柔軟剤が猫に危険な理由2つ
柔軟剤の成分で猫が中毒を起こす可能性がある
柔軟剤に配合されている化学物質は、猫にとって中毒を起こしたり体調が悪くなったりアレルギーを起こしたりするものもあるため、猫にとって危険なこともあります。
人のほうではありますが、柔軟剤に含まれる香料や成分によって、以下のような様々な中毒や、アレルギー症状などの副作用がでることもあります。
- 皮膚疾患
- 喘息
- 内分泌撹乱
- 発ガン性
- 偏頭痛
柔軟剤には、化学物質がたくさん含まれています。特に香料にはアルコールやエステル、エッセンシャルオイルなどがあります。柔軟剤は陽イオン界面活性剤を主な成分として、安定化剤や、洗濯物の仕上がりを良くする性能向上剤などが配合されています。
特に猫に対して気を付けなければいけないものとして、アロマ成分が含まれている柔軟剤を最近は耳にしますが、精油(エッセンシャルオイル)成分 は猫にとってはとても有害なものです。なので、柔軟剤すべてが危険なのではなく、この猫に対して危険な精油を含んだ柔軟剤が問題をおこす可能性があります。この精油を解毒できる能力が猫は極端に弱いため、そして、成分が蓄積してしまうことで、猫の健康に様々な影響を与えます。
また、アロマ成分が含まれた柔軟剤により猫にとって過剰な有害物質が体内に入ると、それを解毒する肝臓の機能が弱いため対処できずに溜まっていくことで、臓器に負担がかかります。
そのため、肝炎などなどの症状が現れることもあります。猫が肝炎になると、食欲がなくなる、吐くなどの一般的な症状から黄疸が見られたり、水をよく飲み、おしっこも多くするようになり、おしっこの色が濃くなってしまったりもします。
精油は蓄積性があるので、何年か後に症状がでる場合もありますし、急性の症状として中毒症状も現れますし、対応が遅ければ、猫の命にかかわることになります。
毎日のように使う柔軟剤の成分が、いつも家の中にある衣類や布製品に付着しているとしたら、人間よりもずっと身体の小さな猫にとっては、常に化学物質を吸収し続け、体に負担をかけ続けていることになります。
また、猫は代謝酵素であるグルクロン酸転移酵素というものを作る能力が不十分です。このグルクロン酸転移酵素は、精油成分などの有害物質を解毒する役割をします。
この解毒作用が弱いために猫は、多くの種類の化学物質による中毒にかかる率が高いのです。
柔軟剤の香りが猫のストレスになる
近年の柔軟剤は香りが長続きするような物が多く販売されています。人にとっては良い香りでも、猫にとって柔軟剤は香りが強すぎるという事もあります。
猫は人間よりも、少ない臭いでも感じ取ってしまうので、そのためにストレスを感じたり、体調不良になったりするために、柔軟剤が危険な場合もあります。
柔軟剤に含まれる香料の成分で、猫の健康を害する可能性があるのはもちろんですが、常に臭いを感じることによっても体調が悪くなることがわかっています。
インターネット上でも血液検査でも異常が現れないのに、元気がなく具合が悪そうだった猫が、柔軟剤の使用をやめることで回復したという情報があります。
柔軟剤を猫がいる家庭で使う時の注意点3つ
無香料の柔軟剤を使う
まず、臭いを嗅ぐことによる猫のストレスや体調不良を防ぐため、また香料による中毒やアレルギーなどを防ぐためにも、無香料を選んだほうが、猫にとっては良いと言えます。
もちろん香料以外にも柔軟剤の成分は洗濯物に残っていますので、猫の健康に全く影響がないとは言えませんが、香料が強く配合されているものよりはまだ良いでしょう。
猫が使う物には柔軟剤を使わない
そして、猫が使う毛布や布製品のおもちゃや寝具などの洗濯には、柔軟剤を使わないようにすると、柔軟剤による猫の体調不良を減らすことができます。猫が舐めたり、毎日触れたりするものは、飼い主さんの洗濯物とは違う洗い方をするようにしましょう。
柔軟剤は猫が触れない場所で保管
さらに、普段から柔軟剤を猫が触れないところに保管するようにしてください。
