人間が熱いものを食べられるのは進化の中で火を使うことを覚え、調理したり温めたりしたものを食べるという習慣が生まれたからです。
長い時間をかけて徐々に舌が熱さに慣れていったため、出来立ての料理を食べたり熱々の飲み物を飲んだりすることが可能なのです。
一方、猫はもともと野生の肉食動物でした。
野生動物は人間と違って火を使って調理しませんので熱々のものを食べるような機会はありません。
最も温度の高い食べ物は、狩りをして捕まえた獲物でしょう。湯気が立つほど熱い食べ物は自然界には存在しないので、猫の舌が熱さに耐性がないままなのも当然です。
他の動物も同じ理由で、熱い食べ物は苦手のようです。猫と同じくらい人にとって身近な動物である犬も、猫舌の傾向があります。
猫舌の由来
ではなぜ「犬舌」ではなく「猫舌」という表現をするのでしょうか?
「猫舌」という言葉が生まれたのは江戸時代だと言われており、当時は「犬舌」という表現も同じ意味で使われていたとのこと。
しかしその時代は猫の方が犬よりも人にとって身近な動物だったため、「猫舌」が定着して「犬舌」という言葉は次第に消えていってしまったようです。
いかがでしょうか? 猫が猫舌なのは野生動物だった名残のためです。
食べ物は温めた方が香りが良くなるので、キャットフードを電子レンジで温めてから与えているという飼い主さんも多いでしょう。
もちろん温かいごはんが好きな猫もいますが、熱々にしたキャットフードは火傷の危険もあるので少し冷ましてからあげてください。
猫は舌ではなく鼻で食べ物の温度を測っているので、キャットフードに鼻先を近づけて食べずに離れていった場合は「熱すぎて食べられない!」と判断している可能性があります。
そのようなときは冷ましてからもう一度あげるようにしましょう。