黒猫が家に来ると運気が上がる?縁起が良いと言われる理由を紹介

黒猫が家に来ると運気が上がる?縁起が良いと言われる理由を紹介

黒猫が家に来ると運気が上がるといわれています。日本では縁起がいいと扱われている一方で、一部海外では不吉と扱われています。この記事では黒猫が縁起が良いといわれる理由と、不吉とされる言い伝えを紹介します。

黒猫が家に来ると運気が上がる?

運気を上げる黒猫

黒猫について、家にまつわる幸福なお話がいくつかあるようです。家の前までくるだけではなく、家の中に出入りした所に住むようになってからも、幸福を運んでくれます。一体黒猫はどのようにして幸福を運んでいるかいくつかご紹介しますので、ぜひ確認してみましょう。

黒猫が家に来るのは幸運が訪れる前触れ

黒猫が家に来るのはいい幸運が訪れるのを意味しています。さらに黒猫は、邪気を払う力もあるため、訪れた家の悪い運気を払ってくれます。

もし自宅の近くで黒猫がのびのびと過ごしていたら、これからいいことが起きる前触れです。ぜひとも、追い払ったりせずに優しく見守ってあげてくださいね。

江戸時代の日本で黒猫は福を呼び込む存在たった

江戸時代、結核が流行した頃、黒猫のいる家では結核が治るというウワサが広まりました。それをきっかけに、黒猫を飼うのが流行したそうです。

この当時、新選組の一番隊組長をつとめ、天才的な剣技を持っていたことで有名な沖田総司も結核を患っていました。そんな沖田も迷信を信じて黒猫を飼っていたそうです。

また、この頃は結核の原因がわかっていないため、心の病である恋煩いが原因で結核になるとの考えもありました。これが転じて、黒猫は恋煩いにも効果があると言われるようにもなっていますよ。

夏目漱石の処女作「吾輩は猫である」のモデルも黒猫

かの有名な小説家夏目漱石が書いた「吾輩は猫である」に出てくる猫は、実は夏目漱石が飼っていた黒猫がモデルです。

ある時、千駄木の夏目漱石宅に子猫が迷い込んできたそうです。しかし、漱石の妻の鏡子は猫が苦手だったため、追い払っていたのですが、それでも子猫はまたやってきて家に上がり込みます。

何度もつまみ出すのですが、また戻ってきてしまったそうです。その後漱石の一言で猫を飼うことになります。

この猫が実は、体が黒いだけではなく、爪の先まで真っ黒な「福猫」であるのが判明し、猫が苦手であった鏡子もとても可愛がったそうです。

この黒猫と一緒に住むのがきっかけで、吾輩は猫であるが生まれ、現在までも読み継がれる日本の代表作になりました。素晴らしい作品を書いたのは漱石の力に間違いはありませんが、そのきっかけを引き出したのは黒猫の存在といえるでしょう。

日本で黒猫が縁起が良いと言われる理由

伏せする黒猫

日本では、黒猫の存在自体が縁起がいいと扱われています。不思議な力があるのか、人を選んで家に住みついたり、黒色から縁起のいいものに連想されたり、理由はさまざまですがどれも幸福をイメージさせることです。

実際どのような縁起のいいことが起こるとされているのかご紹介します。

黒猫には人間のオーラが見える

黒猫は人のオーラを見て、自分と相性の良い人を見分けているようです。

なんとなく人に近づいているのではなく、優しい人だな、好きだなという人を選んでいます。そしていいオーラを放つ人は、幸運を引き寄せる力があるといわれています。

黒猫は、居心地の良いと感じる人の元へ幸運を運び、悪い運気を払ってくれています。あなたのオーラを見抜いてきてくれているので、ぜひ優しく接してあげてくださいね。

商売繁盛や勝負運アップなどお金を引き寄せる力がある

黒猫にはお金にまつわる縁起のいい意味が多くあります。商売は上でいうと、福を招き入れる招き猫があります。

昔、農作物を荒らすネズミ対策として猫を自宅やお店で飼ったことから、猫がいると福が訪れ、商品を守ってくれることから商売繁盛するといわれていました。

また、招き猫には色別で意味が変わり、黒い招き猫の場合は魔除けや厄除けの意味があります。黒い色には邪気を払う意味があるため、福を招きながらも悪いものを寄せ付けず守ってくれるのでしょう。

そして、過去には宝くじを当てるという黒猫がいたんだとか。宝くじ売り場を運営する事務所近くで生まれた黒猫を、社員の方々が飼うようになったら、これまであまり当たらなかった売り場から高額当選が続出したそうです。

生まれ育った場所に福を舞いこませた本物の招き猫が存在したんですね。

暗闇の中で光る目が一筋の光を連想させる

暗闇の中に黒猫がいたら全く見えませんよね。しかし猫の目は真っ暗な中でも光が反射して目が光っているように見えます。

闇の中でも一筋の光が見えるというのは、希望や困難を乗り越えられる力を与えてくれると考えられています。苦しいとき辛いときの一筋の光のパワーは、応援してもらえるようなポジティブなイメージを連想させてくれますね。

黒い毛の色が縁起物のあんこに似ている

古くから日本でなじみのあるあんこと黒い毛の色が似ていることから、黒猫は「あんこ猫」として縁起がいいとされてきました。あんこは大福や紅白まんじゅうという、お祝いに使う和菓子によく利用されています。

また、あんこの原料である、あずきを使ったお赤飯も、昔からお祝いの席で用意される縁起のいい食べ物です。

小豆の赤色にも「魔除け」や「邪気を払う、厄除け」の意味があるため、お盆におはぎを供えたり、厄除けにぜんざいを食べる風習があります。

「あんこ猫」は、黒猫の黒からもあんこの赤色の意味からも、縁起のいいといわれる理由があったようです。

猫のひげは縁起物!黒猫ならさらに貴重品かも?

