猫の鼻の変化を見逃さない
ふと、愛猫の鼻をみて、「なんだか鼻が湿ってる!病気?」と思った事がある方もいらっしゃるかもしれません。
ご安心ください、実は猫の鼻は常に湿っているものなんです。鼻の中から分泌される液体を、あえて鼻の表面にまで広げる事で、ニオイの粒子をより多く鼻に取り込み、ニオイを嗅ぎ分ける効果を上げているのです。
しかし、いつも湿っているからといって、「いつもと鼻の様子がちがう」「鼻水がでてる?」なんて場合もあります。逆に「なんだか鼻が乾燥している・・・」「いつもと色が違う・・・」なんてこともあるかもしれません。そしてそれらの変化は、健康に直結している場合が多くあります。
少しチェックするだけで健康状態のバロメーターになる猫の鼻。その状態をちゃんと見る事で、病気のサインが分かる事もあります。愛猫の健康を守るためにも猫ちゃんの鼻について詳しく知っておきましょう!
猫の鼻から分かる健康状態と病気
猫の鼻の状態から、病気が分かる場合があります。どんな状態の時、どのような病気の恐れがあるのでしょうか?
鼻が乾燥している場合
- 空気の乾燥が原因
- 脱水症状をおこしている可能性がある
猫の鼻は常に湿っている、と前述しましたが、寝ている時や空気が乾燥している時は多少乾く事もあります。ですが、そうでなくても乾燥している時やひび割れている時は、どこか体調が悪い場合もあります。
また、体の水分が足りない時も猫の鼻は乾燥することがあります。脱水症状を起こしている可能性もありますので水分をしっかり取るようにしましょう。特に下痢・嘔吐・食欲の低下などの症状がある際は速やかに動物病院へ受診するようにしてください。
鼻水やくしゃみが出ている場合
- 鼻炎、副鼻腔炎の可能性
- 鼻炎の症状がある際には速やかに動物病院へ
鼻炎や副鼻腔炎で鼻水やくしゃみが出る事があります。鼻炎の原因はウイルスや細菌やアレルギーなど様々です。歯が原因となることもあります。治療法も原因によって違いますので、まずは受診をしましょう。副鼻腔炎は鼻炎から炎症が広がってなる事がほとんどです。鼻炎になった時点での早めの受診が大切です。
鼻血が出ている場合
- 傷、炎症によるもの
- 感染症、腫瘍、血小板の異常など、病気の可能性
- 早めに動物病院へ受診する
猫が鼻血を出していたら、ビックリですよね。鼻血は、鼻の中の傷やできもの、感染症や基礎疾患、血小板の異常などで起こります。いずれにせよ放っておくと良くありませんので、受診するようにしましょう。
鼻の穴が狭くなっている場合
- 鼻腔狭窄という病気の可能性
- 先天性のものが多い
「鼻腔狭窄」というペルシャやヒマラヤンなどの短頭猫種に主にみられる病気です。正常は鼻は左右対称なのに対し、鼻腔狭窄の鼻は鼻の穴が小さくなってしまいます。呼吸をするたびによく鼻がグーグーと鳴っていたり、呼吸がしづらい様子がある場合はこの病気の可能性があります。人の手で猫種改良されてきた事での、先天性の奇形が原因です。
治療は症状が軽ければ現状維持をする為の保存療法、重い場合は外科手術が行われる事もあります。 なかには、腫瘍やポリープが原因で鼻の孔が狭くなっている場合もありますので気を付けましょう。
猫の鼻のケア方法
猫の鼻はマメに拭いてあげる事で、キレイに保つ事が出来ます。拭く時はガーゼやコットンなど、柔らかい素材のものをぬるま湯で濡らしてから拭くようにします。鼻の穴についている黒い固まりが鼻くそです。ガーゼなどに含ませた水分でふやかしてから優しく拭き取りましょう。奥に入り込んだ鼻くそは無理に取るのではなく、もし愛猫が苦しそうだったら動物病院で取ってもらいましょう。鼻の中心に縦に入っている溝も、軽く拭いてあげるとスッキリするでしょう。
鼻を拭く時に同時に、何か異常がないかをチェックしてあげると、病気の早期発見に繋がります。特にペルシャやヒマラヤン、エキゾチックショートヘアなどの短頭種は、マメにお手入れしてあげた方が良いでしょう。愛猫とのコミュニケーションも含めて、鼻をふきふきしてあげましょう!
