猫の年齢
猫の生きられる年齢は十数年、人間よりもかなり短いです。それだけ年齢を重ねるスピードが早い、ということになります。この間産まれたばかりの子猫でも、ほんの数年で、換算年齢が飼い主さんの年齢を追い越していた…なんてこともよくある話です。
猫の年齢早見表
猫の年齢を人間の年齢に換算すると、2歳までは完全室内飼いも野良猫も変わりませんが、3歳から年の取り方に、差がでてきます。
猫の年齢 | 人の年齢換算 ※括弧内は野良猫の年齢換算 |
猫の成長 |
生後1週齢 | 生後1ヶ月 | 目は開いていない |
---|---|---|
生後2週齢 | 生後6ヶ月 | 目が開き始める |
生後1ヶ月 | 1歳 | 乳歯が生え揃う |
生後2ヶ月 | 3歳 | 離乳が終わる |
生後3ヶ月 | 5歳 | 動きが活発になる |
生後6ヶ月 | 10歳 | 初めての発情期を迎える |
生後7ヶ月 | 12歳 | 永久歯が生え始める |
1歳 | 15歳 | 成長が止まる |
1歳半 | 20歳 | 成猫になる |
2歳 | 24歳 | 少年期 元気で活発 |
3歳 | 28歳(32歳) | 青年期 まだまだ元気 |
4歳 | 32歳(40歳) | 落ち着いて貫禄がでる |
5歳 | 36歳(48歳) | 歯の先端が丸みがかる |
6歳 | 40歳(56歳) | 白髪が出てくる |
7歳 | 44歳(64歳) | シニア期 肥満に注意 |
8歳 | 48歳(72歳) | 寝ていることが多くなる |
9歳 | 52歳(80歳) | 高齢猫となる |
10歳 | 56歳(88歳) | 歯が抜け始める |
11歳 | 60歳(96歳) | 老猫なのでケアに注意 |
12歳 | 64歳(104歳) | 病気にかかりやすくなる |
13歳 | 68歳(112歳) | 内臓が弱り始める |
14歳 | 72歳(120歳) | 白内障などが出始める |
15歳 | 76歳(128歳) | 反応が鈍くなる |
16歳 | 80歳(136歳) | 認知症の症状が出る事も |
17歳 | 84歳(144歳) | だいぶ長生き |
18歳 | 88歳(152歳) | かなり長生き |
19歳 | 92歳(160歳) | 元気な猫は珍しい |
20歳 | 96歳(168歳) | 生存する数が激減する |
38歳 | 168 歳(306歳) | ご長寿猫ギネス記録 |
※あくまで目安としてご活用ください。
3歳以降になると、完全室内飼いの猫は1歳年を取るごとに、人間の年齢では4歳ずつ年を取ります。一方、野良猫は1歳年を重ねると、人間でいうと8歳、年を取ります。ということは、野良猫は完全室内飼いの猫よりも、2倍の早さで年を取っていく、ということです。
外の厳しい生活環境により、体の衰えが早いのだと予測できます。また、交通事故などにも遭いやすいため、寿命は4〜5年と言われています。人で言うと40歳代でその生涯を閉じてしまう、というのは早過ぎると言えますね。
1歳未満の猫の年齢換算
- 生後1ヶ月:人間に年齢換算すると生後1歳くらい
- 1歳:人間に年齢換算すると17~20歳くらい
- 2歳:人間に年齢換算すると24歳くらい
- 猫は1年に4歳づつ歳を取る
猫は人間よりも成長が早く、生後1ヶ月で人間の生後1歳程度となり、歯も生え始めます。そして3ヶ月で人間の5歳に、生後1歳で人間の年齢に換算すると17~20歳に相当します。そして2歳で24歳くらい、そこからは1年に4歳づつ歳を取ります。
1歳未満の猫の場合、僅か1年でほぼ大人となってしまいますのでその成長の早さに最初は驚くと思います。また性的にも成熟は早く、早いメス猫なら生後7ヶ月で出産を経験します。その為、もし飼い猫を去勢するなら6ヶ月を目安に獣医さんに相談をしましょう。
シニア猫の年齢換算
- 7歳からシニア期になる
- 年齢換算すると:7歳=44歳
猫の寿命は10~15年と言われていますが、人間の世界が高齢化社会となっているのと同じく猫の世界でも高齢化社会となっていると言われています。
あるデータでは飼い猫の半数が7歳以上のシニア猫だったという驚くべきデータもあります。ちなみに7歳でシニア猫ということに違和感を覚えた方もいらっしゃると思いますが、キャットフード業界では7歳以上をシニア猫と線引きしています。ちなみにキャットフードは10歳以上の猫用、15歳以上の猫用など高齢猫の為のキャットフードが年齢に合わせて細かく区分化され売られています。食欲の落ちる高齢猫の為に、高カロリーで食べやすいものを研究し各種メーカーから販売されています。
高齢期の猫の年齢換算
- 15歳:人間に年齢換算すると78歳
15歳になるといよいよ高齢猫となります。寿命を迎える猫の他に、足腰も弱り目も悪くなり1日中寝て過ごすことが多くなります。この年齢になったら無理に運動をさせようとせず静かな場所で、お気にいりのベットなどを用意してあげてのんびりと一緒に過ごしてあげてください。また病気もこの年齢の猫は多くかかりやすいので、異変を感じた場合は迷わず獣医さんに相談しましょう。
現存する世界最長寿の猫の年齢換算
- スクーターちゃん
- 30歳:人間に年齢を換算すると100歳超え!
