猫の虫下しの方法
猫の虫下しは薬で駆虫する
猫の虫下し薬ですが駆虫したい病原体の種類や効果持続時間によって、様々な虫下しの薬があります。ちなみ以下の虫下しのお薬は全て要指示医薬品や動物用医薬品となっておりますので、かならず動物病院にかかり獣医師の指示のもと治療を行ってください。
- イベルメクチン系薬:猫回虫などを駆虫するための薬です。
- プラジカンテル:条虫や吸虫などを駆虫するための薬です。
- メトロニダゾール:ジアルジアを駆虫するための薬です。
- フィプロニル:ノミやマダニを駆虫するための薬です。
- メトプレン:ノミやマダニの幼虫が成虫になるのを防ぐ薬です。
猫の虫下しの薬の飲ませ方
これらの虫下しの薬を感染が疑われる病原体や期間など、必要に応じて使い分けていきます。虫下しの治療は1回の駆虫薬の投与で終わることは少なく、複数回の虫下しの薬の投与が必要だったり、数カ月かかることもよくあります。虫下しが必要な場合はかかりつけの先生とよく相談し、治療方針をたてていきましょう。
虫下しが必要な猫が感染する寄生虫
1.ジアルジア
下痢や軟便を引き起こします。猫に寄生し虫下しをしないと食欲不振、元気消失などを起こすこともあります。人に感染したときも下痢を主症状とする消化器症状を示します。
2.吸虫類
横川吸虫や棘口吸虫など。猫に寄生し虫下しをしないと下痢、腹痛などの症状を示します。淡水魚の生食が感染源となります。人も感染しますが、アユやシラウオの生食がもっとも一般的な感染源です。
3.瓜実条虫
条虫が寄生しているノミを猫がグルーミングの際などに誤って飲み込んでしまったときに感染します。肛門から片節という虫体の一部が出るときに肛門周囲を気にしたりします。人に感染した場合はあまり症状を出しませんが、幼児では下痢や腹痛を起こします。
4.猫回虫
猫に寄生し虫下しをしないと下痢やおう吐などの消化器症状があります。寄生虫が肝臓や肺などの臓器に迷い込むことがあり、猫に寄生し虫下しをしないと肝障害や肺炎など迷入した先の臓器障害を起こします。人に感染したときも迷入による症状を起こすことがあり脳炎や失明などを招くこともあります。
虫下しが必要な寄生虫に猫が感染しないようにできる予防策
猫回虫の予防
猫回虫を予防するには子猫のうちにするこまめな検便と、糞尿を体内に取り込まないようにするためにトイレや食器を常に清潔にすることです。猫回虫などの寄生虫は糞便中に虫卵が排出されることが多く、この卵が付着した地面やフードを舐めたり、感染猫とのグルーミングなどで感染することが多いです。猫回虫は母乳にも移行することがあるため、母親が感染していると子猫にも移ることがあります。
瓜実条虫の予防
瓜実条虫の幼虫を持っているノミを猫が飲み込む事で感染しますのでノミの対策をしっかりとするのが予防となります。
吸虫類の予防
吸虫類に寄生されないためには、生食を避ける事が1番です。刺身や生のお魚は猫に与えないようにしましょう。
ジアルジアの予防
ジアルジアは主に経口感染により感染します。フードはいつも新鮮な物を与え、使った食器は常に清潔を保つようにしましょう。
猫にとって虫下しは大切!
猫回虫という寄生虫は、人に飼われている1~6カ月の室内飼い猫の約27%で感染が証明されたという日本の論文があります。また、アメリカでは下痢を起こしている猫の4977頭の10.3%からジアルジアという病原体の感染の検査が陽性だったという論文もあります。いずれも人間に感染する可能性があり、人獣共通感染症です。
猫の虫下しをしないと人に感染する危険性がある
寄生虫や原虫などは猫ちゃんに下痢などを起こさせるだけでなく、人にも感染し病害を加える可能性のある病原微生物です。
野良猫ちゃんをおうちにお迎えしたときや、シェルターなどから子猫ちゃんをもらってきた時はまず動物病院にかかったり、シェルターの人に駆虫歴を聞くとよいでしょう。ちなみに筆者は野良猫ちゃんの新しい里親さんを探すときは真っ先に駆虫をして探し始めています。
猫の虫下しについての参考文献
- 『新獣医薬理学 第三版』近代出版
- 『獣医内科学 小動物編』文永堂出版
- Sahatchai Tangtrongsup, and Valeria Scorza; Update on the Diagnosis and Management of Giardia spp Infections in Dogs and Cats; Topics in Companion Animal Medicine, Volume 25, Number 3, August 2010, p. 155-162.
- 伊藤直之:飼育猫における猫回虫の寄生状況.感染症学雑誌 2000;74:824―827
女性 ケロキ
それから1年後にはマンソン裂頭条虫がうんちにいたので、飲み薬を出してもらったのですが、薬を飲んで30分して吐いてしまいました。錠剤は見当たらなかったのですが、虫も一緒に吐いていました。
それからしばらくしてまた、回虫が見つかり別の種類の滴下薬で駆虫しました。
もう大丈夫だろうと思っていたのに、また1年後に回虫が出ました。今度は吐き気止めの注射をして内服薬を出してもらいました。いずれも少数寄生だと言われてのですが、猫は外に出ていないし、掃除もしているのになぜ寄生虫がいるのか不思議です。
猫はいつも通り元気ですが、人にも感染する可能性があるのですぐに病院に連れて行くようにしています。今までの駆虫の様子や検便の結果から使用する薬が変わるので、受診することはとても重要だと感じています。また、先生によって駆虫の考え方が違うなというのも正直な感想です。
40代 女性 かえで
長男猫のときはうんちから条虫みたいのがでましたがあとの2匹のときにはぎがつきませんでしたので、獣医さんに診ていただきました!
運動しているうちにうんちが固まり、下痢ではなくなったのでうんちの中に駆虫した虫が混ざっていてもわかりませんでした。
いま飼っている2匹の猫ちゃんの時もいま思い出せば、駆虫からはじまりました。
2匹ともご飯をあまり食べなかったのでしんぱいになり、獣医さんに診ていただきました!水ばかり飲むのでもしかしたら、お腹に虫がいてるのかな?とおもいましたら、やはりそうですぐに、お薬を飲ませて駆虫をしました。
その後は元気に走り回りご飯もよく食べて元気になりました。
20代 男性 masa
野良猫を保護した場合、内外部問わず何らかの寄生虫が寄生している可能性が非常に高いですよね。特に白くて細長い麺のような姿をしている猫回虫は、母子感染の可能性もある為、生まれて間もない子猫を保護したとしても注意が必要です。母猫から胎盤感染してしまった場合は、生後3週頃から糞便中に回虫の卵が排泄されるようです。その為、その頃までに駆除薬を投与する必要があり、その後も生後3ヶ月頃までは2週間置きの投与が望ましいとされています。
多頭飼いしているお家に保護した猫を連れ帰る場合は、必ず先に動物病院を受診するようにしましょう。内部寄生虫が確認された場合は、しばらく隔離しておく必要もあります。内外部問わず、非常に強い繫殖力を持つ寄生虫が多いので、一度寄生されてしまうと完治までに時間が掛かる場合が殆どです。完全室内飼いの徹底や、定期的な受診で愛猫を寄生虫から守りましょう!
40代 女性 りゅう
猫ちゃんを拾ったらまずは、獣医さんに診ていただいて虫下しをしてあげることが大切ですね。