猫の音読み
猫の訓読みは「ねこ」ですが、音読みには3つあります。
ミョウ
猫の音読み[ミョウ]は、漢音(音読みの種類の一種)が日本に導入される以前に日本国内で使われていた音です。仏教用語などは百済から伝わったと言われていますが、いつごろから使用されるようになったのかは定かではありません。
漢音が入ってからも併用されて現在に至っています。古事記、万葉仮名、律令用語には呉音が使用されています。
ビョウ・ボウ
猫の音読み「ビョウ・ボウ」は奈良時代後期から平安時代初期にあたる7〜8世紀ごろに、遣隋使や遣唐使、留学していた僧から持ち帰られた音です。
猫の音読みを使った熟語や言葉
愛猫、愛猫家
愛猫は音読みで「あいびょう」と言います。愛猫は可愛がっている猫のことで自分の飼い猫の事を一般的に言うでしょうか。そして愛猫を可愛がる人の事は「愛猫家(あいびょうか)」と言われます。
成猫
成猫は音読みで「せいびょう」と言います。精神的にも肉体的にもに成長した猫の事です。定かではありませんが、子猫と逆のイメージと思っていただくのが良いようです。
怪猫
怪猫は音読みで「かいびょう」と言います。文字の通り化け猫の事です。
霊猫、霊猫香
霊猫は音読みで「れいびょう」と言います。一つ目の意味がジャコウネコの別名、二つ目の意味は霊的に不思議な猫の事を言うそうです。ジャコウネコはネコ型亜目のジャコウネコ科です。
霊猫香は音読みで「れいびょうこう」と読みます。ジャコウネコ(シベット)の分泌液の事で、薄めて香料として使用されます。香料以外では漢方薬の一つとしても利用されるようです。
猫額大
猫額大は音読みで「びょうがくだい」と言います。
字の通り土地や部屋など狭いことを意味し「猫額大の土地」などと使います。訓読みでは「ねこのひたい」と言いますよね。
斑猫
斑猫は音読みで「はんみょう」と言います。ハンミョウ科の甲虫の総称です。
その他、青斑猫(あおはんみょう)、土斑猫(つちはんみょう)、豆斑猫(まめはんみょう)など細かく呼び名がありますが、基本は2〜3センチの昆虫です。害虫とくくられていますが生薬や発泡剤にも利用されています。森下雨村著作の「青斑猫」という本もあります。
猫睛石
猫睛石は音読みで「びょうせいせき」と言い、猫目石の別名です。
キャッツアイとも呼ばれる一点を中心に二つの方向へ筋が見えるように研磨された金緑石のことです。筋が綺麗に見えれば見えるほど猫目石の特徴が出てきます。
照猫画虎
照猫画虎は音読みで「しょうびょうがこ」と言います。
虎ではなく猫を見本にして虎の絵を描いてしまうという意味で、形だけ真似をして本質をとらえられていないことの例えです。
猫鼠同眠
猫鼠同眠は音読みで「びょうそどうみん」と言います。
悪を取り締まる立場の人が悪を行う人と一緒に馴れ合ってしまい、お互いにかばい合って悪い事をする意味です。
窮鼠噛猫
窮鼠噛猫は音読みで「きゅうそごうびょう」と言い、「窮鼠猫を噛む」ということわざの四文字熟語です。
弱者でも追い詰められて必死になれば、予期していない力をだして、強者を倒すことがあるという意味です。
猫に追い詰められ、どうしようもなく逃げることが出来なくなった鼠が猫に噛みつくという意味より、弱者も追いつめられると火事場の力を発揮し強い者を倒す事もあるという例えです。
赤猫斎全暇
「せきみょうさい ぜんか」と音読みします。
江戸時代中期である、1704年から1736年頃に活躍した生没年は不詳、京都の浮世絵師です。尾形光琳に似た劇画をよく描いていたそうです。姓=正田、通称=五郎四郎、別号=皇都山人と伝わっています。
画猫道人
「がみょう どうじん」と音読みします。
江戸時代中期から後期である、1781年から1801年頃に猫の絵を器用に描いていた絵師ですが生没年は不詳です。名=白僊です。
簾外亭猫翁
「れんがいてい みょうおう」と音読みします。
明治から昭和時代である1842年に生まれ1927年に没した東京の狂歌師で新聞投稿家としても有名だったそうです。本名=中村一能、初号=鍬廼屋一農です。
まとめ
猫の音読みは「びょう」まつわる熟語や単語をご紹介いたしました。
いかがでしたでしょうか?
猫の訓読みの熟語や単語、土地名は多く存在していますが、音読みの言葉はなかなか見つけるのが大変なようです。
「ねこ」という言い方以外「ビョウ、ボウ、ミョウ」などを使用している土地名など見つけられると嬉しくなりますよね。猫という漢字に対して、様々に人はイメージを持っているのですね!