猫は暑さに弱い?
冬の猫はこたつにもぐったり、ヒーターの前でじっとしていたり、寒さが苦手というイメージがあります。では、暑さはどうでしょう。犬のように口を開けて息を荒げているようなこともなく、涼しい顔をしているように見えます。
しかし、猫は体温が高いものの汗をかきません。おまけに、全身に毛皮を着ています。暑くないわけはないですよね。夏場の猫は、だらしなくのびきっていることがよくあります。
猫の涼み方
暑い時、人間のように汗をかいたり、犬のように口を開けている様子のない猫は、どのように体温を下げ、涼んでいるのでしょうか。
1.グルーミング
猫はよく自分の体を舐めて毛づくろいしています。このグルーミングと呼ばれる行動によって、体を清潔に保っているのです。
グルーミングは、体をきれいにするだけではありません。体温調節をするのにも役立っています。猫は、肉球などからしか汗をかくことができません。汗をかかないかわりに、自分の唾液で体を濡らし、その気化熱によって体温を下げています。
体温調節の役目もあるグルーミングは、暑い時だけでなく、寒い時も意味があります。グルーミングで、毛の中に空気を送り込むことで、体温を保つことができるのです。
猫は、よくグルーミングをしていてきれい好きだな、という印象がありますが、グルーミングには体温調節という大切な役割もあるのですね。他には、リラックス効果があったり、血行をよくする効果もあると言われています。
2.涼しい場所を探す
猫は自分で居心地のよい場所を見つけます。冬場は日の当たる暖かな場所やこたつの中などですが、夏でも猫は涼しい場所を見つけます。
家の中なら、玄関や風呂場のタイルの床などです。洗面台や流し台に入って涼んでいる猫も。確かに、ひんやりしてそうですね。他には、ガラステーブルやアップライトピアノの上なども好きなようです。
3.お腹を見せる
暑い時の猫は、だらしないほど体をのばして寝そべっています。それだけでなく、上を向いてお腹を見せて寝ていたり、人間の子どものように万歳をして寝ていたり……くすっと笑ってしまうような格好です。そのように、お腹を出して寝転がることで放熱しています。
4.パンティング呼吸をする
暑い日に、犬が口を開けて舌を出し、ハッハッハッと呼吸しているのを見たことがあるのではないでしょうか。それがパンティング呼吸です。
実は、猫でもパンティング呼吸をすることがあるのです。体温を下げるための行為ですが、猫がパンティング呼吸をしているということは、猫にとって暑さが限界である状態です。早く体温を下げてあげなければいけません。
5.扇風機に当たる
猫は汗をかかないので扇風機にあたって涼しいのかは分かりませんが、扇風機がついていると風に当たりに来る猫も多いです。扇風機の首振りに合わせて、猫が首を振っている姿は、何ともかわいらしいもの。
中には自分で扇風機のスイッチを押してしまう強者も。逆に、扇風機をつけていたら、猫がスイッチを踏んで通って消えてしまった、なんていうこともよくあることです。
扇風機が好きな猫なら、弱めの風で涼ませてあげるといいですね。
羽根にじゃれついたりすると危ないので、カバーをかけるといいでしょう。扇風機のスイッチは、猫がその上を通るだけで簡単に押せてしまいます。留守中はコンセントを抜いておく、在宅中も時々様子を見るなどするといいでしょう。
猫が涼しく過ごせるようにする工夫
猫は、自分で涼しい場所を見つけたり、グルーミングやお腹を見せることで熱を放出しています。それでも、近年の猛暑では限界があります。猫が少しでも快適に過ごせるように、飼い主もできることをしてあげましょう。
市販されているひんやりグッズを利用したり、適度にエアコンを活用しましょう。風を嫌がる猫もいますので、猫がいる場所に風が直接当たらないように気をつけます。エアコンを使う場合、設定温度は28℃くらいのドライモードにし、冷えすぎないよう注意しましょう。
まとめ
猫は暑さに弱い動物です。体を舐めたり、涼しい場所を探して、お腹を見せて寝そべってみたり、猫なりの方法で涼んでいます。
あまりにも暑い時は、ひんやりグッズやエアコンを活用するなどして、猫が涼む手助けをしてあげましょう。年々暑さが厳しくなっています。大切な愛猫が、元気に夏を過ごせますように。