猫の咳からわかる意外な原因…セカンドオピニオンの大切さ

猫の咳からわかる意外な原因…セカンドオピニオンの大切さ

飼い主さんから見て、飼い猫に明らかに何かの異常な症状が認められるけど、動物病院を何度受診しても原因が解らない、でも何とかしてあげたい、そういう時の対処法について実体験を元にアドバイスをさせていただきたいと思います。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

愛猫の原因不明の咳に悩まされる

咳をする猫

猫は自身の不調を隠す動物だと言われています。しかし、必ずしもそうとは言い切れません。人間の気づきが不足しているだけのケースも多々あります。

実際、我が家には3匹の飼い猫がいますが、そのうち2匹は自分が不調な時、飼い主に気付いてほしいからなのか何かしらのサインを出してきます。

咳をしながら寄ってくる愛猫

例えば、飼い猫が咳をしながら膝元に駆け寄ってきて離れない時、皆さんならどう対処されますか?私は、何をしてほしいのか、どうしていいのか分からず、ただ背中をさすってあげることしかできませんでした。

咳が止まらないのであれば、そのまま病院に連絡し、そのまま病院へ駆け込みますが、数分で止まる場合、経過観察をしますよね?私は飼い猫が咳をするたびに私に気付いてほしいからあえて私に知らせるために駆け寄ってくるのだと思いました。

猫の咳の症状についてネットなどでも多々検索しましたが、どの記事でも、本来猫は咳をしない動物であり、重篤な病気が潜んでるケースがある、と記載されていました。

三日に一度酷い咳をする

我が家の飼い猫に関しては、3日に1度は酷い咳をする、という状態でした。記録として、動画を撮り、医師に見せたところ、アレルギーか何かだろうけど、重篤な病気ではないだろう、とのことでした。

愛猫の咳が止まらないので病院へ

獣医と猫

普段と違う様子の飼い猫のことを理解できるのは飼い主さんだけです。本来咳をしないはずの猫が、高頻度で咳をする、ということはやはり何かしらの疾患があり、異常だと判断できます。

違う病院にも受診したけど・・・

そこで私は、かかりつけの動物病院ではない他の動物病院を受診することに決めました。2件目の動物病院でも、やはり原因不明で精密検査を勧められましたが、普段とても元気な子猫だし、咳以外の症状がないこともあり、改めて経過観察をする旨伝え、数か月を過ごしました。

三度目の正直!そこで告げられたこと

その数か月間、やはり咳をするたびに私のもとに駆け寄ってきて何かを訴えている様子が分かったので、これで最後の動物病院にしようと心に決め、3件目の動物病院を探し、受診しました。

そこで獣医師から告げられたことは、『遺伝性の心筋症の可能性』でした。

全く予想だにしなかった病名に驚いて、私はもう頭の中が真っ白でした。

子猫のころの猫の写真

こんなに小さい身体でこんなに若くて(当時、生後10ヶ月程度)元気なのに、心筋症?治療法もなく何もしてあげられずこの先不安で毎日を過ごすだけなのかと思うと、涙が止まりませんでした。

猫にとって動物病院の受診はストレスになるので、緊急性がないなら私は必ず受診させる前に動画を獣医師に見せて、その後の指示を仰ぎます。我が家の飼い猫の動画を見せて、3件目に受診した動物病院の先生は、すぐに心臓の異常を疑ったそうです。

心臓の専門医を紹介される

その獣医師は、心臓の専門医を紹介してくださり、精密検査をすることが出来ました。

結果として、生まれつき左心房が大きく心臓内の弁膜も狭窄しており、血液の逆流が認められるが、軽度の症状とのことで、今後は心筋症に発展することが無いよう、半年に1度の検査を推奨されました。

愛猫の咳の原因4件目で分かる

結果として、4件目の動物病院を受診したことで正式な病名が判明したことになります。しかし、そこでさらに分かったことが、元々、咳が原因で受診していたのですが、心臓の遺伝性疾患と咳の因果関係に関しては否定的、とのことでした。

成猫になってからの猫の写真

咳の原因は未だ不明

草むらに居る子猫

私はいまもなお、愛猫の咳の根本的な原因を突き止めることが出来ていませんが、複数人の専門家にアドバイスいただいたことを実践するようにし、結果として咳をする頻度や症状は緩和されています。

大事な家族の一員である飼い猫は言葉が発せないのだからからこそ、飼い主さんはそのことも加味した対応をすべきでしょう。原因が分からない、ではどうすべきか?と行動し、解決策を見出し続けること=愛猫を守ること、だと思います。

まとめ

2匹の猫が寝ている写真

どのような状況下であっても、飼い主さんは冷静、沈着に愛猫の立場に立ってどうすべきかを考えてあげることが肝要なのだと思います。

当たり前のことですが、ある一人の医師の言うことは絶対的ではありません。だったら可能な限り複数人の専門家の方の意見を聞き、更に自分の愛猫ならどうしてほしいかを考え、行動化してあげればきっと最良の解決策が見出せるのだと私は思っています。

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