猫の主食となるもののトリビア
猫がよく食べるというと肉類や日本では魚類ですが、実はこの食べ物に関するトリビアが猫には存在しています。その内容とは、どのようなものでしょうか。
1.猫は完全な肉食で植物性のものは食べない
猫が肉食動物であるのは誰もが知っていますが、肉食でも熊や犬などは果物や穀物も食べる雑食性のある肉食です。
飼われている猫に与えられるキャットフードの中には穀物を含んでいたり、猫草を食べている猫もいるので雑食性と考えている人もいますが、猫は炭水化物を分解する酵素を少量しか体内に持っておらず、主にたんぱく質である肉を栄養源としてきた完全な肉食の動物です。
人間に飼われるようになったので肉に混ざった穀物も食べるようになりましたが、野生では普段は植物性のものを食べることはないと考えられています。
野生の猫でも柔らかい雑草を食べている光景を見かけますが、これは胃の消化を助ける意味で口にしているだけで、猫の栄養分にはなっていないのです。
猫には甘味を感じる味覚がありません。穀物や果物を食べることを必要としないため、それらに含まれる甘味を感じる必要がないからと考えられます。
2.猫は元々魚を食べていなかった
猫の大好物というと魚を思い浮かべる人が多いと思いますが、実は古代の猫は魚を食べていませんでした。これは多くの猫が水をとても嫌うことでもわかりますが、自分から水に近寄ることがなかったので魚を捕獲することなどあり得ないからです。
海外の猫は今でも魚を食べませんが、日本の猫が魚を食べるようになったのは昔の日本人が食べていた魚の残りを与えて、それを食べるので猫は魚が好きだと日本人が勘違いしているだけなのです。
実は猫に魚を与え過ぎると黄色脂肪症(イエローファット)という病気になる可能性があり、魚ばかり与える食事というのは猫にとっていいとは言えません。
黄色脂肪症とは猫が魚を食べ過ぎて体内で不飽和脂肪酸が過剰に蓄積し、皮下脂肪が酸化して炎症を起こす病気であり、特に青魚には不飽和脂肪酸が多いので青魚を大量に与えるのはとても危険です。
3.猫は昆虫も食べる!?
猫を飼っていると虫と戯れているところを見ることがありますが、これは虫で遊んでいるのではなく捕食するために捕まえているのです。
ただし食感が他の肉類とは違うので、生まれた時からキャットフードを与えている場合では食べられることを知らず、遊ぶだけで放置してしまう場合もありますが、食べてしまうこともあるでしょう。
古来の猫は昆虫からも動物性タンパク質を摂取していましたが、人間に飼われるようになった猫は昆虫などほとんど食べておらず、衛生面から考えても昆虫を口にするのはいいとは言えないので、現代の猫にはできる限り昆虫を口にしないように飼い主が努めて下さい。
猫に与えてはいけない食べ物とは
動物であっても生活環境が変わると体質が変化してしまうため、飼われていて人間が食べ物を提供する場合では、食べさせてはいけないものが発生してしまいます。
ネギ類は絶対に与えてはいけないというのは知っている人も多いのですが、他にはどのようなものを食べさせてはいけないのでしょうか。
人間の食べ物
飼い猫になると人間の食べ物に興味を持つようになります。そこで素材のままで調味料がかかっていなければまだいいのですが、人間用に味付けがしてあると塩分過多となり、腎機能が優れているがために高齢になると腎臓への負担が大きくなりすぎ腎機能が低下することが多い猫にはよくありません。頻繁に与えていると濃い味付けに慣れてしまうため、人間用に味付けしている食べ物は猫が求めても与えないようにして下さい。
キャットフードばかり食べている猫に生肉を与える
生まれてからキャットフードばかり食べている猫に、突然生肉を与えると消化不良を起こしてしまう可能性があります。自分で肉類を購入して猫に与えるのであれば沸騰したお湯でボイルしてキャットフードにトッピングして与えるのもいいでしょう。
また、豚肉は生で与えないように注意しましょう。
甲殻類やイカ・タコ
魚は好んで食べるので他の海産物でも大丈夫と考える人もいますが、生の甲殻類やイカやタコを与えると、それらに含まれるチアミナーゼという酵素によってビタミンB1欠乏症を起こし神経系統がうまく働かなくなります。
酵素は加熱によって働かなくなるため、しっかりと熱を加えたものを適量であればまだいいのですが、生の魚介類を多量に、または継続的に与えることはやめましょう(魚にもチアミナーゼは含まれます)
まとめ
どんな動物でも飼育するには人間が食べ物を管理する必要があり、ある程度は食べてはいけないものを自分で判断しますが、それが混ぜられていると悪いものだけを取り去るということが猫にはできません。
体内に入ってしまうと吐き出さない限りは出て来ないため、猫に苦痛を与えてしまいます。そのような苦痛を与えないようにするのも飼い主の責任であり、いつまでも元気でいて欲しいのであれば適切な知識を得ることが大切です。