あとを絶たない密猟「マダラヤマネコ」もターゲットに|グアテマラ野生動物保護プログラム最前線

絶滅危惧種マーゲイを含む14頭の野生動物が自然保護区に

グアテマラで今年9月24日、野生動物の売買業者から1頭のマーゲイ(別名マダラヤマネコ)が保護されました。

そして数週間のリハビリを経て、グアテマラのマヤ生物圏保護区内にある「ヤクスア=ナクム=ナランホ国立公園」に放されました。

グアテマラ国内各地で寄付、保護、あるいは捕獲された野生動物を自然に放すこうした取り組みは、野生動物の保護活動を行う非政府組織「Wildlife Rescue and Conservation Association(ARCAS)」と「Humane Society International(HSI)/Latin America」が行っています。

2007年より活動開始、様々な動物を保護

ARCASとHSI/Latin Americaは、2007年よりグアテマラの野生動物の保護活動に共に取り組んできました。

今回放された野生動物はマーゲイのほかに、「ニシアメリカフクロウ(3羽)、アライグマ(3頭)、オオハシノスリ(3羽)、サンショクキムネオオハシ(1羽)、サソリドロガメ(2頭)、カミツキガメ(1頭)」を含む計14頭です。

また今年に入ってすでに61頭の野生動物が、同団体によりこの国立公園に放されました。

その中には「モレレットワニ(24頭)、コヨーテ(6頭)、アライグマ(8頭)、オポッサム(5頭)、ハナグマ(4頭)」が含まれています。

違法売買の被害に遭った野生動物を保護してリハビリ

1991年にグアテマラのペテンに開設されたARCASの野生動物保護センターでは、違法売買の被害などに遭った野生動物の医学的・動物行動学的なリハビリプログラムが動物種ごとに開発。

リハビリ後に、野生動物たちをマヤ生物圏保護区に放すための活動が行われてきました。

動物たちはARCASの保護センターで治療やリハビリを受けたあと隔離され、獣医の評価を受けた上で国家保護区委員会のガイダンスに従って自然に放されます。

保護動物たちの保護活動を積極支援

グアテマラのHSI局長であるMauricio Mota氏いわく、

「人間の人口が増えるにつれて人間と野生動物が頻繁に遭遇するようになり、動物たちは土地開発や違法売買などの脅威にさらされています。だからこそ私たちは、動物たちのリハビリを行い、再び自然に返すというARCASの活動を積極的に支援する」とのことです。

ちなみに、マダラヤマネコとも呼ばれるマーゲイは木登りを得意とし、密林での生活にとても適しています。しかし森林開発や違法売買などで個体数が確実に減っており、現在は絶滅危惧種に指定される野生猫です。

マーゲイをはじめとする貴重な野生動物たち。その動物たちが減っていくことを危惧した、こうした保護活動を日本からも見守っていきたいですね。