猫のアドボケートとは?
まず「アドボケート」という名前、初めて耳にする方も多いのではないでしょうか。
猫のアドボケートとは一体どんなものなのでしょう?
新しい内外部寄生虫薬
猫ちゃんに使う内外部寄生虫薬といえば、レボリューションやフロントラインなどが有名ですよね。
アドボケートは、2016年に日本国内で販売が始まった予防薬です。フィラリア、回虫、鉤虫、ノミ、ミミダニに対して効果があります。マダニに対しては効果がありません。
駆除できる寄生虫の種類が多い
レボリューションを含め、他の商品とアドボケートが違うのは、猫の他の内外部寄生虫薬よりもアドボケートの方が、より多くの種類の寄生虫を駆除することが可能だということです。
成分
アドボケートの主成分は「イミダクロプリド」と「モキシデクチン」が配合されてできたもので、イミダクロプリドは猫のノミに、モキシデクチンは猫のフィラリア予防や回虫、鉤虫、ミミヒゼンダニの駆除に有効な成分となっています。
値段
アドボケートは病院やネット販売など、入手場所により多少値段のばらつきは出ると思いますが、およそ1000~3000円で、レボリューションとそこまで値段の差はないようです。
アドボケートを猫に使用した時の効果
アドボケートの特徴は、猫に速く効く、長く効く、深く効く、広く効くの4つです。
速く効く ~ノミ~
アドボケートを猫に使用後、3~5分でノミの吸血を止め、更に20分後には幼虫、成虫を完全に死滅させます。
長く効く ~フィラリア~
アドボケート投薬から1か月間効果が持続するので、猫のフィラリア予防としても安心です。
蚊の発生の1か月前にはアドボケートを投与しましょう。
深く効く ~回虫・鉤虫~
猫のお腹に寄生する回虫や鉤虫の成虫はもちろん、未成熟虫や幼虫にもアドボケートは効果を発揮してくれます。さらにアドボケート投薬後、90分を過ぎれば、水濡れしても効果は薄れないことが分かっています。
広く効く ~ミミヒゼンダニ~
今のところ承認されているのは猫のミミヒゼンダニのみですが、アドボケートは広く効くことにより、およそ98%以上の高い駆除効果が期待できます。アドボケートを数か月継続投与で、猫のニキビダニにも効果を得ることが可能です。
適応外使用を含めればシラミ、アカラスなどの寄生虫にも使える
アドボケートが海外、日本ともに承認されているのはノミ、フィラリア、回虫、鉤虫、ミミヒゼンダニなどですが、他にも猫のシラミ、アカラスなども適応外使用できる、つまりアドボケートは“日本では承認されていないけれど海外では承認されているもの”もあります。
猫にアドボケートを使う方法
使い方はとっても簡単
アドボケートは「小型猫用」と「大型猫用」の二種ありますが、使い方はどちらも同じで、スポットオンタイプなので、猫の毛をかき分けて背甲骨の間の皮膚にアドボケートの液を垂らすのみです。 アドボケートは基本的に猫ちゃんが舐められない場所に垂らす、と思っていただければ良いかと思います。
多頭飼いで猫がアドボケートを舐め合ってしまいそうであれば、少しの間だけ術後服のようにアドボケート投薬部分を覆って、舐められないような工夫をすると良いかもしれません。
猫にアドボケートを使う時の注意点
年齢と妊娠中、母乳育児中の母猫には使わない
生後9週以降、体重1kg以上の猫ちゃんであれば、アドボケートは子猫でも使用可能です。
ただし妊娠中の猫ちゃんや、授乳期の母猫ちゃんにはアドボケートは使用不可ですので、誤って使ってしまわないように注意してください。
副作用について
アドボケートの副作用は猫にほとんどないですが、痒みや紅斑が現れることや、一時的に嘔吐、食欲不振、興奮といった症状が起きることがあります。
もし舐めてしまったら
万が一、アドボケート投与部分を猫が舐めてしまったら、稀に運動失調、眼の異変、呼吸の乱れなどが現れることがあります。
アドボケートの副作用と含め、もし猫に異常が見られたら、速やかに獣医師さんに猫を診てもらうようにしましょう。
まとめ
猫の内外部寄生虫薬の新薬、アドボケートについてご紹介させていただきました。
既に猫のフィラリア予防のお薬として、獣医師さんからアドボケートをおススメされた飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。
今までは猫にレボリューションやフロントラインを使っていた方は、アドボケートってどうなのかな?乗り換えるべきかな?と少し気になるところだと思います。
アドボケートは今までの内外部寄生虫薬と比べても値段の差はそれほどなく、さらに猫に駆除できる種類もぐんと増えるので、特にお外へパトロールに出る猫ちゃんにはおススメなお薬だと思います。ただし、マダニの予防はできませんので外に出る猫ちゃんのマダニ対策はできませんので注意してください。
逆に完全室内飼いの猫ちゃんで今まではレボリューションを問題なく使っていた、という子ならばアドボケートに無理に換えることもないかと思います。
ご自宅の猫ちゃんに合わせながらアドボケートの使用を検討されてみてはいかがでしょうか。