猫の鼻の役割
猫の鼻にどんな役割があるのか主な役割も知っておきましょう。
食べ物を嗅ぎ分ける
まず、なんと言っても猫にとって重要な鼻の役割は、食べ物のニオイを嗅ぎ分ける事です。食べても大丈夫なものなのか、食べてはいけないものなのかをニオイで嗅ぎ分けています。猫にご飯を与える時に人肌程度に温めると良く食べるのは、食べ物のニオイが立ってご飯だ、とより判断しやすくなるからです。ですから、もし何らかの理由で猫がニオイを嗅げなくなってしまったら、食べて良いものかが分からず、死活問題となるのです。愛猫の為にも、鼻は大切にしてあげたいですね。
挨拶をする
猫同士が挨拶する時も、鼻と鼻を近づけお互いのニオイを嗅ぎます。対人間でも、まず指先などのニオイを嗅いでどんな相手なのかを確かめます。愛猫が鼻で挨拶をしてくれるのは、親愛の情を示している、とも言いますね。猫と鼻先で挨拶が出来ると、ちょっと嬉しくなるのは私だけでしょうか?
鼻挨拶をした後は、上位の猫が下位の猫のお尻のニオイを嗅ぐようですが、人間にはちょっと避けたい挨拶の仕方です。衛生面でも宜しくありませんので、もし猫がお尻を見せてきても嗅がないようにしてくださいね(笑)。
自分のニオイを嗅ぎ分ける
猫は良くそこいらにスリスリします。猫には頬の辺りや肉球の間などに、フェロモンを分泌する器官があります。スリスリする事で自分のフェロモン(ニオイ)をつけ、安心出来る環境にしている訳です。飼い主が帰ってきたり、爪研ぎを新しくしたりした時など、真っ先にスリスリ、バリバリするのは自分のニオイをつけているのです。
顔から出るフェイシャルフェロモンは、実に5種類もあるという事ですから驚きですね。マーキングする時や猫同士で体をすり寄せる時に使うなど、用途により使い分けているようです。それらのニオイを嗅ぎ分けられるのも、猫の鼻のすごい性能があるからなのでしょう。
性別を見分ける
猫の鼻を見る事で、オスかメスかを見分ける事が出来ます。目の間の幅と鼻の幅を見ると、ほぼ同じなのがオス、目の間の幅よりも鼻の幅の方が小さいのがメスになります。
もちろんこの他にも、頬やヒゲの生えている部分(ウィスカーパッド)、目の大きさも合わせて判断が出来ます。頬やウィスカーパッドが大きいのがオスです。目の大きさはオスもメスも変わらないのですが、オスは顔の幅が大きいので目がメスよりも小さく見えるのが特徴です。これで野良猫ちゃんの性別の見分けが出来るかもしれません♪
猫が苦手なニオイ
ここで様々な役割を持つ猫の鼻が苦手なニオイについてご紹介します。しかし猫が苦手としているのにもそれぞれ理由があるんです。
柑橘系のニオイ
猫が苦手なニオイとして代表的なものが柑橘系です。柑橘系のニオイは人間にとっては爽やかないい香りと感じますが、猫にとっては柑橘系のニオイは鼻につく酸っぱいニオイ、つまり腐ったニオイと感じるようです。元々野生で生きていた猫にとって、食べ物が腐っているかどうかはニオイで判断をするしかありませんでした。そのため鼻を突き抜ける酸っぱいニオイは危険なニオイと感じるようです。
アロマオイルのニオイ
アロマオイルの強いニオイは猫にとって鼻をつく不快なニオイと感じてしまうだけではなく、中毒症状を引き起こす可能性のある危険な物質でもあります。アロマオイルなどに含まれるエッセンシャルオイルは猫の体では上手に分解できない物質であるのと同時に、とても鼻につくきついニオイでもあります。
中毒を引き起こす可能性があるだけではなく、不快な思いをさせてしまうアロマオイルはできるだけ使わないようにしましょう。