現在生きている最高齢の猫はアメリカのシャム猫、スクーターちゃん。その年齢は30歳!平均寿命の2倍生きているスクーターちゃんは、人間の年齢に直すとゆうに100歳は越える大長寿猫です。ちなみにまだまだお元気で飼い主様の肩に飛び乗ることも可能だとか。
ちなみに今までで1番長寿の世界記録を持っている猫はなんと38歳まで生きたそうです。人間に換算すると180歳!もはや想像もつかないほどの大変ご長寿な猫ちゃんですね。
見た目でわかる猫の年齢予測方法
ブリーダーさんなどで産まれた猫たちは、誕生日がはっきりしています。ですが、野良猫になると、いつ産まれたのかを予測するしかない場合がほとんどです。猫の年齢を知るには、幾つか体の部分を見ることで、ある程度予測を立てることが可能です。
猫の「目」で年齢を知る
若い猫は、輝いてクリアな目をしています。もちろん、目の病気はないことがほとんどです。虹彩(目の入る光の量を調節する、伸縮する膜)もなめらかです。年を取っている猫は、この虹彩がギザギザになってしまうことが稀にあります。また、12歳頃になると、若干目が曇ってくることも。早めに動物病院へ出向き、検査を行いましょう。
猫の「歯」で年齢を知る
歯は年齢が出やすい部分です。猫の乳歯は、生後2週間〜4週間で生え始めます。そして、生後4か月頃、永久歯に生え変わります。ですから、子猫の歯を見てみると、大体ですが生後どのくらい経っているのか、判断することができるでしょう。
尚、乳歯は永久歯よりも小さく、尖っているのが特徴です。分からない場合は獣医師に見て貰うと良いでしょう。永久歯が生えていて、白い歯の場合、1歳前後と判断できます。1〜2歳になると、歯がやや黄ばんできます。歯石が付き始めていたら、3歳〜5歳くらいでしょう。7歳以上のシニア猫になると、歯が抜けている場合もあります。
猫の「被毛」で年齢を知る
被毛も、猫の大体の年齢を知ることができる部分です。若いとふわふわとソフトな毛ヅヤで良い被毛をしています。年を取ってくると、ゴワゴワした手触りになってきます。シニア猫になると、白髪が目立ちます。大体人間と、一緒ですね。
猫の「体の張り」で年齢を知る
若い猫は活動的なので、筋肉が良く鍛えられています。ですが、年を取った猫は痩せてきて骨っぽくなったり、皮膚がたるんだり、肩の骨が出っ張ってくることもあります。これも、人間と大体同じですね!
