猫は被毛や歯、爪の状態などからおおよその年齢を見分けることができます。年齢ごとに特徴が違うので、その違いを見分け方の参考にしてみてください。専門的な見分け方ではないので、あくまでも「おおよそ」の年齢ですよ。
生後1年までを「子猫期」、1~6歳までを「成猫期」、7歳以降を「シニア期」とします。
子猫期の年齢の見分け方
まずは子猫期の年齢の見分け方です。子猫期の猫は成長がとても激しいので、生まれたのが1ヶ月違うだけで見た目も大きく違ってきます。成猫に比べて、細かい月齢が見分けられるでしょう。
0ヶ月齢
- 被毛はまだ薄くてボサボサ
- 目は開いていない
- 耳も聞こえていない
- 排泄が自力で出来ない
- 一日のほとんど眠っている
生後0ヶ月齢でのポイントは、生後2週間です。生後2週間頃から、目が開き、耳が聞こえ、よちよち歩きを始めます。まだ目も開いていない、歩かない場合は生後2週間未満と判断してもいいでしょう。
1~2ヶ月齢
- 2週齢ほどで目(青色)が開き、耳も聞こえるようになる
- よちよち歩きを始める
- 1ヶ月齢で乳歯が生え始める
- 自力で排泄できるようになる
生後1~2ヶ月齢でのポイントは、乳歯です。乳歯が生え始めていれば生後1ヶ月を経過しており、離乳食を与え始めてもいいとされています。また乳歯が生え揃っていれば、生後2ヵ月頃だと判断しましょう。
3~5ヶ月齢
- 目の色が青色から黄色緑色へと変化する
- 乳歯が生え揃う
- 耳がピンと立っている
- 元気に遊びまわる
生後3~5ヶ月齢では、乳歯が抜け始めているかどうかと、瞳の色が子猫独特のキトンブルーから猫が持つ本来の瞳の色に定着しているかがポイントです。キトンブルーと呼ばれる青い瞳は、生後間もない頃から生後3ヶ月頃までにしか見ることができません。もちろん、遺伝で瞳の色がブルーの場合は別ですが、そうでない場合は目の色が本来の色に定着していれば、生後3ヶ月を過ぎた頃だと判断する事ができます。
6~8ヶ月齢
- 6ヶ月齢の頃には乳歯が抜けて永久歯が生え揃う
- 体が大きくなり、顔つきも大人っぽく凛々しくなる
- サラサラした被毛に生え変わる
- よく遊んで、よく食べて、よく眠る
生後6~8ヶ月齢では、永久歯がポイントです。永久歯が生え揃っていれば、生後6ヶ月を過ぎた頃と判断しましょう。また、個体差はあるものの、猫は平均して生後6ヶ月頃~10ヶ月の間に性成熟を迎えます。
9~12ヶ月齢
- ややあどけなさが残っているが、成猫と同じくらいの大きさになる
- メスは発情期を迎える(オスはメスの発情に呼応する)
品種によって異なりますが、生後1年を迎える頃には、成猫とほぼ同じ大きさになります。また、人間でいう前歯にあたる門歯が抜け始める場合もあります。
成猫期の年齢の見分け方
次は成猫期の年齢の見分け方ですが、成猫になると、子猫期のように見た目での変化では見分けられません。
1~2歳
- 骨格がほぼ形成され、猫として1人前となる
- 白く輝いていた歯がやや黄ばみ始める
- 完全に自立し、遊びのスタイルにも個性が現れる
- 未去勢のオスは発情が盛んになり、凶暴化することがある
3~5歳
- 毛ヅヤが一番良い時期でツヤツヤしている
- 歯には歯石が付着したり、やや摩耗してくる
- 落ち着く子もたまにいるが、基本的には活発でよく食べてよく遊ぶ
- 未去勢のオスは精力がピークな時期なのでケンカしやすい
6歳
- 口の周りに白い毛が生えてくる
- 遊びへの関心も薄れて、のんびり過ごすようになる
- 肥満や病気になりやすい
成猫期の年齢の見分け方は、個体差も大きいためとても難しいのですが、口内環境や歯を見ると分かりやすいかもしれません。歯の擦り減り方や、歯石の付き方、また歯茎の状態も目安のひとつになります。ただ、野良猫の場合は栄養状態が悪く、実年齢よりも身体の老化が進んでいる場合もあります。
シニア(老猫)期の年齢の見分け方
シニア期の猫の見分け方で変化が顕著に表れる部分は「歯・歯茎」や「被毛」です。
7歳
- 歯の先が丸くなる
- 表情がやわらかくなったように見える
- 一日をのんびり過ごす
8~9歳
- 歯がすり減り、歯茎に色素沈着も増えていく
- 体もかたくなるため毛繕いが行き届かず、被毛がボサボサになる
- 寝て過ごすことが多くなるため、肥満体質になりやすい
10~15歳
- 歯が大きくすり減り、色素沈着も顕著に現れる
- 歯が抜ける子もいる
- 毛ヅヤもなくなり、白髪が目立ってくる
- 足腰が弱くなるため、一日のほとんどを寝て過ごす
シニア期の猫は、上記の他にひげが減ったり、短くなったりすることもあります。また、瞳に濁りが出る、爪とぎの回数が減ることで爪が伸びがちになる等も、シニア期の特徴です。
以上が月齢別の見分け方ですが、子猫期は成長過程によって年齢を判断しやすいですが、成猫期、シニア期は個体差や、育ってきた環境により大きく変動するため、目に見える状態だけで判断するのはとても難しいものです。年齢によって、食事やその他のお世話も大きく違ってくることもあるので、家族に迎える際は、動物病院でおおよその年齢を調べてもらうと安心ですね。
獣医師の見解
まとめ
猫の年齢の見分け方についてまとめてみました。猫は7歳くらいから老化が始まると言われています。シニア期に突入すると、歯や被毛の状態も変わってくるのでご飯の与え方やブラッシングなどのケアを考えてあげましょう。 愛情をかけて年齢に合った育て方をすることで、きっとあなたの愛猫は日々満足し長生きしてくれるはずです。
実は見た目での正確な年齢の判断は獣医師でも難しく、ざっくりとした年齢でしかわからないことも多々あります。
しかし大切なのは正確な年齢を知ることではなく、うちのコが大体どのライフステージに属していてどういったことに気をつけてあげるかということです。
特にいわゆるシニア期以降では急激な体重や筋肉量の減少はないか、食欲の減衰や異常な亢進はないか、多飲多尿はないかなど日々の生活の中のシグナルメントから気づけることは多くあります。
保護猫などで正確な年齢がわからない場合、上記に述べられている見分け方を参考に是非、愛猫がどのライフステージに属しているのか知ってあげましょう。