猫の目の色が違う理由
猫の目の色は、眼球の全面にある虹彩(瞳の周りにある円盤状の膜のことを虹彩といいます)に含まれる、メラニン色素の量によって決定されます。メラニン色素が少ないと薄く透明感のある色に、そしてメラニン色素が多いと深く濃い色になります。
その色のバリエーションは大きくわけて4種類、細かく分類すると約10種類にわけることができます。また、この目の色は遺伝によって決まり、洋猫は色素の薄いブルーやグリーン系の目の色の子が多く、和猫は黄色や茶色系の子が多いともいわれています。
子猫の目の色はみんなブルー
そんな様々なカラーバリエーションが存在する、猫の目の色ですが、なんと生まれた時はみんなブルー!これは「キトンブルー」と呼ばれる現象で、どの子猫も非常に美しいスカイブルーの瞳をもって生まれてきます。
キトンブルーは生まれてから、生後2ヶ月ほどまではメラニン色素が不足しているために起こる現象で、2ヶ月以降は徐々にメラニン色素が増えて色素が定着してくるため、遺伝により決定された目の色へと変化していき、生後6ヶ月頃には最終的な目の色が決定します。
猫の目の色は4種類に大別
それではここで、4種類に大別した、猫の目の色をご紹介しましょう。
グリーン
洋猫に多く見られる目の色で、色素がとても薄く、ほとんどないといっても過言ではありません。そのため光の反射で「レイリー散乱」という現象が起き、人の目にはグリーンにうつるそうです。尚、純粋な和猫にはグリーンの目を持つ猫はいないといわれています。
ヘーゼル
グリーンと茶色がグラデーションになっている色を指します。目の色を決定するメラニン色素がちょうど半々ほどで、和猫と洋猫の混合種に多く見られる目の色です。ちなみに筆者の実家で初めて飼った三毛猫がこの目の色でした。
アンバー
強く鮮やかな黄色に見える、目の色のこと。琥珀色とも呼ばれ、しばしばヘーゼルと混同されることもありますが、アンバーはヘーゼルのような混合色ではなく、単色で構成されています。メラニン色素はカッパーの次に多い色です。
カッパー
カッパー=胴色という名前そのままに、茶色く見える、目の色のことを指します。和猫に多く見られ、メラニン色素はご紹介した4色の中で最も多くなります。日本は温暖で効率を重視しなくとも陽の光に恵まれているため、猫の目の色も濃くなったといわれています。
猫の目の色のその他
その他の、猫の目の色をご紹介します。
オッドアイ
オッドアイとは左右違う目の色を持つ猫のことで、先天性と後天性のものがあります。先天性の場合には白猫に見られる場合が多く、その個性的で神秘的な姿から、しばしば巷の話題になることも。また後天性の場合には事故や病気、またはそれによる手術などが原因になることがあります。
ブルー
ブルーの目は、グリーンの目と同じようにメラニン色素が少ないことで起こります。もともとブルーの色素を少量持つためにブルーに見え、この目の色を持つ子は身体が弱く、遺伝的な疾患を持つことが多いといわれています。
レッド
ごく稀に見られる色がこのレッド。メラニン色素をまったく作ることができず、目の血管の赤い色がそのまま目に反映されるため、このように見えます。毛色が真っ白な猫に多く見られる現象で、白いウサギに赤目の子が多いのと同じメカニズムになります。
まとめ
猫はその特徴的な目が非常に印象的な生き物なので、その目の色といえば毛色と同じくらいのインパクトがあるのではないでしょうか。筆者も初めて家に猫をお迎えした時、子供ながらにそのグリーンの瞳の美しさに見とれたことを思い出しました。美しい目の色は、その子が健康な証拠。どの子もいつまでも綺麗な瞳で、のんびりと元気に過ごしてもらいたいものですね。