サトウキビ畑で発見されたサビイロネコの仔
2021年11月19日、インドのプネーを拠点に野生動物の保護活動を行う非営利団体「レスキュー・ワイルドライフ」のチームは、迷子になったサビイロネコの仔を母猫と再会させることに成功しました。
サビイロネコはインド南部やスリランカなどに生息する「世界で最も小さい猫種」のひとつです。
11月19日の夕方頃、このサビイロネコの生後1カ月ほどの仔猫が、プネー地区にあるアランディという町付近のサトウキビ畑で発見されました。
レスキュー・ワイルドライフのチームは、仔猫を母猫と再会させるためすぐに現場へ向かいます。
母猫が見つかる可能性は、仔猫を発見後24~48時間以内が最も高いのです。
仔猫を使った作戦
獣医師が仔猫の健康状態を確認している間、残りのスタッフは現場を調査してライブカメラを設置。その後子猫を小型で安全な囲いの中に入れます。
スタッフのシャードゥル・サルビ獣医師によると、仔猫は健康で活発なため大きな物音を立てさせて母猫に見つけさせるのが狙いだそうです。
そして5時間後、仔猫を探して鳴きながら出てきた母猫は、仔猫を見つけると素早く捕まえてサトウキビ畑の中へ消えていきました。
作戦の成功には地元住人の協力が不可欠
スタッフの一人、リハビリ療法士のシュリーナス・チャブハン氏によると、「今回の作戦が成功したのは地元の住人の協力が大きかった」とのこと。彼らは捕獲した仔猫を指示通りに扱ってくれました。
実際、多くの人はこうした動物に不要に触り過ぎて動物に大きなストレスを与えてしまう傾向があります。
チームが現場に到着するまで仔猫を安定した状態に保つためには、仔猫を適切に扱うことが非常に重要でした。
一方、「レスキュー公益財団」の創立者であるニーハ・パンチミア氏によると、「現在同団体はサビイロネコに関する情報を収集している」とのこと。
これまでサビイロネコはインド半島にまばらに分布していると考えられていましたが、最近では人間が支配する農業地区でも繁栄しており、他のより大型または小型の猫種と共存しているそうです。