室内飼いでの猫のノミ対策に効果的な3つの方法

室内飼いでの猫のノミ対策に効果的な3つの方法

住んでいる地域によっては猫もノミ予防した方がいいといわれていますが、室内飼いだから感染しないと思っていないでしょうか?実は室内飼いでも猫がノミに感染する場合があります。なぜ外に猫を出していないのにノミに感染してしまうのか、その原因や対策法も含めてお話しします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

室内飼いで猫にノミがつく原因

体にノミがついて痒がる室内飼いの猫

私たち飼い主が外に出た際にノミが靴や衣服にくっ付いてしまうことが原因で、お家の中に持ち込んでしまいます。

外に出入りする猫は、ノミを含め寄生虫に感染するリスクはありますが、完全室内飼いの猫でも、ノミに感染する可能性はあるのです。

また、飼い主・家族以外でも友人や親戚などの来客によって、ノミを持ち込んでしまう可能性もあります。

ノミは通常、直射日光が当たらない所や草むらなどに主に生息していますが、ここ最近犬を飼う人が増え、散歩することで道路や道にノミや、ノミの卵や幼虫などが落ちていることがあり、生息域が広がっているため、人にノミがくっ付く確率が高くなっているようです。

また、ペット可のマンション内でノミに接触することもあげられます。

ノミは気温約13度以上あれば生存できるといわれているため、ノミにとっては年中暖かいお家の中は生き延びることができ、また繁殖もできる好都合のよい環境でもあるのです。

そのため、外に出てない室内飼いの猫でもノミに感染してしまうのです。

猫がノミに感染してしまった際にみられる症状

お家に持ち込んでしまったノミが原因で、室内飼いの猫に感染した場合、ノミの唾液に含まれているタンパク質によりアレルギー反応をおこす「ノミアレルギー性皮膚炎」になることが多いです。

猫がノミアレルギー性皮膚炎を発症すると、激しい痒みをおこし、首から背中・腰にかけて皮膚が赤くなり、発疹や脱毛もみられます。

猫の体質にもよりますが、1匹のノミでも激しいアレルギー反応をおこし、ノミアレルギー性皮膚炎になる場合があります。

また、室内飼いの猫だけではなく人にも吸血した場合も、同じくアレルギー反応をおこし、激しい痒みや皮膚に発疹などの症状がおこります。

人にも感染することがある

ノミの中では、バルトネラ菌を保有していることがあり、猫に吸血しても症状はありませんが、その猫に人が咬まれたり、ひっかかれたりすることにより、傷口が赤く腫れたり、発熱やリンパ節の腫れなどをおこしたりする「猫ひっかき病」を発症する場合があります。

そのため、室内飼いの猫でもノミに感染する可能性があるため、安全とはいいきれないのです。

室内飼いでの猫のノミ対策方法

室内飼いの猫についていた虫眼鏡越しのノミ

猫にノミ駆除薬を投与する

もしお家にノミを持ち込んでしまっても、室内飼いの猫に感染させないために、猫にノミ駆除薬を投与して予防することが大切です。

一般的なノミ駆除薬は、皮膚に直接薬を投与するスポットタイプになっており、1回の投与でおよそ1か月効果があります。

しかし、私たちが目に見えているノミ(成虫)は全体の約5%しかありません。残りの約95%はノミの卵や幼虫などです。

そのため、1回の駆除薬を投与しても完全にノミを駆除することはできないため、定期的に投与する必要があります。

また、住んでいる地域にもよりますが、ノミは気温約13度以上の環境であれば生存できるので、暖かい所に住んでいる場合は、長期の投与期間が必要な可能性があるため動物病院に相談することを勧めます。

帰宅したらすぐに着替えたり、猫を玄関に入らせたりしないようにする

人により室内にノミを持ち運んで室内飼いの猫に感染させないように、外から帰宅した際は猫に接触する前にすぐに服を着替えましょう。

特にノミは衣服が好みといわれており、くっ付いていることが多いようです。外で着ていた服はその都度洗濯にかけ、手洗いも忘れずに行ってください。

また、靴にもノミやノミの卵、幼虫などがいる可能性があるため、玄関に室内飼いの猫を入らせないようにし、ノミ駆除剤のスプレーなどをかけましょう。

こまめな清掃を心がける

猫や人に感染させないように部屋の掃除を定期的に行うとよいです。

特に室内の部屋の隅や家具の隙間、ソファーやベッドなどがノミが繁殖しやすいといわれています。また、室内飼いの猫がよく使うタオル類や寝床など、日常的に猫がよく使用するものやスペースにも掃除を行い清潔に保ちましょう。

なぜかというと、暖かい室内はノミにとって快適な環境でもあるため、一気に数を増やしてしまう恐れがあります。

とあるデータによれば、最初はわずか10匹しかノミがいなかったが、30日後にはノミの成虫の数が約2000匹、卵が約9万個、幼虫が約10万以上に増殖したとのことでした。

常に部屋を綺麗・清潔にしておくことで、万が一ノミが室内に持ち込んでしまっても感染拡大を防ぐことができます。

室内飼いの猫に投与するオススメのノミ駆除薬

ノミの駆除薬をつけられている室内飼いの猫

フロントラインプラスキャット

このスポットタイプの駆除薬は、24時間以内でノミの成虫を駆除することができ、ノミの卵や幼虫にも効果があります。

また、ノミだけではなくハジラミとマダニも一緒に駆除することが可能であり、約1か月以上効果が持続するといわれています。

しかし1回だけ駆除薬を投与しても室内飼いの猫に感染する可能性があるため、1か月に1回定期的に投与する必要があります。妊娠中の猫や子猫(生後8週齢〜)に投与しても問題はないか実際に実験を行い、安全性があることが分かっており、安心して使うことができます。

レボリューション 猫用

この駆除薬もスポットタイプなため、猫の皮膚に直接付けるだけなので簡単に投与することができます。フロントラインプラスキャットと同様にノミの成虫、卵、幼虫にも効果があります。

レボリューションの特徴は、蚊が媒介して発症するフィラリア症や耳ダニといわれているミミヒゼンダニ、回虫にも効果があります。

同じく約1ヶ月効果が持続するため、室内飼いの猫でも投与期間は毎月投与することが大事です。

しかし投与する際に猫がフィラリア症に感染していないことを確認してから、行う必要があります。もし猫がフィラリア症に感染していた場合、駆除薬を投与したことで血管に詰まってしまい、ショック状態をおこし、命を落とす危険性があるからです。

自己判断で勝手に行わず、必ず使用する際はフィラリアの検査をし、獣医師の指示に従って投与してください。猫のフィラリア検査は院内でできず、外部の検査機関に出さなければなりません。検査の必要性については担当の獣医師と相談の上決定してください。

まとめ

ソファーの上で日なたぼっこする室内飼いの猫

室内飼いの猫でも私たち飼い主やその家族、来客などが原因でノミを室内に持ち込んでくることがあるため、感染するリスクはあります。

特に冬の季節でも気温が高い地域は、常にノミがいる可能性があるため注意が必要です。

また、気温約13度以上であれば生き延びることができるため、一度でも室内にノミを持ち込んでしまうと一気に数を増やします。

ノミは猫だけではなく、人にもアレルギー性皮膚炎や猫ひっかき病などの感染症にかかる恐れがあり、いかにノミから猫や人を守るかが大切になります。

住んでいる地域に合わせて定期的に室内飼いの猫にノミの駆除薬を投与したり、私たちも家に帰宅した際はすぐに着替えたり、こまめに清掃するなどの配慮が必要です。

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