猫が柔軟剤を舐めてしまったら
万が一猫が柔軟剤を舐めた場合には、まずできるだけ早めに動物病院に連れて行きましょう。柔軟剤にはほとんどの製品に界面活性剤が入っているのですが、猫の消化管などに悪影響を及ぼすこともありますので、猫が柔軟剤を舐めた場合にはできるだけ早く処置をする必要があります。
飲んだ柔軟剤を吐かせるのは危険
猫が柔軟剤を舐めたり飲んでしまったら、水を飲ませたり、様子を見たりといった対応もすすめられていますが、飼い主さんが自力で吐かせることは猫の消化器官を痛めるおそれもあるので、やめておきましょう。
たとえ柔軟剤を舐めたのが少量であったとしても、猫にとってどのような反応を示すかわかりませんので、様子を見るよりも獣医さんに判断してもらったほうが安心です。
猫の嗅覚
猫の嗅覚は、人間よりも1万~10万倍優れていると言われています。これは、猫が臭いを人間よりも1万倍や10万倍に感じるということではありません。
空気中にある臭い物質の濃度が、人間が感じられる濃度の最低量のさらに1万分の1から10万分の1でも、猫であれば感じ取ることができる、という意味です。
これは、臭いを感じる臭細胞が集まっている嗅上皮の面積が、人間よりもずっと大きいためです。
人間にとっては感じない程度の僅かな臭いでも、猫にとっては嗅ぎ取ることができるために、猫は常に様々な臭いの問題に晒されているとも言えます。
猫にも安全な柔軟剤
猫に安全な柔軟剤は、今までのお話を含めると飼い主さんが薬局やスーパーなどで購入できるものに関しては少ないとも言えます。
ただし、先にも述べた通りすべての柔軟剤が危険というわけではなく、特に精油が含まれている柔軟剤は気を付けたほうがいいかもしれません。多くの猫ちゃんは問題なく過ごせていますし、柔軟剤の猫への危険性は、研究報告が多いわけではありませんので、はっきりしたことは言えないところでもありますが、柔軟剤は洗濯後の衣類に残るものなので、場合によってはどうしても猫にとって何らかの影響がある可能性があります。
猫に安全とは言えませんが、できる限り無香料で、無添加の柔軟剤を選ぶと、健康被害は少なくなると考えられます。
無添加の柔軟剤としては、以下のようなものが例としてあげられます。
サラヤ SARAYA ヤシノミ 柔軟剤 無添加
カネヨ石鹸 無添加柔軟剤 本体 香料・着色料無添加
化学物質による猫の健康に及ぼす害を考えると、柔軟剤はもちろん、洗濯洗剤から選びなおすことすらも必要になってきます。
猫にとって安全な柔軟剤を、と考えると、柔軟剤を使わなくても済むような洗濯洗剤を選ぶという選択肢もあります。
環境を汚染しない洗剤 米ぬか洗剤
ミヨシ石鹸 そよ風
シャボン玉 粉石けん スノール紙袋
石鹸タイプの衣類洗剤は、洗った後、柔軟剤が必要ないくらいフワフワになる、という意見もあれば、汚れが落ちにくいので工夫が必要だという意見もあります。
猫にとって柔軟剤が危険な理由と注意点のまとめ
柔軟剤の香料には、猫にとって有害な化学物質が含まれていますので、できるだけ猫との接触を避けるようにしましょう。ただ、すべてが危険というわけではないですし、多くの猫ちゃんは何事もなく生活をされています。
人間でも、公害をもじった、香りの害=香害という言葉があります。
香水を始めとして、柔軟剤や香りつき洗濯洗剤などの香料に含まれる香り成分が原因で、体調を崩したり、アレルギー症状が起きたりといった害を受けることが問題になっているものです。
人間でさえ香りで体調を崩すのですから、猫にとって良くないのも無理はありませんね。
猫と暮らしていて柔軟剤を使う場合は、無香料や無添加を使うほか、猫の物を洗う時には柔軟剤を使わないという方法が、取り入れやすい対処法でしょう。
猫が柔軟剤の香りによって体調を崩しているような場合には、飼い主さんは柔軟剤を使わない洗濯に変えることも必要になってきます。
飼い主さんは柔軟剤の使い方を工夫して、猫の健康を優先した生活をしていくようにしましょう。