あなどらないで!猫のお口のトラブル
口腔内のトラブルは生活の質を大きく低下させてしまいます。特に猫は、口内炎ができても完治することがなく、一生涯にわたって付き合わなければなりません。さらに、歯周病も重症であれば全身麻酔をかけて治療しなければならず、体に大きな負担をかけることになります。
水分補給の一環で、ウエットフードやペースト状のおやつを食べさせる機会が多くなる夏場は、お口の健康にも気をつけたいシーズンです。お口のトラブルを防ぐためには、日頃からの健康観察がとても大切です。
口腔内トラブルから愛猫を守るためのポイント
猫に多い口腔内のトラブルは歯周病です。歯周病は歯垢や歯石が多く付着した歯の周辺組織に菌が繁殖することが主な要因です。ただし、猫自身の免疫力が著しく低下すると、歯垢や歯石の蓄積に関係なく発症することがあります。
ここでは歯周病を中心に、お口のトラブルを未然に予防するチェックポイントを5つご紹介いたします。
1. ヨダレが多くなっていないか
犬は日頃からヨダレの分泌が多い動物です。しかし猫は、犬のようにヨダレを多く分泌することはありません。
歯周病とヨダレの関係性は、歯の違和感や痛みからヨダレが多く分泌されることにあります。口周辺がベトベトしていたり、前足がヨダレで湿っていたりすることが多い場合は要注意です。
2. 食事の様子に異変がないか
口腔内にトラブルを抱えると、痛みで食べることが困難になります。夏バテの食欲不振とは異なり、「食べたいけれど食べられない」「食べにくそう」という印象が見受けられます。早めに動物病院を受診して相談することをおすすめします。
3. 顔に触れることを嫌がらないか
顔や口周辺に触れることを急に拒むようになった場合、口の中に痛みを感じていることがあります。普段から頬の周辺などに触れることを慣れさせておくと分かりやすくなります。
4. 口臭が目立っていないか
最近、愛猫のにおいが変わったと感じたら口臭を疑ってみましょう。歯周病により菌が繁殖すると、強い膿の臭いがするようになります。
その他にも口臭は、腎臓病や糖尿病、猫白血病ウイルスや免疫不全ウイルスなどの病のサインでもあります。歯垢や歯石の有無に関係なく、口臭が目立つようになった場合は一度病院で診てもらいましょう。
5. 歯や歯茎の異常がないか
愛猫が眠っている隙に、そっと歯や歯茎のチェックをしてみてください。次のような異変があればお口のトラブルを抱えてる可能性が高いでしょう。
- 歯垢や歯石が目立つ
- 歯茎が赤く腫れる
- 歯茎からの出血が見られる
- 歯が黄ばむ
- 歯がグラグラする、抜けるなど
猫の歯は元々白色をしています。犬歯のすぐ後ろ側にある前臼歯は、特に歯石の影響を受けやすく、黄ばみが目立ちます。さり気なくチェックをして、歯石や黄ばみがあれば獣医さんに相談してみてください。
まとめ
猫の口腔トラブルは、一度起きてしまうと完治が困難です。よって、日頃の健康チェックが重要になります。そして、幼い頃から猫も歯を磨く習慣を身につけましょう。
また、お口のトラブルの原因は歯だけとは限りません。異変を感じたら、早めに動物病院を受診することをおすすめします。