猫舌の由来はどこから?
猫は熱いものが苦手
猫舌の語源は諸説ありますが、猫舌は江戸時代に生まれた言葉だと言われております。猫舌は単純に、猫が熱いものを苦手としていることが由来になっていると考えられています。ちなみに猫舌という言葉は、日本独自の表現の一つで、英語で「猫舌(cat tongue)」と言っても意味は通じません。
猫は本来、獲物を捕獲して食べる肉食動物です。自然界においては、捕まえた獲物の体温よりも高い食べ物は存在しておらず、熱いものを口にする習慣がありません。また口の中をやけどすると、餌を食べることが難しくなり、生死にも関わります。
そのため猫を始め動物は、基本的に熱い食べ物を口にすることができないと言われています。
猫は人間に身近な動物だからこそ
江戸時代、猫は愛玩用やネズミを捕まえるために家の中で飼われていました。人間とともに生活をしていたため、猫は人間にとても身近な存在であったと言えます。このような由来から、猫にまつわる熟語や慣用句はたくさん生まれたとされています。
人間から与えられた食事を冷めてからしか食べない猫の姿からも、猫は熱いものが苦手だということが広く知られるようになりました。人間と猫の密接した関係が「猫舌」という言葉を生んだとも考えられるでしょう。
猫が猫舌の原因
猫は体温の冷却が苦手
猫舌の由来となっている、猫が熱いものを苦手としている原因は、猫には汗腺がなく体温が上昇しても汗をかくことができないため、という考えがあります。猫を含むネコ科の動物を始め、犬などの汗をかかない動物は、体温の冷却が苦手なために熱い食べ物を好まないとする説があります。
猫の舌は敏感
猫舌の由来から考えられるもう一つの原因には、猫の舌の表面には味蕾(みらい)と呼ばれている味覚を感じる神経が集まっているということが挙げられます。
味蕾は人間やほかの動物にもある器官ですが、その中でも猫の味蕾は特に敏感だとされています。そのため、猫はちょっとした熱や、極端に冷たいものに過敏に反応すると言われています。
一説によると、猫は舌ではなく鼻で吸い込んだ空気を感じ取り、食べ物の温度を判断しているとも考えられています。
猫に関する雑学、トリビア
猫舌の由来のほかにも、猫に関する雑学や驚きのトリビアを紹介していきます。
猫が人間に飼われ始めたのは紀元前2000年代
「人間が猫を飼っていた」という事実が、紀元前2400年代~2300年代のエジプト、第5王朝の遺物の記録から確認されたそうです。この遺物には首輪を付けた猫の絵が描かれており、王様と思われるくらいの高い人間に飼われていたと推測できます。
794年〜1185年に当たる平安時代の書物「日本霊異記」は、猫が登場する日本最古の文献とされています。記録に残っている限り、日本は世界と比べ人間が猫を飼うようになってからの歴史が浅いようです。
ほとんどのオス猫は左利き?
猫に限らず、犬や馬のオスには左利きが多いというデータがあります。諸説ありますが、男性ホルモンのテストステロンが左利きと関係しているのではないかと考えられています。その中でも、猫はオスとメスの神経構築が異なっていると推測され、性別で利き手に差があることが明らかになっています。
猫はネズミの会話を聞いている
ネズミは人間のようには言葉が話せませんが、同種のネズミに会うと人間には聞こえない超音波を出して会話をしています。肉食獣の中でも猫は、ネズミの出す超音波を聞き取ることができるとされ、そのためネズミを捕まえることに長けているとされています。
猫は元々は魚を食べていなかった
猫の大好物といえば「魚」を思い浮かべる人もいるでしょうが、実は古代の猫は魚を食べていませんでした。
猫は水をとても嫌うため、自分から水場に近寄って魚を捕獲することはありえないとされています。現在でも海外の猫は魚を食べません。日本の猫が魚を食べるようになったのは、昔の日本人が魚の残りを与え、それを食べる姿から猫は魚が好きだ、と勘違いしただけだと考えられています。
また猫に魚を与え過ぎると黄色脂肪症(イエローファット)という病気になる可能性もあり、魚ばかり与える食事が猫によいとは言えません。特に不飽和脂肪酸が多い青魚を大量に与えるのは避け、バランスの取れた食事を心がけましょう。
まとめ
猫舌の由来は、猫が昔から人間に飼われていたことや、熱い食べ物が苦手なことが関係していると言われてます。猫だけではなく、ほかの動物も熱いものが苦手であり、人間だけが熱い食べ物に対して適応してこられた、ということもわかりました。
世界には、こういったたくさんの猫に関する由来や雑学、トリビアが存在しています。ぜひ楽しんで調べてみてください。