【米国】ラッパーが猫保護活動家に転身|猫の福祉に貢献し、”2021 Cat Advocate of the Year”を受賞!

ラッパーから転身、現在は猫の保護活動にフル従事

2021年10月、フルタイムの猫保護活動家であり元ラッパーとしても知られるスターリング・デイビス氏が、「2021 Cat Advocate of the Year」を受賞しました。

同賞はアメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)が主催する賞で、毎年猫の福祉に大きく貢献した動物保護活動家に対し贈られます。

以前は、ラッパーとしてアトランタを拠点にライブツアーなどを行っていたデイビス氏。そんな氏が、ある日猫のトイレ掃除のボランティアを募集する広告を目にし、暇つぶしでその仕事に応募したそうです。

ですが、このボランティア活動をきっかけに猫の保護活動に目覚めた彼は、この活動に専念するために華々しい音楽キャリアを断念。2017年に自身の非営利団体「TrapKing Humane Cat Solutions」を設立します。

2021年には、Netflixのドキュメンタリー番組「Cat People」でもデイビス氏の活動が取り上げられました。

猫の保護活動家としては希少な存在

デイビス氏によると、たいていの人は「TNR」が何を意味するかも知りません。

ですが、「捕獲して(Trap)、去勢/避妊手術を行い(Neuter)、元の場所へ戻す(Return)」という活動を行うこのTNRは、野良猫にとって最悪の結末である「死」を回避するための最も人道的な選択肢であると彼は言います。

猫の保護活動に対しては多くの偏見の目もあり、こうした活動をしている人は「猫気ちがい」のように思われることもあるそうですが、実際には大変な仕事です。

また、デイビス氏のような経歴を持つ人が猫の保護活動を行うのは珍しいかもしれませんが、実際には彼のような人も多くTNR活動に参加しています。

デイビス氏は、アトランタ以外にもロスアンゼルスやフィラデルフィア、ミネアポリス、デンバー、デトロイトといった多くの都市でTNR活動を展開しており、今年の春には海外へ渡りギリシャでもTNRプログラムを実施する予定です。

猫だけでなく人間を支援するための活動も

一方、デイビス氏は猫だけでなく人間の支援にも力を入れており、TNR活動を通じて黒人コミュニティと圧倒的に白人が多い動物保護団体との距離を縮めるための橋渡しも行っています。

「なぜ黒人コミュニティと動物保護団体との間に距離があるのか。そこには様々な要因が関係している」と、彼は言います。

行政や医療制度によるサービスが十分に行き届いていないコミュニティは教育面や経済面において遅れをとっているのです。

団体としての活動が評価される

そこでデイビス氏はTNR活動に焦点を当て、教育やサービスを最も必要としているコミュニティを対象に啓発活動を行い、サービスを提供しています。

信頼を築くため、彼は動物福祉会議でも頻繁に発言しており、さらに黒人、先住民族および有色人種が運営する、動物とすべての人間の福祉を支援する団体「CARE」とも密に協力しているそうです。

こうした猫や人間に対するデイビス氏の絶え間ない支援活動を高く評価したASPCAは、2021年のCat Advocate of the Yearの受賞者として彼を選出しました。

SNSでこのニュースを発表したデイビス氏は、「私がすることや成し遂げることは常に私だけではなくみんなでやり遂げていることです。猫を捕獲する人たち、里親、動物看護士、獣医師、猫を迎え入れてくれた飼い主、いろいろなことを教えてくれた素晴らしい女性たち、寄付してくれた人や宣伝してくれた人、継続して活動を支援してくれる人、みんなありがとう!」とコメントしています。