黒猫に限らず、猫のひげは縁起物として扱われています。

猫を飼っている人は経験があるかもしれませんが、猫のひげが室内に落ちているのを見かけるのは、とてもレアではありませんか?猫にとってひげはとてもデリケートな部分で、なかなか抜けるようなものではありません。

そのため、希少価値が高いと考えられて、落ちた猫のひげを見かけただけでもラッキーな出来事と思われています。商売繁盛のイメージのある猫の一部ということで、ひげをお財布や手帳に入れて金運アップのお守りとして持ち歩くようになったそうです。

さらに黒猫には、邪気を払う・厄除けの意味も込められているため、黒猫から落ちたひげはとくに縁起のいいものといえます。

黒猫への考え方は国によって違う

おすわりして鳴く黒猫

日本は昔から黒猫は縁起のいいとされている中で、悪いイメージの話もありますよね。黒猫が前を横切ると不吉である、黒色から闇や恐怖など不吉なイメージが連想されるなど、いくつか存在しています。

黒猫についての不吉なイメージは、外国から入ってきた可能性が高いと考えられます。外国でも黒猫に関するさまざまな言い伝えがあり、ケルト神話や北欧神話にも登場しています。

ただし、日本と同じように幸せの象徴として扱う国も多くあるため、国によってそれぞれ考え方がちがうとわかっています。

《スコットランド》
幸運の象徴とされて、自宅の玄関先にいたらその家は繁盛するといわれています。

《イギリス》
結婚をする新婦に黒猫を贈ると幸福になる、黒猫が住み着いた家には幸福が訪れるなどとされています。

《ニュージーランド》
黒猫は幸せを運ぶ妖精の化身とされています。イギリスと同様に、結婚をする新婦に黒猫を贈る、結婚式当日に黒猫が横切ると幸福になるなど、恋愛面に関する言い伝えが多いです。

《ドイツ》
黒猫には美味しいワインがわかるという逸話があります。

ワインを買い付けにきた商人が、最後どのワイン樽を選ぼうか悩んでいたとき、黒猫が一つの樽に乗って承認を威嚇したことから「美味しいワインにちがいない!」と決めたそうです。そのためドイツのワインには黒猫モチーフのラベルが多いんですよ。

また、黒猫が左から右へ横切るのは不吉というのもありますが、逆に右から左に横切ると吉兆になるため、現在は不吉説より幸福のイメージの方が強くなりつつあるようです。

《欧米》
魔女の使い魔や、魔女が黒猫に化けているなど、魔女にまつわる話が多く不吉の象徴とされています。

そのため中世のおわり頃ヨーロッパで起きた魔女狩りでは、黒猫も多く被害を受けたそうです。その名残は現在でも引き継がれ黒猫は不吉な存在と扱われています。

イタリアでは、ハロウィンの時期になると黒猫を傷つける悪習が続いているため、動物愛護団体が11月17日を「黒猫の日」と制定しました。迷信を信じて黒猫を傷つける人から守るために、パトロールも強化されているようです。

また、アメリカでは、ひとりの男性の活動により、8月17日が「黒猫感謝の日」と認知されました。友人がかわいがっていた黒猫の死後、飼い主である友人も後を追うように2ヶ月後の8月17日に亡くなったことがきっかけで、黒猫に関する宣伝活動を始めたそうです。

不吉なイメージの強い黒猫は、保護施設から新しい家族と出会うのはやはり困難であるのが現実です。しかし「黒猫感謝の日」の活動のおかげで、多くの黒猫の写真が掲載され、いい点をアピールするいいきっかけになっています。

色や迷信からくるイメージを払拭して、一匹でも多くの黒猫が良い家族と出会えるといいですね。

《アイルランド》
月夜の晩に黒猫が前を横切ると伝染病で死ぬといわれていました。当時伝染病が流行っていたことや、人の生涯をあらわしたといわれる月の満ち欠けが、猫の瞳の特徴に似ていたことからきていたようです。

黒い毛の色が夜をイメージさせ、月のような瞳をもつ猫から、黒猫がぴったり当てはまったのかもしれません。

まとめ

クッションに埋もれる黒猫

黒猫は、幸福の象徴、魔除け、厄払いなど、縁起のいい動物として扱われることが多いです。一方、実際今でも不吉とされて、黒猫の命が危ぶまれるような扱いをする国もあります。

商売繁盛や、病気が治るなど、縁起のいい言い伝えがこれからも続いて、黒猫が可愛がられる風習が増えるといいと感じます。

できれば、色をはじめ、見た目については猫一匹一匹の個性として受け止めて、どんな猫でも同じように受け入れられる世界になれいいですね。