猫の年齢とライフステージ
猫の各ライフステージに対応する年齢と、それぞれの特徴を見ていきましょう。ライフステージの呼び方や年齢の区切りには様々なものがありますので、その一例をご紹介します。
猫の年齢:幼年期
猫が出生してから生後6ヶ月までを指します。体と精神の成長が1番著しい年齢であると共に、育てるのに手間が掛かる年齢です。生後2週目〜7週目あたりは「社会化期」という、子猫が他の猫や動物との関わりを覚え、性格を形成していく重要な期間です。他の猫との遊びを通して、噛む力やじゃれる力の加減を覚えます。この期間を単独で過ごした子猫は加減が分からず、成猫になってから人を噛んだり引っ掻いたりする猫になる可能性があります。
この年齢の猫の体は日々成長し、体重もぐんぐんと増えていきます。もし体重が減る場合には、すぐに病院へ連れていきましょう。まだ免疫力や体温調節機能が充分でなく、体調を崩し易い年齢でもあるので、特に注意が必要です。瞳の色がキトンブルーから本来の色に変化をしたり、歯が生え始めたりと、大きな変化が楽しめます。徐々に体の機能も発達していくので、自力での排泄をするようになる、ドライフードを食べるようになるなど、段々と成猫に近付いていきます。ですがまだまだ子供なので活発に動き回り、遊ぶ事も大好きです。なるべく一緒に遊ぶ事で、絆も深まりやすくなるでしょう。
猫の年齢:少年期
猫の年齢が生後7ヶ月〜2歳までを、少年期と呼びます。人間で言うと、12歳〜24歳までです。少年期の初期に初めての発情を迎え、交尾・妊娠・出産する猫もいます。1歳半で成猫になりますが、この頃の体重が一生を通しての標準体重と言われています。参考に、成猫になった時の体重を、記録しておくと良いでしょう。
少年期という呼び名の通り、若々しく活発で、遊びが盛んな年齢です。おもちゃなどで沢山、遊んであげましょう。
猫の年齢:青年期
猫の年齢が3歳〜6歳までを「青年期」と言います。人で言うと、28歳〜40歳までです。この頃になると動きに落ち着きが出てきます。周りの環境にも順応してくるので、少しの事では驚かなくなってきます。例えば、掃除機をかけると一目散に逃げていたのに、側に来ても逃げなくなった、などです。少年期よりも寝ている時間が長くなる気がしますが、まだ遊ぶのも好きな年齢です。コミュニケーションの為、お気に入りのおもちゃで遊んであげると、喜ぶでしょう。
猫の年齢:壮年期
猫の年齢が7歳〜10歳までを、壮年期と呼びます。人間だと、44歳〜56歳までです。段々と老化のきざしが見え始めます。動きがゆっくりになったり、高い所に登れなくなったりすることもあるでしょう。寝ている時間も長くなり、おもちゃへの反応も、鈍くなってくる年齢です。運動量と代謝が落ちるので、肥満になりやすいです。食事には充分に気をつけてあげましょう。定期検診を半年に1回にするなど、回数を増やすと病気の早期発見に繋がります。
猫の年齢:中年期
猫の年齢が11歳〜14歳までを中年期と言います。人間の年齢に換算すると、60歳〜72歳までです。内臓機能が衰えてくるので、病気にかかりやすくなります。定期健診はしっかりと受けるようにしましょう。1日のほとんどを、寝て過ごすことが多いです。静かな環境で寝られるよう、整えてあげましょう。この年齢になると、特に子猫の新参者はストレスとなってしまう可能性が高いので、なるべく新しい猫は迎えない方が良いでしょう。
猫の年齢:高齢期
猫の年齢が15歳以上、人間で言うと76歳以上を高齢期と言います。認知症や様々な病気を発症しやすいので、健康管理には注意が必要です。足腰が弱ってきますので、ふらふらよたよた歩く事も。粗相もしやすくなるので、トイレをベッドの近くに置いてあげるようにしましょう。介護が必要になる子もいます。その場合は大変ですが、最期まで面倒をみるのが飼い主の勤めです。時には人に任せてうまく息抜きをしながら、愛猫との時間を充実させると良いでしょう。
猫が年齢を重ねたときのケアや最期について
悲しいかな、愛猫を飼い主さんが見送ることは避けては通れません。猫の年齢が重なるにつれ、愛猫の介護や看取る覚悟について考える必要があるかと思います。
愛猫との別れは非常に辛いものがありますが、それは飼い主さんが責任を持って最期まで面倒をみた、という何よりの証拠でもあります。猫も年を取ると人間と同じく、動けなくなり介護が必要になることもあります。
猫の介護は思ったよりも大変な場合が多いです。時にはイライラして、ストレスが溜まってしまうこともあるかもしれません。猫が年齢を重ね、お世話するのが難しいと感じたときは一人で抱え込まず、動物病院に相談してみたり、ペットシッターさんを頼ったりしてみてください。精神的な負担も軽くなりますし、身体的にも楽になるかもしれません。
愛猫に感謝を込めて愛情たっぷりに送り出すには、飼い主さんご自身のケアも大切です。決して無理をし過ぎず、辛いときは周りを頼ってくださいね。
猫の年齢に関するまとめ
人の1年は、愛猫の4年。そう考えると、猫はあっという間に年を取ってしまうことが想像できます。ちょっと前まで子猫だった愛猫が、すぐに自分の年を追い抜かし、気がついたら敬うべき年齢になっていた・・・この変化の早さにはついていかれず、愛猫に対しての接し方に、戸惑いそうです。
ウチの猫たちはまだ、私よりも年下ですが、追い抜かされたら、どうしよう・・・。やっぱり「さん」付けで、名前を呼ぶべきでしょうか?話しかけるのも敬語が良いのか、今から考えておきます(笑)