米国で広がる「猫の抜爪手術」禁止の流れ
日本ではあまり知られていませんが、欧米では猫の爪を取り除く手術「抜爪手術」が一般に浸透しており、一方で近年では動物愛護の観点からこうした手術を法令で禁止する流れがあります。
アメリカではニューヨーク州をはじめ、サンフランシスコ、セントルイス、デンバーなどの多くの都市で、またカナダのほとんどの州やその他世界の42以上の国で猫の抜爪手術が禁止されているのです。
そして先頃9月30日には、アメリカのペンシルベニア州ピッツバーグでも猫の抜爪手術を禁止する条例が正式に交付されました。
ペンシルベニア州でこの抜爪禁止条例が施行されるのはピッツバーグが初めてだそうです。
猫の抜爪手術とは?
日本では猫の抜爪手術自体があまり知られておらず、こうした手術を禁止する法律はありませんが、では猫の抜爪手術とはいったいどのような手術なのでしょう。
この手術では猫の爪が永久的に生えてこないよう、指先の第一関節から先を切断してしまいます。
これにより、猫はかなりの痛みを強いられることになり、さらに歩行時に上手くバランスを取れなくなったり、猫用のトイレで用を足さなくなったり、身を守る術がなく不安なために噛みつきやすくなったりと、様々な問題が見られるようになります。
また、こうした問題が原因で保護シェルターに持ち込まれ、最終的に殺処分されてしまう猫もいるのです。
抜爪手術は猫にとって「メリット無し」
抜爪手術を行う理由は、飼い猫に引っかかれて痛いから、または家具で爪を研がれると困るからといった人間側の都合によるもので、手術自体には医学的なメリットは何もありません。
米国やカナダでは、獣医師の10%が抜爪手術に反対する立場を取っており、主要な病院チェーンでも抜爪手術を禁止しているところが多いそうです。
したがって、今後も猫の抜爪手術を禁止する流れが広まっていくことが大いに予想されます。
《参考URL》
https://www.alleycat.org/pittsburgh-considers-cat-declawing-ban/