間だったため、マンディさんは時間外診療を行っている王立獣医科大学へウィーズリーを連れて行き手当をしてもらいます。
ウィーズリーの治療が終わるのを待つ間、マンディさんは動物の献血ドナーを募集する張り紙を目にしました。彼女はそれまで動物の献血ドナーがいることを知りませんでした。
熟練の看護師であるマンディさんは献血の重要性を知っていることから、ウィーズリーを献血ドナーとして登録することに決めます。
献血をするには、直近8週間何の薬物も投与されていないことが条件となるため、ウィーズリーは怪我をしてから3カ月後に初めての献血を行うことになりました。
猫の場合は3~4カ月に1回献血することができ、ウィーズリーは現在すでに10回もの献血経験があるそうです。
12週間おきに献血
現在、マンディさんは12週間おきに献血のため、ウィーズリーを連れてくるよう連絡を受けます。献血の際は、獣医師による健康チェックを受け被毛を一部剃って血液を抜き取ります。
マンデイさんはウィーズリーを病院に預けて行き、献血が終わりスタッフから連絡が来た後に迎えに行きます。
猫は身体が小さく犬ほど回復が早くないため、献血の後に静脈から水分補給を行います。実際の輸血の所要時間は10分ほどですが、マンディさんは3~4時間後にウィーズリーを迎えに行くそうです。
また、輸血を行う際はその動物が輸血ドナーに適しているかどうか事前に評価を行います。
優秀で優しいスタッフのおかげで献血がスムーズに
マンディさんは曰く、「動物献血サービスの素晴らしいところは、スタッフが動物に対しとても優しいことです。彼らはまず動物を評価してその気性が献血に適しているかどうか、献血により過度にストレスがかからないかどうかを事前に確認します」とのこと。
ウィーズリーは非常に落ち着いているため、ドナーとして最適だそうです。
献血スタッフは動物を落ち着かせるのが非常に上手です。また献血するペットを心配する飼い主に対しても丁寧に対応します。
「輸血用の血液があればペットを救うことができるのに、必要な血液が手に入らない飼い主がいると考えるととても悲しくなります」とマンディさんは話します。
猫の献血について知っている人は非常に少ないため、今回のPetPlan Pet Awardsは認知度を高めるのにうってつけの方法だと考えたマンディさん。
さらに、ウィーズリーは真のヒーローであり賞を受賞するのにふさわしい猫です、と誇らしげに語ります。