香辛料のニオイ
鼻にツンとくる香辛料のニオイは猫にとっては大変きつく、苦手なニオイです。代表的なコショウ、唐辛子はもちろん、香辛料がたくさん入っているスパイス系のニオイがする食べ物も苦手です。
人間にとっては良いニオイと思っても、猫にとっては鼻につく嫌なニオイである可能性もありますので注意をしましょう。
ハーブのニオイ
猫にとって鼻につく嫌なニオイと感じる代表的なものは、ハーブの香りがあげられます。ハーブの香りも猫にとっては、キツイとかんじてしまようです。ハーブは芳香剤や消臭剤などにも頻繁に使われておりますので、猫の鼻に不快感を感じさせなたいめにも注意をしましょう。
タバコのニオイ
鼻につくタバコのニオイが苦手という方もいらっしゃるでしょうが、猫にとってもタバコのきついニオイはつらいと感じやすいようです。タバコは鼻に不快な感覚を与えるだけではなく、受動喫煙によって癌や皮膚炎などのリスクも高めてしまいます。愛猫を健康に保ってあげるためにも、猫がいる空間ではタバコを吸わないように気を付けましょう。
猫の鼻と健康状態についてのまとめ
- 乾燥している:空気の乾燥、脱水症状
- 鼻水・くしゃみをしている:鼻炎や副鼻腔炎
- 鼻血が出ている:怪我もしくは感染症や腫瘍などの基礎疾患
- 鼻の穴が狭くなっている:鼻腔狭窄という先天疾患
猫の鼻の状態でわかる健康状態や病気の可能性についてご紹介しました。猫の鼻は通常であれば少し湿り気がある事が正常です。鼻が乾燥している際はお部屋の湿度が低い可能性があります。お部屋の湿度が40~60%になるよう加湿器などを使い湿度を管理しましょう。また、脱水症状になっている時も猫の鼻は乾燥します。下痢やおう吐などの症状が一緒にある場合重大な病気にかかっている場合がありますので早めに動物病院へ受診してください。
猫の鼻には様々な役割があるのですね。特にご飯のニオイを嗅ぎ分けている、という生死に関わるほどの役割があるという事ですから、鼻を健康に保つようにしてあげたいものです。
猫風邪でも鼻水が出ますが、我が家の猫は鼻水が出ていてもご飯は問題なく食べていました(笑)。それだけ鼻の性能がすごいのか、どんな時でも食べる事だけは譲れないのか・・・いずれにせよ、たくましい子で良かったです!
40代 女性 かえで
昔から今までたくさんのねこちゃんを飼ってきましたが、病気が原因で鼻が乾いたりしていることはありませんでしたが、猫の多頭飼いしているときに、猫ちゃんたちが喧嘩して、鼻を引っ掻かかれて、末っ子猫が負傷したことはあります。ぱっくりと切れてしまったので、獣医さんに治療していただきました。
縫うとこまではいかなかったので、よかったのですが、痛いおもいをさせてしまい、申し訳なかったです。その時ばかりはねこちゃんの鼻は乾いていました。一週間ほどしても鼻が濡れないので感染してどこかに炎症があるのかもと、検査をしていただきましたが、結局は、体調がもどってきたら濡れてきていつものねこちゃんに戻りました。
思っているいじょうに、鼻の状態で健康状態がわかりやすいですね。
40代 女性 かずみ
感染症だったら大変だと思い、獣医師に診ていただきました。
検査の結果、ただの風邪だということがわかり、安心したのを思い出します。鼻水が、ダラダラ出るのが、なかなか治らずに気になりましたが、1週間するとミルクもたくさん飲むようになり鼻水も出なくなりまして、顔が綺麗になりました。成猫になった今もたまに、鼻風邪を引きますが昔みたいにはひどくなりません。
風邪も早めに獣医師に診ていただくと、安心ですね。