猫の寝る場所
1日の大半を寝て過ごしている猫ですが、その睡眠はほとんど熟睡ではありません。 いつ敵に見つかっても逃げられるように、また、いつ獲物を見つけてもチャンスを逃さないようにと体力温存の為に身を潜めて寝ているのです。
しかし飼い猫の場合は襲われる危険も食事に対する心配もないので、野良猫などの外猫よりは熟睡時間が長いのかもしれません。そんな平和な飼い猫でも、体調や気分によって寝る場所はしっかりと使い分けています。
体調の良い時
猫の体調が良い時や甘えたい時は、人目のあるリビングの椅子の上やソファ、日の当たる窓際など、心地良さそうな所を寝る場所に選びます。リラックスしている時は体を伸ばしたり、ひっくり返したりして寝ています。その愛らしい寝姿を写真に収め、SNSに拡散する方も多い事でしょう。
体調の悪い時
猫の体調が芳しくない時は、人目に付かない押し入れやクローゼットの中、タンスや棚の上を寝る場所に選びます。これは具合が良くなく熱がある時、気持ちが悪い時などに、暗めの涼しい場所や人との接触があまりなく、身を守れる場所で休みたいという心理からだと言えます。
当たり前ですが、「具合が悪いから病院へ行く」という概念や考えは猫になく、そもそも病院の存在を知る事も理解する事も無いので、いつもと違うな、元気がないな、と感じた時は飼い主さんがいち早く気づいてあげる事が大切です。
もちろん具合が悪い場合に限らず、単に静かな場所にいたい、賑やかすぎて落ち着かない、明るすぎて眠れない。理由は様々なので、体調が悪い訳ではない時はそっとしておいてあげましょう。構って欲しくなったら猫から近づいてきてくれます。
猫が寝る場所の快適な温度
猫は寝る場所を選ぶ時、静かで安心できて、更に快適で気持ちいい場所を選びます。夏は風通りの良い涼しい場所を、冬は最も暖かい場所を見付けることが上手な生き物です。
猫が居る場所を観察してみると、窓から丁度風が通る道や、湿度が快適で空気のひんやりした廊下、暖房がしっかりと当たる場所などを選んでいるので注目してみましょう。
また、猫は気温が15度以下の時は丸まったり猫同士くっついたりして暖を取り、22度くらいまでは手足を緩め、22度以上でお腹を出して寝転がる姿を出す様です。猫種によりますが、ちょっとした気温の把握ができるかもしれませんね。
猫にとっての快適温度は平均27度前後とされていていますが、近年猛暑が続いています。猫の寝る場所を作ってあげることも飼い主さんの義務なので、しっかりと温度調節をしてあげると良いでしょう。
猫が飼い主の側で寝る心理
外で暮らす猫に比べて、飼い猫は甘えん坊で子猫気分が抜けない子も多いです。寒い季節の夜に、猫が飼い主の頭や顔の側で一緒に寝たり、なんだか重くて目が覚めると猫がお腹の上に乗って寝ていたりする話をよく耳にします。
飼い主の側で寝る猫は、安心と甘えと暖かさを求めているそうです。人の平熱は36.5 度で、猫の平熱は37.5~38.5度となります。つまり猫にとって人の体温は丁度良い温度のホットカーペットの様で、寝る場所として最適な存在なのです。
また、猫が飼い主の側で寝る位置で、猫のタイプもわかります。
飼い主の顔の側や脇に顎を乗せる猫
子猫気分で甘えん坊、飼い主に対して信頼度バッチリタイプ
股の間に顔を乗せる猫
ちょっかいを出されるのは避けたい、しかし人肌に包まれていたいツンデレタイプ
足元に体を置いて寝る猫
飼い主の側に居たいけれど、何かあった時にすぐ離れられるようにしている用意周到タイプ
また、お腹の上で寝ずに、飼い主が目覚めるのを側で待っている猫もいます。
暖を取る他に、
- 構って欲しいです
- お腹が空きました
- 喉が渇きました
- おトイレ掃除をして下さい
などの無言の欲求(要求)の場合もあります。もしかしたら、鳴いて訴えても飼い主さんが熟睡していて気づかなかったのかもしれませんね。
まとめ
猫が自分の寝る場所を決めるのには、気分や体調だけでなく、暑い、寒いなど、気温や湿度も関係しています。安心できて、気持ち良く寝られるための場所の確保をしてあげておくと、人も猫も快適な睡眠がとれる事でしょう。